No.4ベストアンサー
- 回答日時:
唯物論とは、簡単に言えば「モノが人の行動を規定する」という考えです。
つまりマルクスに言わせれば、モノをめぐり人類は争ってきたと言っているのです。しかも弁証法的にです。弁証法とは「二つの対立の中から新たな進歩的な物事が誕生する」という考えです。
ですから彼の唯物史観(史的唯物論)とは、こうなります。
(1)人類の歴史は常にモノをめぐる対立の繰り返しであった。つまり古代社会では地主と奴隷またはコロヌス、中世は封建領主と農奴または都市市民、近代社会は資本家と労働者という対立です。
(2)次に歴史は、被支配者が暴力によって支配者を打倒してきた。あるいはその支配力を低下させ、社会や経済は発展してきた。市民革命はその典型。
(3)結論として、19世紀は労働者が資本家を暴力で打倒し社会主義を実現する番だ。
おわかりですか?
要するに、労働者が暴力(社会主義革命)によって資本家階級を打倒するのは、歴史の流れとして当然だと主張しているのです。そして、そのために国境を越えて全世界の労働者が団結するべきだと訴えたのです。
これがマルクス主義です。
参考までに、それに対して19世紀末~20世紀初頭のドイツでは、ドイツ社会民主党が議会で多数議席を獲得したこともあり、暴力によるのではなく、議会を通じて平和的に・漸進的に社会主義を実現していこうという考え方が主流になります。これを修正主義と言います。
No.5
- 回答日時:
#2です。
ここまでの回答を見てもらってもわかるかと思いますが、マルクス主義は現存の思想であり、また現存の政治党派と関係があります。そのため原典以外で理解しようとすると事実も嘘も間違いも微妙なずれも、また特定の党派や政治勢力の主張もまぜこぜになった意見しか得られないと思います。ついでながら、その「原典」もどの訳で読むか、ということも結構重要で、たとえば岩波版は社会民主党の一部に関係ある人の訳ですし、新日本出版社版は日本共産党の系統といっていいでしょう。また、いわゆる「新左翼」系の訳もあり、等どれを推薦するといってもそれ自身が党派的主張になってしまうかもしれません。
その上での事ですが。たとえば私の理解では、唯物論とはつまりこの世界のあれこれすべてが根本的には物質とその運動によって説明しうる、とするものです。んでもってその運動のあり方ですが、物事の変化のあり方、というのもある程度法則として考える事ができます。これが弁証法。
それで、とりわけマルクスの関心、というものはもともと民族問題(マルクスはユダヤ系です。ただし彼は無宗教ですから、現在の言い方ではユダヤ人ではない事になりますが)と、当時のドイツの民主主義、そして経済的不平等と政治的自由というような政治・法の問題であったので、これらを唯物論的に考えると、結局社会の発展には一定の法則があり、その根底にあるのは経済的関係がある、と看破します。これが史的唯物論。(中身については論争あり)
この史的唯物論の観点からすれば、現在の社会(資本主義社会)の根本矛盾は、物質的生産の担い手と、それを支配している者とが一致しない事である、と考えます。で、それを一致したものにしよう、とするには、支配する者には抵抗があるわけで、それを何らかの手段で強制して(この強制、というのをgewaltといいますが、この語には暴力の意味もあります。)その抵抗をうちやぶる、というはなしになります。このとき、現在の社会を支配しているのは資本家階級なので、その政治支配をも(経済もですが)終わらせる、ということになります。これが革命(Revolition)だ、という話ですね。なお、革命の暴力性というものは
1。今までの革命が(社会主義をめざした革命も市民革命も、またそれ以前のあれこれも)暴力的であった
2。非暴力的な革命をめざした政権というものはいくつかあったがいずれもアメリカによりつぶされた。現在中南米でひょっとするとそうなるかもしれないものが進行中
というような具合で、理論的には革命と暴力は必ずしもくっついているものではありませんが、そうではない、革命は暴力的でなければならぬ、あるいは暴力的じゃないと無理、という意見もあり、同様に今の中国やキューバなどがマルクス主義の国であるか、また、社会主義か、という点についても論争があり、またそれぞれ党派により主張する内容が異なります。
