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今大学で集合と位相をやっているんですが、なかなか理解しにくいです。簡単なことならまだ理解できるんですが。
(1)集合族{A_λ}_λ∈Λに対して次を証明しなさい。包含関係∪_λ∈Λ(A_λの閉包)⊆{(∪_λ∈ΛA_λ)の閉包}が成立する。また、等号成立の為の必要十分条件は∪_λ∈Λ(A_λの閉包)が閉集合となることである。

(2)A_n(n=3,4、・・・)を実数の開区間(1/n、1-1/n)とする。これらのA_nに対しては、(1)の等号が成立しないことを示せ。

この問題は、正確に答えるにはどう解答すればいいのかわかりません。(1)の等号成立条件もさっぱりわかりません。(2)は、∪_λ∈Λ(A_λの閉包)が閉集合にならないことをしめせばいいんでしょうが、そこまでもっていけれません。
どうか、丁寧な回答、解説をおねがいします。またよければ、こんなまったく理解できてない私に、お勧めの参考書を紹介していただければありがたいです。よろしくお願いします。

A 回答 (5件)

混乱の恐れがないため、∪_λ∈Λを単に∪と書くことにします。


また、Aの閉包(closure)を、cl(A)とここでは表記します。

[Lemma]A⊆Bならばcl(A)⊆cl(B)
まず、これを証明します。
(証明1)
K=cl(A)∩cl(B)とすると、Kは閉集合で、K⊆cl(A)を満たしている。
いま、A⊆cl(A)かつA⊆B⊆cl(B)ゆえ、A⊆Kである。
従って閉包の最小性からcl(A)⊆Kが成立する。
以上からK=cl(A)が分かる。従って、Kの定義よりcl(A)⊆cl(B)。
(証明2)
Kuratowskiの公理より、cl(A∪B)=cl(A)∪cl(B)。従ってA⊆Bより
cl(B)=cl(A∪B)=cl(A)∪cl(B)。これより明らかにcl(A)⊆cl(B)。

(1)
定義より、任意のx∈∪cl(A_λ)に対し、あるμがあってx∈cl(A_μ)となっています。
明らかにA_μ⊆∪A_λですから、Lemmaより
cl(A_μ)⊆cl(∪A_λ)
となります。従ってx∈cl(∪A_λ)です。以上から
∪cl(A_λ)⊆cl(∪A_λ)

∪cl(A_λ)⊇∪A_λが成り立つことに注意します。
題意の包含関係がありますので、等号成立⇔逆の包含関係が成立、ということになります。
従って、∪cl(A_λ)が閉集合の時、Lemmaより
∪cl(A_λ) = cl(∪cl(A_λ)) ⊇ cl(∪A_λ)
が示せますので等号が成立します。

逆に、等号成立、つまり
∪cl(A_λ) ⊇ cl(∪A_λ)
が成り立っているとき、Lemmaより
cl(∪cl(A_λ)) ⊆ cl(cl(∪A_λ)) = cl(∪A_λ) ⊆ ∪cl(A_λ)
となりますから、cl(∪cl(A_λ)) = ∪cl(A_λ)が分かります。
(逆の包含関係は明らか)
この等式の左辺は明らかに閉集合ですから、∪cl(A_λ)も閉集合となります。

(2)
お考えの通り、∪cl(A_n)が閉集合にならないことを示せばOKです。
これにはいくつかの方法が考えられますが、最も初等的なものを挙げておきます。

いま、A_n=(1/n, 1-1/n)より、cl(A_n)=[1/n, 1-1/n]です。
このとき、∪[1/n, 1-1/n] = (0,1)が成立します。
(⊆は明らか。⊇はアルキメデスの原理を使う)
これは閉集合ではありませんから、証明が終わります。


という感じでいかがでしょうか。
個人的には、位相の学習は、
・問題を解くこと
・位相的性質が実際にどのように使われるかを知ること
が大切だと思います。
演習書を1つ挙げておきます。
「集合・位相演習」、篠田寿一/米澤佳己、サイエンス社

この回答への補足

親切な回答解説ありがとうございます。(2)でですね、U[1/n、1-1/n]=(0,1)と、開区間になる理由がいまいちわからないのですが。すいません、もしかしたらバカみたいな質問だったら。回答御願いします。演習書がんばりたいと思います!!

