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私には子供がいますが、この子供は誰の遺伝情報を引き継いでいるのでしょうか?
普通に考えれば、私と妻の遺伝情報を引き継いでいると思うのですが、
もしそうだったとしたら、どの段階までの遺伝情報を引き継いだのでしょう。

先祖帰りという言葉がありますよね。
孫がおじいちゃんやおばあちゃんに似るとか。

例えば私が産まれて、死ぬまで遺伝情報が変わらないのなら、
そういった事は当然の事のような気がします。
もしそうだとしたら、
私の子供には、私が今まで経験した事柄は引き次がれないのでしょうか。

皆さんの考えや、生物学的な意見を聞かせてください。

宜しく御願いいたします。

A 回答 (17件中1~10件)

<誰の遺伝子か>


ヒトは46本の染色体を持っています。有性生殖の場合は
父と母から23本づつを受取って接合体が誕生するわけです。
したがって染色体は46種類あるわけではなくて23種類の
2対となります。

まあ、子供には自分の持っている遺伝情報の半分が伝わって
いるということですね。で、重要なのは遺伝情報というのは
伝わると必ず発現するというものではないことです。前の方に
血液型を例にされていたので踏襲すると、AA型とOO型の子供は
AO型となりますね。でも、表現型はA型となります。この場合、
A型因子を優性、O型因子を劣性といいます。つまり、O因子は
A因子とセットになると発現できず、見かけ上はA型の血液と
なるわけです。遺伝病や形質などはこの組合わせが複雑で
多くはホモ、つまり、双方の親から同じ遺伝情報が伝わった
場合に発現します。血液型でいえばAB型とAO型の子供から
AA型が誕生した場合はホモ。BO型、AO型やAB型の場合を
ヘテロといいます。

発現する形質はホモだったりヘテロだったりさまざまですが、
中には父親由来の遺伝情報で子供が女の子のときのみ発現する等、
さまざまな場合があります。

さて、子供の形質は双方の親から均等に受継いでいるかというと、
そうでもありません。例えば性の決定は父方由来です。23番目の
染色体の組合わせは女性がXXに対して男性はXYです。前述のように
生殖細胞は減数分裂によって半分の染色体しか持っていません。
女性の場合は23番目はどちらもXですが、男性の場合はXの精子と
Yの精子という2通りの組合わせがあります。男の子が産まれるためには
Y染色体にある遺伝子が必要です。したがって、父方の精子の種類によって
子供の性別が決定するわけです。

ここで重要なのは受精卵が成長するには核よりも必要なものがある
ということです。よく遺伝子を設計図に喩えますが、設計図だけでは
家は建ちません。家を建てるには大工が必要です。この大工に相当する
ものが卵子の細胞質に含まれています。特に受精卵の細胞分裂の初期は
母方のmRNAのみが使われ、この時期に将来が決定する細胞もあります。
つまり、子供のある組織の決定は母親に由来するというとこですね。

<祖父似、先祖返り>
前述のように染色体は双方の親から半分づつ受継いでいるものであり、
組合わせによっては発現しない遺伝情報があります。祖父を起点に
すると祖父の子供ではあるplussunさんは祖父の1/2の遺伝情報を
受継ぎ、plussunさんの子供へは更に1/2の情報を渡すため
孫の祖父由来の遺伝情報は統計上1/4になります。もっとも
23本の染色体の組合わせはランダムに決定するため、可能性としては
全てが祖父由来という場合もありますが、便宜上1/4とします。
例えば祖父の血液型がOO型とします。祖母の血液がAA型だった場合
その子供はAO型になり表現型はA型になります。その子供がBO型の
奥さんを娶った場合、孫の血液型はAB型かOO型になります。
つまり、祖父の表現型であるO型は子供には受継がれず、その孫の代に
なって表現されることになるわけです。

遺伝子は親から子へ伝わるわけですが、必ずしも全ての遺伝子が発現
するわけではありません。むしろ、遺伝するわりに一生使われない
遺伝子も存在します。しかし、環境の激変などにより使われなかった
遺伝子が発現するようになることがあります。これが先祖返りです。
例えばヒトの胎児は水掻きを持っています。この膜は成長とともに
消えるため産まれてきた子供には水掻きはありません。
だからといって水掻きを形成する遺伝子が無くなったわけではなく
あくまで使われなくなっただけです。もしも、ヒトが水中生活を
余儀無くされた場合、成長しても水掻きが消えない個体が産まれ
その遺伝子が受継がれていく可能性もあります。

