わたしは高校時代から太宰に耽溺していました。
全集は全て・・・・と言いたいところですが9割がた読んでいます。「斜陽」は好きになれませんが、その他はほとんどがお気に入りです。
多くの作品を笑いながら読みます。
晩年のエッセイ「如是我聞」で、志賀直哉を徹底的に罵倒していますね。
わたしはこのエッセイが大好きで、多感な時期にこれに心酔していたわたしは志賀という作家を生理的に受け付けなくなりました。
最近新聞で、小津安二郎が志賀をほとんど神のように崇拝していたと知り、小津映画好きのわたしはとても複雑な気持です。
実際読んで見ても先入観があるせいで、客観的な判断が出来ません。
志賀は何故そこまで崇められるのでしょう?
志賀文学の良さとはなんでしょう?
ご意見を聞かせて下さい。
ちなみにわたしの好きな作家は、
芥川、漱石、司馬、三島、ボードレール
ワイルド、ヴァレリー、ショーペンハウエル、ニーチェ
エマソン、スタンダール、ゲーテ、T・ウィリアムズ
パスカル、西行、啄木・・・・
などです。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
rossettiさんおはようございます
志賀直哉から発展しましたが久々好きな分野のお話ができてうれしかったです。
フランス映画の「アメリ」よかったですね。
最近、27時間テレビで小津監督の「東京物語」を取り上げていましたね。私も小津作品だいすきです。今回のは別物として。
俳優も作家も個性のある人間がだんだんいなくなってきますね。時代の流れで仕方がないのでしょう・・
私物化したやり取りをしていて削除されそうですね(^^ゞ
もっといっぱいお話したかったです。他のところで映画の感想(真面目な)を書いています。よかったら覗いてください。
http://www.powerwings.net/html/index.shtml
tera2002さんとお話しできてとても楽しかったです。
わたしは読書の方ではtera2002さんに引けをとっていますが、映画の話しでは何とかついて行けそうですネ(笑)
わたしはこれまで山田洋次と黒澤以外、ほとんど「邦画」というものに関心がありませんでしたが、
今年に入ってすっかり日本映画にはまっています。
特に昭和30年代=1960年代の作品は自分の親が若かった頃、自分が幼い子供だった頃を追体験させてくれるようでとても興味を惹かれます。
・・・・tera2002さんが男性なのか女性なのか分かりませんでしたが、(わたしは男性=同性と思っていましたが)どっちであっても、穏かでやさしい人柄が伝わってきました。
上記のアドレス、行ってみます。
では、ごきげんよう(^。^)
No.4
- 回答日時:
rossettiさま往復になってしまいますね(^^ゞ
最近は本のことを話せる人が身近にいないのでうれしかったです。
私は高校の時からずっと図書館通いを続けています。
乱読を絵に描いたような読み方ですが。
借りる本の中にはスクリーンも時々入ります。(笑)
賞を取ったものは一応目を通しますがあとはどうしても作者が偏ります。
最近は若い女性作家の作品もなかなかです。
30代で時代考証などをちゃんとした作品などに出会うと本当に尊敬してしまいます。
映画も大好きですので、古い作品のビデオは図書館で借ります。でもやはり映画館の雰囲気が好きなので年間何本か吟味して見に行きます。アメリカ映画は好きではなくて
イタリア、チェコ、イギリスとかのヨーロッパの作品が好きです。名画のなかに人生ありと感じています。
いやぁ、すっかりお互い私物化してますねぇ(笑)
「本のことを話せる人」という資格はわたしにはないんですが(^^;)
このような会話は楽しいです(^。^)
わたしも図書館は随分利用しています。
といっても先に言いましたように、最近は主にCDを借りるための「AVライブラリー」と化していますが(苦笑)
大学時代は授業に出ずに図書館に入り浸って上記の作家や詩人、哲学者の本を読み漁っていました。
「AVライブラリー」と書きましたが、わたしの区の図書館には映画はないんです・・・・
図書館で映画が簡単に借りることが出来るのって羨ましいです。
わたしもハリウッド映画よりはヨーロッパ映画の方がいいですね。
フランス映画に好きなものが多いかな?
今日はビデオで松本清張原作の「霧の旗」を見ました。
とても良かったですよ。
わたしもtera2002さんと同じように、映画を通じて、人生というものを見る視点を、少しづつ養っていければと思います。愚鈍なわたしにとっては薄皮を剥ぐような気の長い作業ですが・・・・
「名画のなかに人生あり」・・・・全くそう思います(^。^)
これ、締め切ってポイントを出してしまえば、
もうおはなしできなくなるんですかね?
映画のお話しもお聞きしたいのに・・・・
No.3
- 回答日時:
rossettiさまこんにちは。
レスありがとうございます。
人の好みははどうしようもないですね。無理して好きにならなくてもいいのでは。
私は、ここ2年程前から淺田次郎の小説に惹かれています。通俗的とか馬鹿馬鹿しいとかいろんな声もあると思いますよ。でもね、自分が読んで一筋の涙を流し、心に染み入ればそれでいいと思っています。
「霞町物語」とか「月のしずく」という短編集の中の作品などは本当に好きです。
人間ってそう、難しいものではないのですよね。
「48才の抵抗」を読んだのはあまりに昔で内容をここに書けませんから↓を参照してくださいね。
またお話できるといいですね!
