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 テレビで死刑の是非が話されていました。
 犯罪を研究している人が「数字的にも死刑があるからといって凶悪犯罪が無くならないとは限らない」とおしゃっていました。
 実際の数字として本当に死刑が導入されているからといって単純に犯罪の抑止につながらないのでしょうか?。

A 回答 (24件中1~10件)

先日の回答の追記です。



国連犯罪統計局に報告された世界各国の殺人発生率、殺人以外の他の犯罪の発生率を
比較しても、死刑制度が有る国・無い国のどちらかに、
殺人やその他の犯罪発生率が高い・低いという統計上有意な差異は検出されていない。


国連犯罪予防機関-罪種別の世界各国別の発生率1995~1997
http://www.unodc.org/pdf/crime/sixthsurvey/publi …

国連犯罪予防機関-罪種別の世界各国別の発生率1998~2000
http://www.unodc.org/pdf/crime/seventh_survey/7s …

国連犯罪予防機関-罪種別の世界各国別の発生率2001~2002
http://www.unodc.org/pdf/crime/eighthsurvey/8sv. …


上記の世界各国の犯罪統計を死刑制度の存続国・廃止国別に表す。

死刑廃止国の殺人発生率/人口十万人あたり

国   (年度) 故意殺人発生率+故意でない殺人発生率/人口十万人
イギリス(2002) 2.03+0.03
オランダ(2000) 1.15+記載なし
ベルギー(2002) 1.50+0.40
フランス(2000) 1.78+記載なし
ポルトガル(2000) 2.47+1.90
スペイン(2000) 1.25+0.24
イタリア(2002) 1.12+0.63
スイス(2002) 2.92+記載なし
ドイツ(2002) 1.11+1.00
デンマーク(2002) 1.04+0.19
ノルウェー(2000) 1.09+0.91
スウェーデン(2002) 2.45+2.38
フィンランド(2002) 2.54+0.52
オーストリア(2002) 0.81+1.35
ポーランド(2002) 1.87+0.44
チェコ(2002) 2.29+0.48
ギリシャ(2000) 0.76+0.18
リトアニア(2002) 8.45+0.66
ラトビア(2002) 9.15+0.47
エストニア(2000) 10.45+1.97
カナダ(2002) 1.67+0.19
メキシコ(2002) 13.04+15.87
エルサルバドル(2002) 31.54+0.75
グアテマラ(2000) 25.47+記載なし
コスタリカ(2002) 6.44+14.00
コロンビア(2000) 62.74+記載なし
ベネズエラ(2000) 33.15+記載なし
パラグアイ(2000) 12.05+10.06
ウルグアイ(2002) 6.46+1.13
アルゼンチン(2002) 9.47+10.33
チリ(2002) 1.55+1.17
オーストラリア(2000) 1.57+1.54
ニュージーランド(2002) 1.29+0.28


死刑実施国の殺人発生率/人口十万人あたり

国   (年度)  故意殺人発生率+故意でない殺人発生率/人口十万人
日本(2000) 0.50+0.40
韓国(2000) 2.02+7.90
中国(1997) 2.12+記載なし
フィリピン(2002) 8.20+3.24
シンガポール(2000) 0.92+0.12
マレーシア(2000) 2.36+記載なし
タイ(1997) 7.90+0.41
ミャンマー(2002) 0.19+1.42
インドネシア(1999) 1.05+0.20
インド(1999) 3.72+0.39
スリランカ(1997) 9.98+記載なし
クウェート(2002) 0.99+1.37
カタール(2000) 0.17+1.03
オマーン(2002) 0.59+0.51
サウジアラビア(2002) 0.92+0.24
イエメン(2000) 3.98+0.74
チュニジア(2002) 1.22+0.20
モロッコ2002) 0.48+0.67
タンザニア(1997) 7.52+7.81
ナミビア(2002) 6.35+1.91
ザンビア(2000) 7.89+0.31
ジンバブエ(1997) 7.24+7.69
南アフリカ(2002) 47.53+24.70
タジキスタン(1997) 7.63+記載なし
ベラルーシ(2002) 9.96+0.94
モルドバ(2002) 7.99+0.45
ウクライナ(2000) 8.93+0.68
ロシア(2000) 19.80+1.15
アメリカ(2002) 5.62+記載なし