<経験の遺伝>
よく「人間は遺伝子に支配されている」と聞きますが、遺伝子は
我々の行動を支配しているわけではありません。したがって、
経験が遺伝子として受継がれるかどうかということに意味はありません。
経験等の知恵の引継ぎは遺伝子ではなくミーム(知伝子、文化的伝達子)
と呼ばれています。例えばある種の虫の音は日本人にしか聞こえません。
他の民族では単なる雑音として処理されているため意識しないと
聞こえないのですが、これは大和民族特有の遺伝ではありません。
なぜなら、外国で生まれ育った日本人は聞こえないし、日本生まれの
他民族は聞こえるからです。これは日本語の音表現というミームに
よって虫の音を処理する脳が日本人と他民族で異なるからなんですね。
遺伝子ではありませんがこれも本能です。

このようにヒトを形成する多くの部分は遺伝子によるものと育った
環境によるものとが半々になっていることを理解する必要があります。
外見だって遺伝子だけで決定されているわけではなく育った環境こそ
重要な決定要因になるわけです。サルとヒトなんて塩基配列はほとんど
変わりません。しかし、使っている部分が少し異なるために見かけ上の
表現型も異なって見えるだけです。
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この回答へのお礼

お返事が遅れて申し訳ありませんでした。

色々な意見を聞かせていただいて勉強になりました。
有り難う御座いました。

お礼日時:2002/06/27 22:36

全く専門でも何でもないですが、本能も遺伝しますよね。


例えば人間には蛇が嫌いな人が多いですが、あれは本能的に危険なものと認識しているらしいですね。
私はそういったことにあまり関心なかったのですが、
マンション飼いのうちの猫が子供を産みまして、その子猫が生後15日頃にひも状の物や「シャー!」という蛇のような声に異常なほど反応し、怖がっているのを見て、「ああ、基本的な本能も遺伝するんだなあ」と妙に納得しました。
だってその母猫も蛇になんか遭遇したことはありませんもの。

長い長い過程で猫族の天敵である蛇の情報は遺伝子にまで刻まれているのでしょうか?
その猫もそんな過剰反応はその時だけで、大人になればそんなことすっかり忘れて平和ボケしています。
大きくなればひも状の物も「シャー!」も、「怖くないものだ」と学習したらしいです。

猫と人間を一緒くたにして申し訳ないですが。同じ哺乳類ということで。
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お礼日時:2002/06/27 22:35

6です。


「遺伝子型」と「表現」を混同していました。訂正します。
(抗A血清を持っているからB型とよばれ、抗B血清を持っているからA型とよばれ、抗AもBも持っていればO型、「持っているほうが劣性か?」という発想)
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お礼日時:2002/06/27 22:35

回答2ですが、少し訂正


優勢・劣勢>優性・劣性

回答6ですが、同じじゃないですか?

まず血液のO型遺伝子は劣性ですね。
これはいろんなサイトでそう書いてます。

両親からの遺伝子がそれぞれ
優性と劣性なら、優性になり
劣性と劣性なら、劣性になりますよね。
血液型でどう違ってくるのでしょう?
「現れない」のは優性がある場合の劣性、
O型は劣性と劣性のパターンです。
私が理解できるように指摘して頂ければ
回答2を訂正したいんですが。
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お礼日時:2002/06/27 22:35

 


>普通に考えれば、私と妻の遺伝情報を引き継いでいると思うのですが、
>もしそうだったとしたら、どの段階までの遺伝情報を引き継いだのでしょう。

現代の生物学の遺伝学の通説では、基本的に遺伝子は変化せず、子どもの父と母から、半数染色体を受け継ぎ、二重螺旋のDNAを造りますから、両親それぞれから半分づつです。

ただし、遺伝子が色々な理由で「損傷」を受けることは認められています。放射被爆で傷つきますし、化学物質と触れることでも傷つき元とは違ったものとなるようです。これらの変異は大きなものではありませんが、強い放射能を浴びた場合など、突然変異を誘導することがあります。