そういうことですので、前に述べたあたりの古典的文献を読んでみるのをおすすめします。
No.3
- 回答日時:
是非参考URLに挙げた「共産党宣言」を読むことをお勧めします。
マルクス主義者でなくとも、少なくとも共産主義を理解するために読んでおいて損はないかと。。。
正味70ページほどの本ですし。
参考URL:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003412 …
No.2
- 回答日時:
一般的には#1さんのおっしゃるwikipediaの解説でよいのでしょうが、現実にマルクス主義というものは現在の政治問題でもあるわけです。
具体的に言うと、共産党、あるいは「社会民主党、社会党」を名乗る政党の一部、などは少なくともマルクス主義の流れに属する、あるいはマルクスが出発点であると言っています(本当にそうか、ということもまた政治問題)。意外なことに朝鮮労働党は「マルクス主義を乗り越えた」と主張しており、現在ではマルクス主義に分類できません。またここのサイトでもそうですが政治問題というものは立場の違いからどうしてもそれぞれの立場の回答しか得られない事が多く、また無条件に相手を否定する回答だらけなので、はっきりいって信用できません。
そういう点でわかりやすく、ということはつまりそれぞれの立場からのアドバイスになってしまうので、正直言ってここでwikipediaも含めてそれぞれの立場からの解説になってしまいます。ですので以下のアドバイスや皆さんの発言もそういうものと思われた方が良いと思います。
その上で若干のアドバイスを。まずマルクス自身の著書ですが、まあ日本で言うと幕末から明治始めくらいの人であり、また出発点がドイツの哲学と法律、という代物なのではっきりいって読みにくいです。
まあ、「共産党宣言」「経済学批判序説(序文の部分のみ)」「空想から科学へ(これはマルクスではなくその相棒のエンゲルスのもの)」あたりが比較的読みやすいので、直接それを読んだ方が良いのではないかと思います。ただし、解説は先にも触れたようにそれぞれの立場からのものであることを忘れないように。「資本論」という中心的な著作がありますが、ちと高校生で独力で読むのは難しいでしょう。
次はレーニンですが、当時のロシアの時代性と地方性、と言うものを帯びていて、またその時々の政治的な状況で物を書いているため、やはり必ずしも読みやすいとは言えないように思います(ちなみに日本だと明治初期生まれ、大正時代に亡くなった)。
で、仰るような哲学関係の方がまだ解りやすいかもしれません(政治論文は背景がわからないとなにをいいたいんだか・・・)。
となると、「哲学ノート」「カール・マルクス」「唯物論と経験批判論」あたりでしょうか。
そこから後については本当に立場によって違ってしまいますので参考程度になさった方がよいでしょう。ただ、スターリンや毛沢東あたりを読む必要はないと思います。高校生向きじゃないし、それこそ立場によりいろいろいわれる人たちなので。
繰り返しになりますが、下手な解説は読まない方が良いかもしれません。まあ思想というものはだいたい倫理の教科書にあるようにコンパクトにまとめられるものじゃないので、そうした時点で編者の偏見を帯びてくるものです。それが政治思想だと増してや、という事なので、ご面倒でもやはり原典にあたられることをお勧めします。
No.1
- 回答日時:
社会を労働者階級(プロレタリアート)と資本家階級(ブルジョアジー)の二極対立に分けて、階級闘争の下で労働者を資本家から開放して共産主義社会を目指すのがマルクス主義です。
資本主義が進んで共産主義に至るという主張でしたが、歴史を見ると??ですね・・・。比較的分かりやすく説明しているサイトを紹介しておきます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB% …
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