注1:実施国と廃止国の分類は大部分は正確なはずですが、
   近年、実施と廃止が変更された国の最新情報を全て把握しているわけではないので、
   実施国と廃止国の分類は一部不正確な可能性があります。

注2:通常の刑法犯罪に対して法律上死刑を規定しているが、
   最近10年以上執行が無い国は便宜上廃止国に分類している。

注3:フィリピンは今年死刑を廃止したが資料は死刑実施当時のもの。

注4:一般的に、独裁政権国の統計は信用性が低いと評価されていますが、
   他に資料が無いので参考までに例示しています。

注5:故意でない殺人とは、日本の刑法で例えれば、
   傷害致死、強盗致死、強姦致死、監禁致死などに相当する事例であり、
   過失致死、業務上過失致死、危険運転致死などの事例は含まない。


上記は人口十万人あたりの故意殺人発生率と故意でない殺人発生率を例示したが、
上記リンクの国連犯罪予防機関の資料には、殺人未遂、銃使用による殺人、
誘拐、強姦、重度傷害、傷害、強盗、窃盗、詐欺、横領、収賄、薬物などの
罪種別の国別の発生率が表示されているが、
各罪種とも、死刑制度の実施・廃止、その他の刑罰の実施・廃止に関わらず、
各国ごとに罪種ごとに発生率が高いか・低いかは千差万別であり、
死刑も含めて刑罰が犯罪発生率に統計上有意な影響力を及ぼしている
という関連性を検出できない。


結論を言うと死刑は犯罪(殺人)の抑止力にならない、
死刑も含めてあらゆる刑罰は犯罪の抑止力にならない。

より正確に表現すると、死刑も含めてあらゆる刑罰は、
いかなる犯罪に対しても統計上有意な影響力を検出できない。

別の表現をすると、殺人も含めてあらゆる犯罪は、
刑罰や刑法とは異なる別の要因により発生する。

一般的に言うと、

(1) 人が生物種として持つ固有の精神的・知的な欠点
(2) 個人が生物種の個体として持つ固有の精神的・知的な欠点
(3) 上記の(1)(2)を社会的に抑止する政策・制度の不備

などの生物的・個人的・社会的要因の複合的影響の集合として、
ある国家・社会の、ある時代における、
殺人も含めた犯罪発生数・発生率が表面的な事象として出現する。

ご質問のような問いは、犯罪心理学、社会心理学、犯罪抑止政策、
国民と行政の犯罪抑止政策の運用という観点では本質から逸脱している。

再犯予防(特別予防)政策は刑罰・刑事政策のカテゴリですが、
全ての国民・住民を対象にした犯罪の一般予防政策は刑罰・刑事政策のカテゴリではなく、
人が罪を犯す可能性を未然に除去し、犯罪発生を抑止するために、
家庭・学校・職場・社会において、犯罪の被害者・加害者にならないための教育・広報活動、
社会保障・社会福祉制度の整備、支援を必要とする人々に対する相談・助言・支援制度の整備、
犯罪抑止に必要な法律や制度の整備、失業・貧困対策などのさまざまな予防政策の集合体として、
包括的な犯罪予防政策を確立し、国民と政府・自治体が連携して取り組んでゆくことが必要です。
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#6さんに一票という感じです。



>「数字的にも死刑があるからといって凶悪犯罪が無くならないとは限らない」
数字的って何ですかねぇ~ 統計学的に処理するにしても、日本で死刑の ある期間/ない期間 を設定して実測しないと単なる推測になるので、そんなに意味を持たない気がします。 自分の都合の良い部分だけを取り出して○○○の数字は△△△だ! という感じ説明は論理的ではないですよね? 「数字的にも死刑が・・・」もそういう雰囲気を感じます。
 本当に根拠があるなら、論理的(数学的)に実証すれば誰も反論できなくなるので、それで一件落着なのに、そうならない! それは根拠がないとういう証明になっていると思います。

