最近分子生物学を勉強しています。
ある項目で、「人の形質の中には環境に強く影響を受けるものと、あまりうけないものがある」とあり、
環境の影響が強い順に、多発性硬化症・がん・心臓の諸症状・喘息・糖尿・神経型・IQ・統合失調症・うつ病 とありました。
自分の中では、IQよりうつ病が遺伝傾向が強いというのは意外で、また里子に出された子どもの家系がうつ病だった場合、もらい先の家庭がうつ病と縁がなくても、子どもがうつ病になりやすいと参考書に書いてありました。
これが本当だとすると、人間の性格というのは生まれる前からいくらか決まっていて、遺伝性が強いという気がするのですが、この考えは正しいのでしょうか?
反論・賛成・意見なんでもOKです。
回答よろしくお願いします。
No.6ベストアンサー
- 回答日時:
#3です。
少し補足を。
先に双極性障害や大うつ病性障害は遺伝負因が大きいことが以前から知られていたと書きましたが,
両者の遺伝負因の程度に違いがあることもまた知られていました。
双極性障害の遺伝率が70%を超えるのに対し,
大うつ病の遺伝率は30~40%とされてきましたが,
最近の研究では男性で29%,女性で42%と性差があることも明らかになっています。
http://www.depression-webworld.com/japanese/news …
精神疾患を遺伝率の低い順に並べるなら,
大うつ病<統合失調症≦双極性障害の順になるはずです。
また同胞や双生児間における疾患の一致率から求められる遺伝率と
量的形質であるIQの遺伝率(50%程度,子どもより成人において高くなる)を
同列に扱っていることにも疑問が残ります。
とまぁ,挙げられている例には問題があるのですが,
人の能力や行動傾向や精神疾患に遺伝が関わっていることは疑いようのない事実でしょう。
同時に,それらが多かれ少なかれ環境の影響を受けていることもまた紛れもない事実です。
近年のいささか性急な遺伝子還元論の隆盛に対して
かつての優生学の復活かと警鐘を乱打なさる向きもあるようです。
ちなみに
ダーウィンによる自然選択説やゴールトン(ダーウィンのいとこ)による優生学の提唱が
人為選択による家畜や作物の品種改良に想を得ていることは確かなようですが,
それはメンデルの法則発見の遥か以前から行なわれてきた営みです。
メンデルの法則の再発見(1900年)が優生思想の普及に拍車をかけたこともまた確かですが。
最後にひとこと。
ウェブ上でいろいろ検索してみると,
親の形質(ないし疾患)が子に受け継がれる確率(親子間の一致率)を「遺伝率」と称しているケースが多いようです。
ここで言う「遺伝率」はそのような俗流用法とは異なるものですので,
くれぐれも勘違いなさらぬようお願いします。
参考URL:http://homepage1.nifty.com/NewSphere/EP/b1/genet …
No.7
- 回答日時:
遺伝でも生まれてからの環境でもなく、
「出生前心理」という中間のものがあるそうです。
母親が妊娠中の気分を胎児も共感すると言う説です。
胎児代でも様々な外界の情報は入ってきていて、母親の心
理によってホルモン分泌も変動して、生まれる前から外界の
情報として胎児の心理にも影響を及ぼす、なんて言われると
胎教音楽とか、マタニティ○○とかも広まります。
胎内環境も後天的に影響を受けた性質、という諸説ですが、
本人は全く記憶していないし、生まれてから違う環境で育
っても、大まかな統計では遺伝によっての性質にと分類さ
れてしまうかも。
No.5
- 回答日時:
感情の変化は脳内の神経伝達物質や電流によるコントロールを受けます。
うつならセロトニン系でしょうか。
そして、神経伝達物質や電流、その刺激を受けるシステムは遺伝子によりコントロールされます。
なので答えは、性格は部分的に遺伝性がある、です。
部分的、としたのは脳の神経ネットワークや、遺伝子の発現レベルのある程度は育った環境により柔軟に変化するので、遺伝子のみで決まるわけではないという意味です。
おそらくIQはこちらの影響を強く受けるのでしょう。
No.4
- 回答日時:
自分は、細胞生物学を現在勉強中の者です。
質問者さんは、1920~30年代に流行した優生学をごぞんじですか?
