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http://okwave.jp/qa2967520.html
の話を拝見し、つくづく「ひどい話だなー」、と感じました。
(勿論、自分が日本人だから、そう感じるのかも知れませんが)

国を超えてかける縛りを、誰が公平に実施できるか!
という気がします。

中国を非難する声が高まっていますが、米国だって五十歩百歩(どの国もみんな自国の利益優先)ではありませんか?

A 回答 (2件)

>単に自国に有利な審決をしたのではない、とお考えですか?



結果はアメリカ企業に有利に出ていますが、もともと国内企業間の
争いに普通に適用していた均等論を、外国企業にも厳密に当てはめる
ようになった結果です。以前アメリカは外国の特許侵害
に対して、あまり文句を言わなかったんです。

以前のアメリカの法律では、特許の登録から17年間権利を持てたので、
審査が遅れ、登録が遅れると30年、40年前の特許が生きていることがあったんです。

 1956年、つまり半導体技術もなかった時代に出願された
バーコードの基本特許が今でも生きていて、アメリカ国内では
この権利を持つ財団が、国内企業から特許使用料をとっています。

http://www.jetro.go.jp/biz/world/n_america/us/ip …


1970年代くらいまで日本企業がやっていたことは、工場見学と
して、アメリカ企業の工場の製造設備を見せてもらい、写真撮影はもとより、
メジャーで装置の寸法まで測って、日本国内で同じ製造設備を
作り、量産してもうけるという方法だったんです。
 特許に関わる部分も、使用料なんか払わないし、研究も省略できる
ので、(人件費も安かったし)同じものをアメリカより安く作れた
んです。そういった方法で荒稼ぎしていたので、さすがにアメリカも
たまらないということになってきて、1985年に、ヤングレポートと
いう報告書が出され、特許侵害をする外国企業に対抗するために、
均等論を積極的に活用したほうがいいという提言があったんです。

ですからアメリカ企業保護といった事ではなく、特許侵害による
損失がでかくなったので、平等主義の考えを外国企業にまで
広げたということなんです。


先のジャック・キルビーさんが働いていた、テキサス・インスツルメンツ
という半導体メーカーがあるんですが、ここの商品は現在日本では
殆ど出回っていません。(アメリカ、カナダでは普通に売っています)
私もテキサス・インスツルメンツの古い電卓を持っているんですが、
日本製のよりはるかに使いやすいです。

テキサス・インスツルメンツの製品が日本に入ってこれなかったのは、
高い関税をかけられたためです。政府ぐるみのあからさま妨害
工作です。

均等論の活用は、外国企業もアメリカ国内企業と平等に扱うということで、
日本がやってきたような、外国企業への一方的差別ではないんです。


日本がやってきた保護主義的、閉鎖的な貿易政策は、1986年の
レーガン大統領のときに指摘を受けて、現在の国内の自由化
政策につながっています。

国内通信事業を独占していた電電公社がNTTに民営化したのを
切欠に市場が開放されていったのも、この自由化政策の影響です。

1990年代に入って、日本の景気が落ち込んだ後は、
アメリカのほうが日本のやり方にあわせてくれるようになってきて、
日米で大きく違っていた特許をはじめ各知的財産権の法律等は、
アメリカのほうが、日本に歩み寄る形で国内法を改正してきています。



>つまり、世界中が均等論を論拠とすべきであり、

少なくとも、日本はそうするべきです。

かつての日本がやっていたように、技術的に遅れて
いる国は、均等論を認めると、外国の特許を幅広く
認めることになり、一方的に不利になる可能性があり
ますから、無理強いはできないと思いますが。
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この回答へのお礼

再度にわたる丁寧なご回答有難うございました。

お礼日時:2007/05/06 23:00

ご質問者の方、多分お若いので少し前に日本がやっていたことをご存知ないので、そういったお考えになるのだと思います。



>中国を非難する声が高まっていますが、

信じられないかもしれませんが、中国は1980年代くらいまでの日本のやり方をまねしているんです。昔は国際条約による取り決めが甘かったので、日本のやり方のほうがもっとえげつなかったですが。


あと、青色LEDで有名になった中村修二さんなんかもそうなんですが、特許制度に対する研究者の方の無知も問題の要因なんです。

西澤潤一博士の場合も、特許が成立していないんですが、この特許出願をけったのは、日本の特許庁ですから。

ここんところですね。
http://homepage2.nifty.com/tkeizo/book120925-j.h …
>しかし、特許申請の手続き上の不備から、西澤の特許は認められなかった。

日本の特許の考え方は、その発明の実現手段を具体的に細かく説明できないといけないというもので、西澤さんは説明が不十分だったんです。もしかしたら試作品もできていなかったかもしれない。

http://homepage2.nifty.com/tkeizo/book120925-j.h …

ここにもあるように、住友電工もコーニングの特許にはゲルマニウムの説明がないと、日本流の、具体的な説明に欠けるという部分を指摘して、結局認められていないわけなんです。

アメリカかのほうが、より広い、人間の単なるアイディアの部分を認めてくれる制度なので、発明者への保護が厚くなっているんです。


ですから西澤潤一博も、アメリカに国際出願していれば特許が取れていたはずなんですね。そのあたりの不備があるので、西澤さんの光ファイバーの発明の話は、どこか曖昧になっているんですね。



逆に、アメリカ人のジャック・キルビーが日本に出した、最初の半導体集積回路の特許出願、いわゆるキルビー特許の話を知れば、日本がいかにひどいことしてたか分かると思います。このあたり、日本の汚点でもあるので、ネットの説明なんかも曖昧なものが多いですが、1960年に日本に出願されたこの特許を、審査に時間がかかるとして長い間、権利を認めず、権利化されたのが1978年ですから。出願から20年という規則があるので、権利として使えるのは、たった2年です。後から関連特許を出して、権利の長期化を図ったのですが、古い発明だから陳腐化しているとして、こちらは富士通の勝訴です。

この回答への補足

ご回答有難うございます。

回答者さんは、米国の審判は完全に均等論に立脚するものであり、単に自国に有利な審決をしたのではない、とお考えですか?

つまり、世界中が均等論を論拠とすべきであり、そうすれば国家間による裁定の違いはなくなる、とお考えですか?

>アメリカかのほうが、より広い、人間の単なるアイディアの部分を認めてくれる制度なので、発明者への保護が厚くなっているんです

補足日時:2007/05/05 17:04
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