補足日時:2002/05/05 12:44
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回答ではありませんが。


お奨めの参考になりますでしょうか。

参考URL:http://www.freeml.com/ctrl/html/MLInfoForm/topol …

この回答への補足

ありがとうございます。心強そうな味方ができました。なにかと自分は頭がよろしくないので利用させていただきます。

補足日時:2002/05/05 12:49
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#1です。


U[1/n,1-1/n] = (0,1)の証明を書いておきます。

各nについて[1/n,1-1/n] ⊆ (0,1)は明らかなので、
U[1/n,1-1/n] ⊆ (0,1)はすぐに分かります。
従って、逆の包含関係を示せばOKです。
いま、任意のx∈(0,1)を考えます。

1)x<1/2のとき
アルキメデスの公理より、1/x<nをみたす自然数nが存在します。
x>0ですから、これより1/n<xが分かります。
これと、x<1/2よりx∈[1/n,1-1/n]です。

2)x=1/2のとき
x∈A_3=[1/3, 2/3]です。

3)x>1/2のとき
0<1-x<1/2ですから、1)と同様にして1-x∈[1/n,1-1/n]です。
これよりx∈[1/n,1-1/n]が分かります。

以上より、任意のx∈(0,1)に対してx∈U[1/n,1-1/n]ですから、
U[1/n,1-1/n] ⊇ (0,1)
が分かりました。


証明は分からなくても、事実として
U[1/n,1-1/n] = (0,1)
が成り立つだろう、という予想は浮かばないと厳しいと思いますが。
図を描いてみるのも1つの手です。
証明3の前半も参考にしてください。

以下、(2)の別証明を書いておきます。
但し、位相に関してのある程度の知識を仮定しての証明です。

[証明2]
K=U[1/n,1-1/n]が閉集合と仮定する。
明らかにK⊆[0,1]、特に有界ゆえ、これはコンパクト集合。
従って点列コンパクトであるが、今、Kの点列x_n=1/nに対し、
x_nの収束先x=0はKに含まれない。
(任意のnについて0は[1/n,1-1/n]に含まれないため)
従って点列コンパクト性に反し、矛盾である。
(Rはハウスドルフ空間ゆえ、部分列の収束先はx以外にあり得ない)

[証明3]
K=U[1/n,1-1/n]=Ucl(A_n)とする。
このとき、K=UA_nであることを示す。
A_n⊆cl(A_n)より、UA_n⊆Kは明らか。
また、各nに対して
cl(A_n)=[1/n,1-1/n]⊆[1/(n+1), 1-1/(n+1)]=A_{n+1}
だから、cl(A_n)⊆UA_n。これよりK⊆UA_n。
従ってK=UA_nが成り立つ。特に、Kは開集合である。
(注:だからといって閉集合でない、とは必ずしも言えない)
いま、Kが閉集合だと仮定すると、Kは空でない開かつ閉集合。
R(実数全体+通常の位相)は連結ゆえ、これはK=Rを意味するが、
これは明らかに成り立たず、矛盾である。

この回答への補足

どうも親切な回答解説をありがとうございました。え~っとですね、なんでU[1/n、1-1/n]という閉区間の和集合が(0,1)の開区間になるのかわかりません。確かに定理としては有限個ならその閉区間の和集合は閉集合であると書かれていますが。厳密な証明ではなくて直感的にわかるにはどうしたらいいのでしょうか?ここが分かるか分からないかは結構大きいような気がしますので、どうか説明を御願いします。

補足日時:2002/05/06 15:49
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・有限個の閉集合(closed set)の和はまたclosedである。