政治的そして、社会的な運動です。
メンデルが、遺伝の法則を発見してから、人類は人工的に交配を操る事によって、劣等な遺伝子を持つ人間を排除し、優秀な遺伝子を持つ者を増やそうと試みた事がありました。
そして、これこそが民族浄化運動へと、発展していったのです。
この理論にこじつけを加えたのが、ナチスのユダヤ人大量虐殺です(理論的には、優生学的根拠は無いのですが・・・。)。
さて、第二次世界大戦がおわると、人々は、優生学=ナチス、ノイメージが濃くなり政治的に論議の対象となりました。
J・B・S・Haldane言った有名な言葉が無かったら、今でもどうなっていたかわかりません(と個人的に思います)。
彼は言った、
「精神的なものであれ、肉体的なものであれ、もし人がそれを浄化しようとしたら、いったいどこまで続ける事になるのか、それを知る事は難しい。」
結果的にこのような、悲劇が起きたのは、人類の遺伝子への不完全な理解からきています。
現在でも、色々な理論がでてきていますが、遺伝子の役割を全て解明できたわけではないので、気をつけて! と個人的に思います。
No.3
- 回答日時:
>環境の影響が強い順に、多発性硬化症・がん・心臓の諸症状・喘息・糖尿・神経型・IQ・統合失調症・うつ病 とありました。
このランキングは遺伝率の低い順でしょうか。
遺伝率については下記URLにて概説されています。
より専門的な解説は末尾にある参考図書を参照なさってください。
●遺伝率
http://www2.plala.or.jp/omiya/idennritu.htm
なお,引用なさっているランキングに関しては若干の問題があります。
たとえば,うつ病。
以前より,双極性障害(いわゆる躁うつ病)や大うつ病性障害(重篤なうつ病)は
遺伝負因が大きいことが知られていました。
しかし,これらはうつ病の名で呼ばれる病態のうちの(深刻な方の)一部に過ぎません。
近年,うつ病という診断名が安易に使われる傾向がみられ,
うつ病とされる病態の範囲が非常に広くなっていることから,
遺伝率に関してもその幅が(低い方に)広がっていると考えられます。
同様に,がんにしても心臓の諸症状にしても範囲が非常に広く,
遺伝率にも大きな幅があります。
引用なさっているランキングは,分子生物学の専門書の記述としては
いささかアバウトに過ぎるように思いますが。
No.2
- 回答日時:
全く同じに育てたようでも、正確は全く違うと言う事は良く聞きます。
三つ子の魂百まで、と言う言葉がありますが、一つには3つ(満二歳)までの教育が大事と言う事もありますが、実は生まれつきの性格があって、それは一生変わるものではない、と言う意味でもあったりします。
分子生物学を勉強しているのでしたら当然知っていると思いますが、神経の伝達は細胞内の電気信号と、細胞間の化学物質によって行なわれています。化学物質の分泌量、バランス等によって精神が保たれている訳です。
神経内科で様々な薬が処方されますが、人の気持ちや考えがある程度薬でコントロール出来ると言う事は常識になっています。薬や、薬と類似したものが体内で分泌されている訳ですが、これらは環境(食事やストレス等)にも影響されるでしょうが、当然生まれつき遺伝的なものがあるはずでしょう。顔や体型が親に似るように、体内化学環境も遺伝して親に似る事と思われますので、人間の性格が遺伝性がある、と考えることが出来ると思います。
当然、クローン人間ではありませんので、両親2人の遺伝形質が混ざり合います。ですから、親が怒りっぽいから子供が怒りっぽいということには単純にならないと思います。
なるほど。
確かに、普通に考えてみれば遺伝子の影響を受けていないわけがないですね。
すいません、勉強不足です。
回答どうもありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
半分あっているし、半分違います。
全てが遺伝できまるわけではありません。
これは心理学の立場からお話します(というか生物学はよく知りません)
生まれた赤ちゃんには「気質」というものがある。
・難しい
・普通
・易しい
大きくわけるとこの3つ・・だったかな
難しい子は、夜泣きがひどかったり、偏食があってやりにくい子
まさに自分がそうでした。
ミルクは嫌い、夜中はガンガン泣くなど。
それとは逆に、全く泣かない、手のかからない子もいます
それは、同じ親が産んだ子でも、難しい子と易しい子が産まれる場合もある。
それは、産まれたときに決まる、と言われています
そして逆に、環境に依存するもの。
まわりの友達、親の接し方、ごはん。
それらは、持って産まれた「気質」のまわりをコーティングするように、
成長していきます。
ある心理学者が言いました
「僕は子供を10人与えられれば、泥棒にも天才にも、学者にも育ててみせる」
要するに、持って産まれたものや遺伝だけではないということです。
でも、環境がすべてというわけでもない。
要は、両方です。
現在心理学ではこの立場をとることが多いです。
うーん、心理学というのは非常に新鮮です。
そうですね、半々というのが妥当な線ですよね?
非常に参考になりました。
どうもありがとうございます。m
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