また、老化と共に、生殖細胞の遺伝子は劣化することが考えられます。これは、二十代の夫婦から生まれる子どもと、四十代乃至それ以上の高齢の夫婦から生まれる子どもの遺伝子異常を調べると、高齢夫婦のあいだで生まれた子どもの方が、有意に遺伝子が原因と思える異常が多いことから、そう推測されます。

しかし、こういう意味の遺伝子の変異・変質を、経験による遺伝子の変化というのは、「経験」という言葉の使い方が些かおかしいと思惟します。

では、後天的な学習や経験の成果は、子どもに継承乃至遺伝されないのかというと、現在の通説では、そのような遺伝はないとされています。

しかし、これは、あくまで現在の研究範囲での結果で、経験や学習が遺伝されないという証明がある訳ではありません。実際に、経験や学習が遺伝されると主張した学説があります。

これは旧ソ連の遺伝学者ルイセンコが唱えた学説で、ルイセンコ学説として知られ、ルイセンコは、科学的検証資料も提示しましたので、旧ソ連では、ルイセンコ説は、科学的学説とされ、学校でも教えられました。

つまり、親がスポーツマンで、優秀な運動神経を訓練により獲得した場合、この獲得形質が子どもに遺伝する、あるいは、親が優秀な科学者で、秀でた学者としての知識や洞察力を備える場合、この獲得形質も子どもに遺伝されるとしたのが、ルイセイコ説です。

しかし、ルイセンコ説は、ルイセンコやそのグループに関係のない遺伝学者が、独立に追試試験をしても、説の妥当性は確認されませんでした。ルイセンコはその成果により旧ソ連で政治科学者になっていましたが、彼を支援していた政治家の失脚と共に彼も失脚します。

ルイセイコン失脚後に、彼の提示した検証データが捏造であるということが確認されました。これは、科学の真偽判断に政治が介入すると、歪んだ学説が妥当とされてしまう、古典的なケースとして、現在、認められています。

他方、日常的な観察において、スポーツマンの家系のようなものもあり、親がスポーツマンであると子どももそうであるとか、親が音楽家であると子どもそうで、親が数学者、あるいは物理学者の時、子どもも数学者、また物理学者などという例はあるのです。

これらについては、スポーツマンの条件として、体格の良さとか、優れた運動神経などの遺伝的要素があり、音楽家、数学者などにも、それぞれ遺伝的な素質要因があることが知られます。IQの高い人の子どもは、平均よりも高いIQになるということも分かっています。

こういった「素質」は生物的遺伝と考えられ、これに、環境や、生育状況などが加わって、特定専門職や技能を持つ人の子どもは、似たような専門職や技能への方向付けがあるのだと解釈されています。

ルイセンコのかなりに安易な説は否定されたとしても、親の学習経験が、例えば、遺伝子の塩基配列に影響を及ぼさないということは、確実な証明はありません。人の遺伝子の塩基配列は解読できますが、特定個人の或る年齢の時の遺伝子の塩基配列と、時間が経過した後のそれの比較というような研究はまだありません。

放射線や有害物質との接触で、塩基配列に攪乱が生じ、それが生物の変異の原因にもなってるということは述べました。では、個人の経験学習の程度に応じて、その経験が、塩基配列に影響を及ぼすということはないのか、あるのか。

あるとすれば、人の経験学習を、遺伝子の塩基配列に反映させる何かの機構があることになります。そういう機構は現在では見つかっていませんが、現在の遺伝学が、獲得形質の遺伝を認めていない以上、そういう機構を見いだそうとする試みもまたないはずです。

従って、親の経験獲得形質が、子に伝わっているように見える時、現在では、遺伝的な個人の素質と、生後の環境が、子にもまた親と同様の形質を獲得する条件が整っているので、獲得形質の伝達があるように見えるのだという説も、それがすべてかどうか、疑って見る必要もあるでしょう。

また、遺伝子だけが、親と子を結ぶ、「広義の遺伝情報の伝達媒体・方法」なのか、という疑問もあり得るでしょう。生命や精神について、私たちには、未だ未知なことがあるという可能性は認めるべきでしょう。
 