・無限個のclosed setの和はclosedになるとは限らない
ここまではOKだと思います。

U[1/n,1-1/n] = (0,1)についてですが、
n=3,4,...とすると、cl(A_3)=[1/3,2/3], cl(A_4)=[1/4,3/4], ...
となるのが分かります。
このとき、cl(A_n)の両端の点が、0および1に近づいていく、
ということが分かりますが、ここから、Ucl(A_n)が
(0,1), [0,1], (0,1], [0,1)
のどれかではないか、という予想が立てられます。
(あくまで予想ですので、「近づくから」等と答案に書けば×になります)
ここで、左端の0への近づき方、および右端の1への近づき方は
対称ですので、多分(0,1]や[0,1)ではないだろう、ということも思いつきます。
なので、あとはU[1/n,1-1/n]が0(or 1)を含むかどうか、を考えればよいことになります。
ここで、数直線上にA_3, A_4, ...を書いてにらめっこすると、
cl(A_n)の左端は0にどんどん近づきはするが(lim(1/n)=0)、決して0にはたどり着かない(1/n>0)ことが分かります。
なので、0は含まず、U[1/n,1-1/n]=(0,1)だろう、という予想が立ちます。

ここで、定義から、x∈U[1/n,1-1/n]と、あるmがあってx∈[1/m,1-1/m]が同値であることに注意してください。
従って、無限和といえども、U[1/n,1-1/n]が、[1/n,1-1/n]たちの覆う範囲を超えて理不尽に大きくなることはありません。
なので、どの[1/n,1-1/n]にも含まれない点は、U[1/n,1-1/n]にも含まれません。


「和がclosedとは限らない」例が思いつきにくい場合には、「ものすごく大きい」和を考えれば簡単にできます。
例:I=(0,1)とすると、I=U_x∈I {x}
この例の類似物を考えれば、Rではどんな集合でも閉集合の無限和で書ける、とすら言えます。

ハウスドルフ空間を考える際には、図を描くのは有効な場合が多いです。
(非ハウスドルフ空間の場合は逆におすすめしません)

最後に、これに類似した問題を挙げておきます。
[問]B_n=(-1/n, 1+1/n)とする。∩B_n=[0,1]を理解し、証明せよ。

この回答への補足

直感的に任意個数の閉集合の積集合は閉集合になるという性質から[0,1]になりそうである。また、(-1,2)(-1/2,2/3)・・・(-1/100,1+1/100)・・・からもこれらの共通部分をとると、[0,1]になりそうな予想はつく。
明らかに、任意の自然数nに対して、[0,1]⊂(-1,1+1/n)である。
任意のx;x∈UB_nとすると、任意の自然数nに対してx∈(-1/n,1+1/n)、すなわち、-1/n<x<1+1/n。(n:任意の自然数)ここで、x<0とすると、-1/x<n。なるn。∈Nが存在する。しかしこれは-1/n<x似矛盾。さらに、x>1とするとx-1>1/n.なるn.∈Nが存在する。しかしこれはx<1+1/nに矛盾。故に0≦x≦1.
どうでしょうか??
あとですね、いまいち例えがわからなかったんですが、よかったらおねがします。

補足日時:2002/05/07 00:01
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記述ミスは指摘しても意味がないと思いますので、自分で確認してください。


内容に関しては、最初のところで
>直感的に任意個数の閉集合の積集合は閉集合になるという性質から
と書かれていますが、B_nたちは閉集合ではないので、この直観は当てはまりません。
が、解答の論理は完全です。
開区間の積を取っているのに、無限積であるために、結果が開集合にならない、ということが起こる例です。


例示した
I=(0,1)とすると、I=U_x∈I {x}
というのは、閉集合の和でも、無限和であれば閉集合にならないこともある、という例です。
この場合、1点だけからなる閉集合{x}の、無限和(連続濃度)を考えています。
(Iに属する全てのxについて、{x}を足しあげています)

これと類似の議論をすれば、1点からなる集合{x}がいつも閉集合であるような位相空間(T1空間と言います)では、
どんな部分集合も閉集合の和として表せることが分かりますので、
閉集合の無限和が閉集合にならない、という事態はそれほどレアではない、ということが分かります。
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この回答へのお礼

本当に何度も何度も親切な解説をしていただきありがとうございました。なんとなく理解できた気がします。あとは以前に言われたように問題演習を重ねて位相の真意に接していきたいと思います。本当にありがとうございました。また機会があれば御指導御鞭撻のほど御願いします。

お礼日時:2002/05/07 19:08

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