 私見として、積極的に死刑を支持はしないですが『死刑を廃止する』と宣言する意見には反対の立場を取っています。 つまり何をしても、死ぬ(殺される)可能性がないことが保証されている訳ですから、自分の我侭を抑制できない不適格な人( 適切な表現ではないと思います )を野放しにするような状態になるようで怖いです。 このような不適格な人に対しての最後の砦が『死刑』という制度であって欲しいと願います。
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 死刑が、社会的な「みせしめ」あるいは、犯罪者に対する「恐怖」となって、犯罪の抑止力になる…というのは…多少は効果があるかもしれませんが、明確に断定できるほどの客観的なデータもありません。



 ちなみに、死刑を始めとする「刑」を歴史的に観ると、被害者の加害者に対する復讐です。
 国家が「復讐」を管理する以前…まだ整備された政治制度がない時代には、個人が受けた被害は個人が復讐する社会でした。
 被害者自身が復讐することもありますし、被害者が殺されたようなケースでは、その遺族や親しい知人、場合によっては部族という地域共同体が、加害者に対して復讐します。
 しかし、社会制度が整うにつれて、無秩序な復讐は社会に対してマイナス面が大きいことがわかり(たとえば、お互いにやられたらやり返すで、延々と復讐し合うなど…ヤクザの抗争のようですね)、復讐を法制度化するようになりました。これが、中世の決闘制度です。さらに絶対王政をはじめとする中央集権の誕生によって、社会の秩序の堅持と王権(後に国家権力)の絶対性の表現として、王(あるいは国家)が完全に「復讐」を管理して被害者による個人的な復讐を完全に禁止するようになりました。被害者や部族による復讐(私闘)を禁止する代わりに、国家が復讐を代行する制度、それが刑罰の根底にある考え方です。

 無秩序な復讐を防止し、万人の共通の価値観に訴えるため、刑罰は罪のレベルによってその重さをカテゴリ化するようになりました。(民事訴訟で、慰謝料を金額に換算して軽重を計り、ある程度の基準枠があるのと似ています)
 日本ではヨーロッパに比べると、東アジアでは「お上」に「民が従う」というスタイルが比較的定着したために、「みせしめ」てきな刑の運用が目立ちがちです。一方、米国などでは、陪審員制度や被害者(遺族)を裁判に参加させるなどの措置により、日本などよりも「復讐」という本来の姿がより色濃く残っています。

 刑罰の意義は、犯罪抑止のための見せしめ的な効果よりも、まずは被害者の復讐の代行なのです。
 そのため、死刑に犯罪抑止効果があるかないかは、死刑が必要かどうかという問題とは法学では切り離して考えるのが一般的です。むしろ、死刑の是非の問題は、「加害者への復讐の代行」の必要性と、「死刑執行後にえん罪が判明しても取り返しが付かない」、という問題の方が重要です。

 と、学生時代に法制史で勉強しました。(^^;)
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ちょっと大変だったので過去ログ全部見てなく


流れ読めてないかもしれませんが ^^;

死刑は一定の犯罪抑止にはなるかも知れないけど、
どうもやはり、決定的な抑止力にはならないとも思います。

チラッと見た他の人の回答にもあったように、
死刑になるような犯罪を犯す人は、
多分死刑になったらどうしようとか考えるではなく、
むしろ「死刑上等!」か「死刑って何?聞いたこと無えなw」
ぐらいの、まさに異常興奮ないし反社会的状態にあると思うので。

ただ、罪を犯す人間の何割かが、恒常的にそういう人間社会の
「ガン細胞」的な存在だとして、そういう「ガン細胞」が今後活動
できなくするという、「再発防止」としては、役に立つのかなと。

とはいえ、「ガン細胞」の活動阻止という点では、死刑でなくても
一般社会からの隔離(=永久に等しい懲役)とかでもいいわけで。
それと、「ガン細胞」であるか、それとも
「一時的に暴走した本来正常な細胞」かの判定こそが、
連綿と続く根本的な問題のような気もします。
(少年犯罪がらみとか、無期懲役に関する議論なんかも)

個人的には、「ガン細胞」判定が
万人に納得できる基準で確立された上で、
未然に一般社会からの永久隔離を施すってのが一番かな。
生きる権利までは奪ってないし。
隔離さえしてしまえば、別に懲罰的な待遇を与える必要もないし。
ま、限りなく天上世界の理想論ですわいねヽ(´ー`)ノ

てことで、「単純に」は犯罪の抑止にはつながらないに一票!!
(て、これってアンケート?(´・ω・`))
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御意!