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有り難う御座いました。

お礼日時:2002/06/27 22:36

こんにちは。


 生物学的には、「生後に獲得した形質は、子に遺伝しない」といわれます。形質、というのは性質とかというふうに言い換えても良いと思いますが、簡単にいうと、マッチョな人の子は産まれながらにマッチョではない、ということです。
 人間に限らず、生物の持つ性質は、ある程度は遺伝子によって生まれ持った性質として、またある部分は生まれてからの環境や個人の経験によって形作られます。たとえば「足が速い」という性質を考えた場合、ある程度は遺伝子によって「素質」が土台として存在し、その上に個人がトレーニングをすることによって最終的なその人の「足の速さ」が決まるわけです。おなじことはその人の性格とか、そのほかあらゆる事柄に当てはまるでしょう。
 ですから、生物学的な回答としては、あなたの遺伝子が持つ性質はあなたの子に伝わりますが、経験は伝わらない、ということになります。ですから、あなたがうまれてから、あなた自身の経験や努力によって獲得した性質は、その一部は遺伝的なバックグラウンドとしてお子さんに現れることはあっても、全部がそのまま伝わるわけでは決してありません。
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お礼日時:2002/06/27 22:36

  はじめましてplussun。



 plussunの求めていらっしゃる回答は哲学的な事でしょうか?

 私の子供には、私が今まで経験した事柄は....という下りを見ると生物学的なことではないと感じられるのですが?この場合の「経験した事柄」とは怪我をした...とか、サッカ-の試合に負けたと言うような事に見受けられるのですが。

 もう少し、的を絞ったご質問をされることを希望します。
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次からはもう少し分かりやすく質問するように心がけたいと思います。

お返事有り難う御座いました。

お礼日時:2002/06/27 22:41

長々と済みません(汗)


最後に全てをまとめて簡単に図にして見ます

第1世代
AAAA  BBBB CCCC DDDD
AAAA  BBBB CCCC DDDD

第2世代
  AAAA       CCCC
  BBBB       DDDD

第3世代
       AABB
       CCDD

こんな感じでしょうか?(むちゃくちゃ単純過ぎますね^^;)
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お礼日時:2002/06/27 22:37

>先祖帰りという言葉がありますよね。


>孫がおじいちゃんやおばあちゃんに似るとか。

#7のように遺伝が伝わるだけなら、遺伝情報のヴァリエーションは非常に数少ないものになりますし、遺伝情報をまったく受け継がない先祖というものが50%に確率で出来てしまいます
しかし現実には生命の多様さは考えられない程ですし、ジイチャンとバアチャンの両方の形質を受け継いでいるはずですね
これについては、DNA鎖の反転で説明できます
さっきの(#7)図で考えると

い:abCdEFghIjKLMno   
ろ:ABCdeFgHIJKLmnO   
    
と言う情報を持った人の卵子(精子)はこのままなら

い:abCdEFghIjKLMno   



ろ:ABCdeFgHIJKLmnO

の2種類しか有り得ませんが、反転という現象があって、DNA鎖の途中で2本の鎖がくるっと入れ替わります
例えばgの所で入れ替わると…

い:abCdEF ghIjKLMno   
ろ:ABCdeF gHIJKLmnO


い:abCdEF gHIJKLmnO
ろ:ABCdeF ghIjKLMno
となります

この、反転する場所はほとんど決まっていませんし反転が1回だけという事もないようですので、伝えるべき遺伝情報の種類も無数といっていいと思います
その時、たまたま特定の人(バアチャンとか…)の優性因子を多く受け継いだ場合○○似と言われるのだと思います
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お礼日時:2002/06/27 22:37

>どの段階までの遺伝情報を引き継いだのでしょう。


これは、親の何歳ぐらいまでの…と言う意味でしょうか?

卵子・精子のモトになる細胞を卵母細胞・精原細胞と言います
これは誕生した時点で既に存在していますから、原則として生後の経験は遺伝情報には反映しません(二十年前の理論ですが…^^;)
例外として、卵母細胞・精原細胞に直接影響を与えるような外界からの刺激、例えば放射線とか薬物とかが悪さをする可能性はあります
ただ、これも遺伝子修復機能というものがあって少々の傷なら自動的に治してしまいます(却って傷を広げてしまう事もあるのですが…)

>例えば私が産まれて、死ぬまで遺伝情報が変わらないのなら、
(ダーウィニズムが正しければ…)基本的に人の遺伝情報は死ぬまで変わりません(まだ証明されていませんが…)
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この回答へのお礼

お返事が遅れて申し訳ありませんでした。

色々な意見を聞かせていただいて勉強になりました。
有り難う御座いました。

お礼日時:2002/06/27 22:37

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