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昨今のCO2削減のため、自動車のガソリンの代わりにサトウキビなどから生成されるバイオマスエタノールに世界的な注目が集まっています。植物の成長過程で、光合成により吸収した大気中のCO2の方が多いため、燃焼により発生するCO2は、排出量としてカウントされないということですが、本当でしょうか。

サトウキビからエタノールを生成するのに人力や電気などのエネルギーが必要であり、ライフサイクルコスト的な観点から見ればバイオマスエタノールがCO2削減の救世主などとはとうてい思えません。
また、サトウキビをエタノールにするため砂糖の生産が減少したり、他の植物の生産自体も減少するなど食料への深刻な影響も想定されます。
バイオマスエタノールについて詳しく書かれた文献やホームページ、さらには知見をお持ちの方はバイオエタノールの是非について教えていただけませんでしょうか。

A 回答 (9件)

バイオマスエタノールが、エコロジーよりも、


石油が使い続けると、枯渇するという観点からすると、
プラスだという事で、使うようになったのだと
思います。
(中国・インドなどのエネルギー消費の拡大により、
原油価格の高騰を招き、コスト的に
採算があうようになったのもあるけど)
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はじめまして



>植物の成長過程で、光合成により吸収した大気中のCO2の方が多いため、燃焼により発生するCO2は、排出量としてカウントされないということですが、本当でしょうか。

この点に関しては本当です。植物が取り込んだ炭素分(C)はもともとは空気中のCO2ですので、空気中のCO2が一旦植物に取り込まれた後、再び空気中に戻るので結果的に増減はありません。

では、エネルギーはどこから来るのかと言えば、太陽の光です。バイオマスエタノールは太陽エネルギーの形を変えての利用です。


>サトウキビからエタノールを生成するのに人力や電気などのエネルギーが必要であり、ライフサイクルコスト的な観点から見ればバイオマスエタノールがCO2削減の救世主などとはとうてい思えません。
>また、サトウキビをエタノールにするため砂糖の生産が減少したり、他の植物の生産自体も減少するなど食料への深刻な影響も想定されます。

これらの点は質問者さんのおっしゃる通り、必ずしも「救世主」とは言えません。
効率よくエタノールを作る方法が確立されたり、植物の食用とはならない部分からエタノール(メタンでもいいかも)を作る方法が出来ない限り、問題は解決されないと思います。


少なくとも、バイオメタノールは環境への負荷を今よりも減らそうと考え出されたはずです。現段階では問題が残っていても今後の発展に期待したいと思います。
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バイオエタノールの燃焼で発生するCO2が、京都議定書の中では排出量としてカウントされないのは本当です。


ただ、ご指摘のとおり、バイオエタノールを作るために電力が消費され、輸送のために石油が消費されているので、ライフサイクル的な観点からすればCO2をまったく排出しないということには疑問が残ります。ただし、石油から作られたガソリンよりはバイオエタノールはCO2の排出量は大幅に少ないでしょう。(ガソリンよりも多いという研究者もいますが・・・)
しかし、エタノール生産過程で必要な電力をサトウキビの残渣物を燃やして得たり、輸送もバイオエタノールで行ったりすれば、CO2発生量はさらに抑えることができます。このように製造・流通過程でもバイオマスを使うようにすれば、本当のカーボンニュートラルに近づいてくると思います。
食料への影響についても懸念されます。ただし、バイオエタノールの産地であるブラジルは非常に広大な未利用の草原(アマゾンのジャングルではありません)をもっており、これを開拓することによりエタノールの増産が可能といわれます。また、ヨーロッパでは食料が余剰となっており、政府の指導により休耕地となった農地がかなりの面積に上るといわれています。このような土地でバイオ燃料作物を栽培することが求められると思います。
私もバイオエタノールがCO2削減の救世主とは思いませんし、多くの専門家もそう思っていないでしょう。でも他に何が救世主になるのでしょう。バイオエタノールにも、いろいろ問題があるのは事実ですが、地球温暖化は待ってはくれません。
今は、とにかく走りながら、発生した問題を一つ一つ解決していく時期だと思いますが、どうでしょうか。
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 バイオ燃料を使うことによって発生するCO2は、もともと植物が光合成によって大気中から吸収したものなので、CO2増加にならず、その分の化石燃料消費が減るからCO2排出削減になります。

 しかし、ご指摘のようにライフサイクルコスト的な観点(栽培・製造に係わる全ての化石燃料消費エネルギーがバイオ燃料から得られるエネルギーより少ないといえるのか)が大きな問題です。

バイオエタノールの製造は酵母による発酵後、水分を減らして濃度をあげる際のエネルギー消費が大きいという問題があります。

米国科学アカデミー紀要の下記論文によると、トウモロコシからバイオエタノールを製造した場合、投入される全エネルギーより、25%だけ多いエネルギーが得られるとのことです。

 バイオエタノールによって、かえってCO2が増えてしまうということは無いにしろ、あまり過大な評価もすべきでありません。 今後も、技術の向上によって効率を上げていく必要があります。

 また、バイオ燃料を輸入する動きがありますが、日本はエネルギーの96%(原子力を除く)を輸入に頼っています。 食料との関係や毎年の作柄、投機など、石油以上に供給が不安定になる可能性の高いバイオ燃料の輸入についてはエネルギーセキュリティの観点からも充分に検討する必要があります。 