人の命を粗末に扱うやつは自分の命も粗末に扱います。宅間守は自ら死刑を望んでいましたし、山地ゆきおもそうです。逆に微妙なカルロスヤケは死刑を望んでいません。
死という人によって価値観の違うものを刑罰の最高峰に備え付けられても意味がない。
でも懲罰、報復の刑ならどんどん実施すべきで重懲役
(拷問まがいの)を死刑の代わりに備え付けるべきでしょう
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>正直、よくわからないんですが、どうして喜んだんでしょうか?


 産業団地に、土地を借りてくれる人が居ると地主に毎年何億というお金が入って地主は、リッチな生活ができるようになるからです。

 また、地元の人が雇用されたり、刑務官相手の商売で地元のバーとかが活気づくからです。
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 「死刑があることが犯罪の抑止につながるか」という問題については、


「犯罪の抑止に多大な効果はない」というのが正解でしょう。
(多少の効果はあるでしょうが)

 しかし、「だから死刑は不要」とはならないと思います。

 確かに刑罰には犯罪の抑止という目的もありますが、それだけが目的ではありません。

 死刑については、「償うべき刑罰の重さ」そのものの議論をすべきで、
「抑止力」や「被害者感情」などのみを基礎として存続や廃止の議論をするのは
本来の刑罰のあり方議論とは少しずれていると思います。

 行った行為の重大性とそれに見合う刑罰のあり方を考えるべきで、
死刑は残酷な刑罰だと思いますが、現在の日本の社会状況などを考えると
私は必要な刑罰であるとしか言いようがないと思いますし、

現在の日本の死刑制度の運用(どの程度で死刑判決となるか、執行に当たって法務大臣が個々の事案毎に判断するなど)については、
国民の多数が支持していると思います。
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結論から言うと犯罪の抑制に繋がっていると思います。


なんか都合のいい統計ばかりもってくる死刑廃止論者がいますが、そのような数字に惑わされないでください。

長期の懲役や無期懲役から釈放されて犯罪を犯した人間の数を考えるとむしろもっと死刑を執行すべきだと思います。
10年くらいで出てこれるからもっと悪いことをしておけ、この程度なら死刑にならない、というのを承知して犯罪を犯している人間が数多くいることを忘れないでください。

ここで問題となるのはえん罪に関してだけじゃないかと考えています。

あと、日本とアメリカを比較する人がいますが、その他の法律が違いすぎるのに比較しても無駄です。
無期懲役(釈放あり)、懲役20年なんてぬるさと比較することが間違っているんです。

死刑に取って代わる抑止力があるとしたら仮釈放なしの無期懲役とかでしょうね。
ただ、こちらは犯罪者を終身、国民の税金によって養わないといけないですからやっぱり死刑の方がいいですね。
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  私達は、「刑罰を恐れて法を守る」といふ面があるかも知れませんが、世の中を平穏に作り上げるために、人としての道を歩むといふ傾向のはうが、壓倒的に強いと思ひます。


  惡い事をした惡人だからといつて、その人を自分の手で殺すことは、苦しい事ですが、その惡人を「殺してやりたい」と怨む人がゐるのも事實です。私達は國家の機能として、罪を犯した人に對して樣々な制裁を加へますが、その惡人の存在すらを許さない刑罰が死刑だとされます。國家は犯罪被害者に直接的な報復の權利を認めませんので、「殺してやりたい」と思ふ被害者がゐる限りは、死刑を廃止すべきではないでせう。これは、「死刑が凶惡犯罪を抑止するか否か」とは、まつたく次元のことなることだと思ひます。
  「死刑の犯罪抑止」を議論して、死刑廃止を唱へる人達は、「死刑を理性的な制裁」とは見ずに、「野蛮な報復」と見るやうです。死刑も人類の歴史が積み上げてきた人類の理性的行爲の一つにほかならないと思ひます。
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1.ご質問の内容について



>死刑は犯罪(殺人)の抑止力になるのか?
>テレビで死刑の是非が話されていました。
>犯罪を研究している人が「数字的にも死刑があるからといって
>凶悪犯罪が無くならないとは限らない」とおしゃっていました。
>実際の数字として本当に死刑が導入されているからといって
>単純に犯罪の抑止につながらないのでしょうか?


参考までに、1946年~2005年の日本の犯罪と死刑の統計、
1976年~2004年のアメリカの犯罪と死刑の統計を例示します。

法務省の犯罪白書1999年版-犯罪統計1946~1996年
http://hakusyo1.moj.go.jp/nss/list_body?NSS_BKID …

法務省の犯罪白書2002年版-犯罪統計1992~2001年
http://hakusyo1.moj.go.jp/nss/list_body?NSS_BKID …

法務省の犯罪白書2003年版-2002年の犯罪統計
http://www.moj.go.jp/HOUSO/2003/table.html#z03

警察庁の犯罪白書2003年版-2003年の犯罪統計
http://www.npa.go.jp/toukei/keiji19/h15_toukei.htm

警察庁の犯罪白書2004年版-2004年の犯罪統計
http://www.npa.go.jp/toukei/keiji20/hanzai.html

警察庁の犯罪白書2005年版-2005年の犯罪統計
http://www.npa.go.jp/toukei/keiji27/17.1-12(hp). …


日本の殺人と死刑の統計
年度  死刑     殺人
    判決 執行  発生数 発生率/十万人
1946  15  11   1791   2.36
1947  39  12   1938   2.48
1948  49  33   2495   3.11
1949  79  33   2716   3.32
1950  25  31   2892   3.44
1951  32  24   2865   3.39
1952  41  18   2871   3.35
1953  25  24   2944   3.38
1954  21  30   3081   3.49
1955  14  32   3066   3.40
1956  24  11   2617   2.90
1957  27  39   2524   2.78
1958  21   7   2683   2.92
1959  12  30   2683   2.90
1960  33  39   2648   2.81
1961  24   6   2619   2.78
1962  13  26   2348   2.47
1963  17  12   2283   2.37
1964   9   0   2366   2.43
1965   7   4   2288   2.31
1966  13   4   2198   2.22
1967  14  23   2111   2.11
1968  11   0   2195   2.17
1969  10  18   2098   2.05
1970  14  26   1986   1.90
1971   7  17   1941   1.83
1972   7   7   2060   1.91
1973   5   3   2048   1.88
1974   2   4   1912   1.73
1975   3  17   2098   1.87
1976   1  12   2111   1.87
1977   3   4   2031   1.78
1978   4   3   1862   1.62
1979   4   1   1853   1.60
1980   7   1   1684   1.44
1981   3   1   1754   1.49
1982   1   1   1764   1.49
1983   1   1   1745   1.46
1984   3   1   1762   1.46
1985   2   3   1780   1.47
1986   0   2   1676   1.38
1987   8   2   1584   1.30
1988  11   2   1441   1.17
1989   5   1   1308   1.06
1990   6   0   1238   1.00
1991   5   0   1215   0.98
1992   5   0   1227   0.98
1993   7   7   1233   0.98
1994   3   2   1279   1.02
1995   3   6   1281   1.02
1996   3   6   1218   0.97
1997   4   4   1282   1.02
1998   7   6   1388   1.10
1999   4   5   1265   1.00
2000   6   3   1391   1.10
2001   5   2   1340   1.05
2002   3   2   1396   1.10
2003   2   1   1452   1.14
2004  15   2   1419   1.11
2005  11   1   1392   1.09