参考URL:http://www.pnas.org/cgi/content/abstract/0604600 …
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基本的には#1の方の仰るように、燃料電池や自然エネルギー利用といった方向では知れた効果でしかなく、他に現実的な対策が無いと言う事ですね。


化石燃料自体が光合成によって作られた(過去の地球の大気に酸素は無かった)と言う説からは、バイオも化石も一緒と言う気がしますし、燃やせば二酸化炭素が出る事に変わりは無く、考え方としては、「今まで貯めた定期預金は崩さずに、今稼ぐ金だけで生活しよう」といったところですね。
ただ、今後光合成が見込めない(植物が無い)土地で、新たに植物を育てる事には意味があり、そういった意味でブラジルの原野(公共事業としてジャングルを伐採した跡地もかなり在る)でのバイオ生産には意味があります。
現在商社の皆さんがブラジルで働きかけているのは、そういった開発への提携で、先日発表にあった三井物産関係の年350万KLと言う数字は、石油連盟が2010年に計画している数量の10倍、環境省の計画しているE3(バイオエタノール3%混合)への全面切り替えに必要な数量の倍に当ります。
色々な論議はありますが、石油の採取から精製に関しても、オイルサンドの例の様に原油の高騰で手間(コスト)をかける事が可能になり、エネルギー・環境コストは増大しています。
従って、色々論議されている様に燃料化するのに多少手間がかかっても、ブラジルのケースは明らかに意味が在るバイオ利用であると考えます。
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バイオアルコールが、カーボンニュートラルな燃料であるということは世界的に完全に認知されています。

勿論、栽培、採取、アルコール化にもエネルギーが必要ですので、完全にカーボンニュートラルとは言えませんが他のエネルギー源、少なくとも、風力発電、太陽光発電等々も製造等に石油を相当使用いたしますので、結果これらに比べれば、CO2削減効果は絶大と見なされています(原子力は意見が分かれるところ)。トウモロコシのアルコール化にかかるエネルギーを差し引いても対ガソリン比90%強のCO2発生減(すみません数字をどわしれしました)ぐらいではなかったかと。
コスト面でも、少なくとも食用にトウモロコシを栽培するよりも燃料用に栽培した方が農家にメリットがあろということで、アメリカ、ブラジルでバイオアルコール用のトウモロコシの栽培が激増し、食料用のトウモロコシや大豆、オレンジなどの栽培面積が急減し、それらの食料価格が高騰しかけている点からも、石油代替という点では商業的にすでにペイすると言われています(バイオアルコールのために我々が豆腐を食べられなくなる日も近い・・・)。
ただ、燃料用へとアメリカ、ブラジルの農家が方向転換したことによる世界的な食料生産減は大問題で、バイオアルコールの研究は、セルロースを原料にすることに集中しています。ようはトウモロコシの実は人間/動物が食べ、残った茎、葉っぱからアルコールを作成するということに集中しているようです。研究者の発表を聞くと、近日中に実現するという声が、聞こえていますが、批判的な研究者は、「セルロースのアルコール化という噂は、聞くが、実態は全く見たことがない。実現は相当先」という発表も聞こえてきます。当面はトウモロコシを人間/動物と車が取り合いをするという状況ではないでしょうか。

ただし、バイオアルコール100%で車を走らす場合、現状のエンジンでは使用できないため(腐食する)バイオアルコール用のエンジンを積む車への買い換えが必要となります。そこで現状のエンジンもしくはその小改良で使用できるようガソリンに一定量のバイオアルコールを添加(5とか10%といわれていたはず)し、さらにハイブリッド技術を組み合わせることによる燃費向上によって、京都議定書における日本の運輸部門の目標はクリヤできるようですね。
バイオアルコールが地球温暖化の救世主かというご質問に対しては、現状では救世主の最有力解というのが世界の趨勢になりつつあるといって過言ではないのではないでしょうか。
賛同しない方が多々おられますが、バイオアルコールが京都議定書をクリヤする鍵の一つであることは間違いなさそうです。
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みなさんのような学者的な回答はできませんが、サトウキビからバイオマスエタノールを生成すると砂糖が作れなくなるということではないようです。

調べてみたところ一つのサトウキビから砂糖とバイオマスエタノールのどちらも生成することができるそうです。
バイオマスエタノールといえばやはりブラジルでしょう。すでに各地にバイオマスエタノール専用の工場が作られ、サトウキビ畑なども大幅に拡大しつつあるとのことです。ブラジルの車には6割にバイオマスエタノールで走れる機能がついているとのことです。
日本も早くそうなって欲しいものですね。コストもガソリンの半分以下ですし。

ご参考までに。
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詳しく書かれた文献とは言えないと思いますが、クリーンなエネルギーと言われているが弊害もある、、ということについて「クーリエジャポン」に特集がありました。



イギリスの雑誌か何かの翻訳記事によると、トウモロコシよりサトウキビのエタノールのほうが質がよいという説があるそうです。

参考URL:http://moura.jp/scoop-e/courrier/content032.html
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バイオは農業政策です。


ブッシュが共和党の支持を増やすために、中西部の票を集めるために行ったものです。専門家は賛成していません。

自動車技術会からGIA ダイアログテキスト [日本における自動車バイオ燃料の普及に向けて]が出ています。
添付ファイルは2006年版ですが、2007年版の方がより問題点が鮮明になっています。

バイオには以下の問題があります。
・食糧安全保障
・水安全保障
・原油価格の高騰

参考URL:http://tech.jsae.or.jp/hanbai/list.aspx?parent=f …
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