アメリカ司法省連邦捜査局-犯罪統計1995
http://www.fbi.gov/ucr/Cius_97/95CRIME/95crime2. …

アメリカ司法省連邦捜査局-犯罪統計2004
http://www.fbi.gov/ucr/cius_04/documents/CIUS_20 …

アメリカの殺人と死刑の統計
年度  死刑    殺人
    執行 発生数 発生率/十万人
1976   0  18780  8.8
1977   1  19120  8.8
1978   0  19560  9.0
1979   2  21460  9.7
1980   0  23040  10.2
1981   1  22520  9.8
1982   2  21010  9.1
1983   5  19308  8.3
1984  21  18692  7.9
1985  18  18976  8.0
1986  18  20613  8.6
1987  25  20096  8.3
1988  11  20675  8.5
1989  16  21500  8.7
1990  23  23438  9.4
1991  14  24703  9.8
1992  31  24760  9.3
1993  38  24526  9.5
1994  31  23326  9.0
1995  56  21606  8.2
1996  45  19645  7.4
1997  74  18208  6.8
1998  68  16974  6.3
1999  98  15522  5.7
2000  85  15586  5.5
2001  66  16037  5.6
2002  71  16229  5.6
2003  65  16528  5.7
2004  59  16137  5.5


日本の場合、1947~1955年は十万人中3件台の発生率、
1956~1969年は十万人中2件台の発生率、
1970~1990年、1994~1995年、1997~2005年は十万人中1件台の発生率、
1991~1993年、1996年は十万人中1件未満の発生率であり、
死刑制度が存続していることが同条件でも殺人発生率は、
60年間で最多値と最少値では3.6倍の変動をしている。

アメリカの場合、1976~2004年の28年間で、最多値と最少値では-46%の変動をしている。

日本の場合、1990~1992の3年間は執行が0だったが、
殺人発生率に統計上有意な変化は発生していない。

アメリカの場合、最高裁の死刑は違憲とする判決により1972~1976の5年間、
最高裁が死刑は合憲と判決を変更し、執行が復活した1977年以後も1978、1980年
は執行が0だったが、殺人発生率に統計上有意な変化は発生していない。

アメリカの場合、12州は刑法に死刑が無く、
5州は法律上死刑はあるが最高裁が死刑は合憲と判決を変更した後も執行が無く、
33州は死刑判決・執行をしているが、死刑が有る州・無い州のどちらかに、
殺人発生率が高い・低いという統計上有意な差異は検出されていない。

国連犯罪統計局に報告された世界各国の殺人発生率、殺人以外の他の犯罪の発生率を
比較しても、死刑制度が有る国・無い国のどちらかに、
殺人やその他の犯罪発生率が高い・低いという統計上有意な差異は検出されていない。

国連犯罪予防機関-罪種別の世界各国別の発生率1995~1997
http://www.unodc.org/pdf/crime/sixthsurvey/publi …

国連犯罪予防機関-罪種別の世界各国別の発生率1998~2000
http://www.unodc.org/pdf/crime/seventh_survey/7s …

国連犯罪予防機関-罪種別の世界各国別の発生率2001~2002
http://www.unodc.org/pdf/crime/eighthsurvey/8sv. …


結論を言うと死刑は犯罪(殺人)の抑止力にならない、
死刑も含めてあらゆる刑罰は犯罪の抑止力にならない。

より正確に表現すると、死刑も含めてあらゆる刑罰は、
いかなる犯罪に対しても統計上有意な影響力を検出できない。

別の表現をすると、殺人も含めてあらゆる犯罪は、
刑罰や刑法とは異なる別の要因により発生する。

一般的に言うと、

(1) 人が生物種として持つ固有の精神的・知的な欠点
(2) 個人が生物種の個体として持つ固有の精神的・知的な欠点
(3) 上記の(1)(2)を社会的に抑止する政策・制度の不備

などの生物的・個人的・社会的要因の複合的影響の集合として、
ある国家・社会の、ある時代における、
殺人も含めた犯罪発生数・発生率が表面的な事象として出現する。

ご質問のような問いは、犯罪心理学、社会心理学、犯罪抑止政策、
国民と行政の犯罪抑止政策の運用という観点では本質から逸脱している。



2.死刑は殺人の抑止力にならないから廃止すべきという論理

本件質問に関連することですが、
「死刑は殺人の抑止力にならないから廃止すべき」
という論理は、死刑廃止論者が死刑廃止を主張する論拠の一つとして、
長い間主張してきましたが、この論理は、国民の多数意見として、
死刑廃止の支持を獲得できず、死刑廃止の実現にも結びついていない。

「死刑は殺人の抑止力にならないから廃止すべき」
という論理は上記に示したように、犯罪抑止は犯罪予防政策全般に帰属する問題であり、
死刑の本質・固有の性質と全く無関係な論理です。


「死刑の本質・固有の性質とは、刑罰として人を殺して社会から永久消去すること」

そのメリットは、

(1) 再犯の可能性がゼロであり、被害者や社会秩序その犯罪者の再犯から100%保護される。

(2) 死刑を求める遺族や一般国民の処罰感情がある程度(決して100%ではない)は満足される。

デメリットは

(1) 犯罪者が生きることにより、自分の罪を反省する、被害者や遺族に謝罪する、
  遺族・社会に何らかの賠償をする、贖罪し更生する可能性もゼロになる。

(2) 謝罪・贖罪により遺族の感情が少しは(決して100%ではない)癒される事例も
  希少例としてあるが、その可能性もゼロになる。

(3) 冤罪で死刑を執行した場合被害回復は不可能である。

などに要約される。


「死刑は殺人の抑止力にならないから廃止すべき」
という論理は上記に示した死刑の本質・固有の性質と全く無関係です。

刑罰の適用は、犯罪が発生した後に、犯罪者に対して国が強制的に科す制度であり、
刑罰の目的は、犯罪者の社会からの隔離による社会防衛、隔離と労働による社会的制裁、
矯正のための教育・医療による犯罪者の再犯防止(特別予防)です。

刑罰は犯罪を一般的に未然に予防するために適用することはできず、
本質的に犯罪の一般予防にはなりえない性格の法律・政策である。

刑罰は犯罪を一般的に未然に予防する目的の法律・政策ではなく、
犯罪を一般的に未然に予防する機能・影響力も無い。

刑罰の本質的性格を無視して、刑罰は犯罪抑止力にならないから廃止すべきという論理は、
刑罰の本質からも犯罪予防政策の本質からも逸脱したものである。


以下にこの論理の例を示す。

死刑は殺人の抑止力にならないから廃止すべきだという論理は
○○刑は××罪の抑止力にならないから廃止すべきという論理である。

    ↓○○を他の刑に置き換えると

無期懲役は殺人の抑止力にならないから廃止すべきだ
有期懲役は殺人の抑止力にならないから廃止すべきだ

という論理も成り立ちます。

    ↓××を他の罪に置き換えると

有期懲役は略取・誘拐・監禁の抑止力にならないから廃止すべきだ
有期懲役は強姦・強制わいせつの抑止力にならないから廃止すべきだ
有期懲役は傷害・暴行の抑止力にならないから廃止すべきだ
有期懲役は強盗・恐喝・窃盗の抑止力にならないから廃止すべきだ
有期懲役は詐欺・横領・背任の抑止力にならないから廃止すべきだ
有期懲役は麻薬・覚せい剤の抑止力にならないから廃止すべきだ
有期懲役は銃・爆発物・テロの抑止力にならないから廃止すべきだ

という論理も成り立ち、あらゆる刑罰を全否定することが可能です。

この論理を使えば、抑止力が無いことを理由に、例えば、

警察は犯罪の抑止力にならないから廃止すべきだ
検察は犯罪の抑止力にならないから廃止すべきだ
軍隊は戦争の抑止力にならないから廃止すべきだ
○○は××の抑止力にならないから廃止すべきだ

否定の対象を刑罰以外に拡大すれば、あらゆる法律や政策や制度を全否定することができます。


この論理の欠陥は、廃止を主張する対象の本質と無関係であるとともに、
人間が完全無欠でも全知全能でもなく、100%の結果を得られないことを理由に、
○○は××の□□にならないから廃止すべきだという欺瞞の論理であり、
その欺瞞性を国民に見破られているから、国民の多数意見の支持を得られなかった論理です。


犯罪抑止政策とは、刑罰や刑法に求めるものではなく、
人が罪を犯す可能性を未然に除去し、犯罪発生を抑止するために、
家庭・学校・職場・社会において、犯罪の被害者・加害者にならないための教育・広報活動、
社会保障・社会福祉制度の整備、支援を必要とする人々に対する相談・助言・支援制度の整備、
犯罪抑止に必要な法律や制度の整備、失業・貧困対策などのさまざまな政策の集合体として、
国民と政府・自治体が連携して取り組んでゆくことであり、刑罰に求めることは不適格です。



3.冤罪で死刑を執行したら取り返しがつかないから廃止すべきという論理

本件の質問とは直接の関係はありませんが、
「冤罪で死刑を執行したら取り返しがつかないから廃止すべき」
という論理も、抑止力がないから廃止すべきという論理と同じです。

誤認で有罪判決を受けたら取り返しがつかない被害を受けるという本質は、
死刑でも無期懲役でも有期懲役でも、誤認された罪の重い軽いに関係ないことです。

帝銀事件の平沢死刑囚は55才で逮捕され、死刑判決を受け、
死刑を執行されること無く38年間拘置所に収監され93才で老衰死したので、
実質的には仮釈無しの終身刑を受けたと同じ結果になった。

狭山事件の石川無期囚は24才で逮捕され、無期懲役判決を受け、
31年間服役して55才で仮釈放になりましたが、再審で無罪になったわけではないので、
今でも仮釈放の身分のままです。

無期懲役や有期懲役30年の刑を壮年以後に受ければ、獄死する可能性は50%以上、
中年なら獄死する可能性は五分五分、青年なら社会復帰できる可能性は高いですが、
平沢氏や石川氏が殺人犯の冤罪を受け、収監された時間の被害を回復は不可能です。

上記のような重大な罪ではなくても、痴漢の冤罪で懲役1年6月の実刑を受け、
勤務先を解雇され、社会復帰後も性犯罪者の汚名を負わされ続けることも、
被害の回復は不可能です。

誤認による逮捕・起訴・有罪をできるだけ減少させることは制度の整備、
運用の正確性の検証は必要ですが、それは、刑事訴訟法・刑事司法制度と
その運用に帰属する問題でであり、死刑に帰属する問題ではない。



4.死刑廃止の実現のためには、論理と運動の再構成が必要

日本では、日本国憲法が制定された当時から、弁護士会や共産党が死刑廃止を
主張してきましたが、過去60年間死刑廃止が実現したことは無く、
現状では近い将来に実現できそうな見通しが立たない状況です。

過去60年間と同じ方法で同じ論理で主張しても、今までと同じ結果の繰り返しです。

死刑廃止運動家は今まで日本でなぜ死刑廃止を実現できなかったのか、
廃止の論理や、運動の方法や、運動体の信用性など、
国民の多数意見の支持を得られなかったことを真摯に反省し、
国民の多数意見に支持される論理、運動、運動体を確立する必要がある。

今までの運動を自己反省することも無く、
死刑存置論者に対して人権意識が低い愚民呼ばわりして蔑視したり、
死刑存置論者を議論で論破してやろうとしたり、
生物としての人の感情・人道的感情に基づいて生命・身体の自由を保護せず、
特定の政治思想と政治的立場・目的に利用したり、
そのような姿勢を改めなければ、国民の多数意見の支持を得ることも、
死刑廃止を実現することもできない。

死刑廃止論者が死刑廃止を実現したいなら、
「死刑は殺人の抑止力にならないから廃止すべき」
「冤罪で死刑を執行したら取り返しがつかないから廃止すべき」
という論理にこだわる必要は全然無く、この論理は放棄し、
国民の多数意見として死刑廃止の支持を獲得できる論理を再構成し、
国民に訴える方法も、運動の方法も再構成する必要があり、
死刑廃止運動の再構成が必要であり、それなくして実現はできない。
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この回答へのお礼

専門家の方だけに綿密な解説と説得力のある論理ですね。
ご意見を拝見して結局自分の中では「現状が一番バランスが取れているんだな」と思いました。
稚拙な文章でしか表現できないのが申し訳ありませんが、単純に命を奪う刑罰ってかわいそうじゃない?という点だけを自分の中で大きくなっていて、この質問を単純にしてしまったように思います。
結局、過去の失敗を反省し、次世代に同じ過ちを繰り返さないということしか、数字として死刑の存続意義が断言できるだけのデータが検出できないし、死刑肯定論者と否定論者の双方が納得できる選択肢はありえないということです。
頭痛いっす・・・

お礼日時:2006/07/24 11:01

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