参考URL:http://www.esapp.co.jp/61.htm
tera2002さん、早速のお答えありがとうございました。
tera2002の読書観には全く同感です。
自分がそれを読んで、考えさせられたり、慰められたり、
喚起されたり・・・・
読書は極めて個人的な営みですからね。
正直tera2002さんに顔向けできないなぁと思うのは、
わたしは文学部出身ですが、近頃全くといっていいほど
(新聞以外の)活字から遠ざかっているということなんです(赤面)
「本を読まない人間は弱い」といつもおもっているのですが、一旦本との回線が切れてしまうと再び元にもどすのが
とても難しいのを痛感します。
わたしは10年ほど前から。つまり30代に入った時から
読書から映像に移りました。
劇場には足を運びませんが年間150本くらいのビデオをみます。
読書の薬効を30倍くらいに薄めたものとは思っていますが、それでも見ないよりはマシですよね(笑)
「48歳の抵抗」・・・・サラリーマンもののようですね。
最近「江部利満氏の優雅な生活」という映画を見ました。
ご存知とは思いますが山口瞳の・・・・
「48歳の抵抗」も映画化されているようですね。
観てみたいなぁ。
オイオイ、読書じゃないんかい!
No.2
- 回答日時:
rossettiさんおはようございます。
#1のかたの素晴らしい文のあとで申し訳ありません。
わたしも中学生時代に「走れメロス」の解釈を通じて太宰に興味をもちほとんどの作品を読みました。
このころは石川達三の「48才の抵抗」なんかを読んでいたのですからなんという中学生なのでしょうね。(^^ゞ
今、再びこの年で読み返したいと思っています。
何年か前から朗読に参加し、題材として志賀作品集を読み進みました。
朗読というものはすごいものですね。一作をとことん解釈して読み進むと見えてくるものがあるのです。
わたしもそれまでは,なんでこんな作品が。。。と思っていたのですが、ちょっと考えを改めた次第です。
月並みですが「鴛鴦のちぎり」など面白かったですよ。独特の観察眼に。いずれにしても作品を通してその人が見えてくるので「書くこと」ということは怖いですね。
私は、図書館で坂口安吾のエッセイを読んでいままでの彼に対する偏見がとんでいきました。
生まれる時代が早すぎたのだなって思いました。
なんにしても本はいいですね。
tera2002さん、お返事ありがとうございました。
本題からそれてしまいますが、石川達三の「48歳の反抗」ですか・・・・寡聞にしてはじめて聞くタイトルですが、来年40を迎える身にとっては興味をそそられるタイトルです。
tera2002さん、よかったら、どういう内容の小説(?)なのか簡単で結構ですので教えて頂ければ幸いです。
坂口安吾は我が大学の先輩と言うこともあり、是非読まねばと思いつつ月日は流れていきました(苦笑)
「三つ子の魂百まで」といいますが、わたしの志賀作品への拒絶はきっと直らないでしょうネ(^^;)
おっしゃる通り、本はいいですネ(^。^)
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
志賀の文章は、一見非常に地味です。三島のような華麗な色彩美文でもなければ、谷崎のように情感のある美文でもありません。
また書かれている内容が、地味だとも言え、志賀が捉えた、感受性における人生の見え方のようなものが、作者の主観的な視角から淡々と綴られているだけです。
まず、意外性とか話の面白さなどの外面的な魅力からいうと、あまり魅力がないのですし、作者の独り言のような話も、興味がないと、まったく読む気が起こりません。何か、どうでもよいようなことを、面白みのない簡単な文章で、だらだら綴っているように見えるのです。
しかし、三島は、「文章読本」のなかで、志賀の文体を、泉鏡花と対比させ、コンデンスド・ミルクか、固体になったスープのようなものだと述べました。非常に凝縮されているので、書かれている内容を読み取るには、何倍、何十倍にも薄めてみないと、分からないのだとしました。
これはどういうことかというと、日本語の特性に奇蹟的に適合させて、日本人、特にある年齢や心境の日本人にとって、非常に意味深い内容が、簡潔な文章のなかに、深い内包を持って表現されているという意味なのだと思います。
従って、志賀は、或る年齢か、或る心境にならないと、その言っていることが理解できない作家だとも言えます。そして思想というか、その感性が非常に日本人的で、かつ、日本語の特性に通暁していて、これを表現する日本語の文章はこれしかない、というぐらいに見事な日本語の文章が記されているのです。
日本語の特性に従って、すらすら読みやすい分かり易い文章になっているというのではなく、一見、読みやすいのですが、実は立ち止まって、何を言っているかをよく考え味わわなければならない文章だということです。
きりつめられた表現の文章であるため、しかも、過不足なく切り詰めているため、不自然になることもないのですが、普通の作家なら、五倍十倍の文章で表現するところを、志賀は、その五分の一、十分の一の文章で書くので、ごく短い短編でも、実は長編の内容があるということになって、読めば読むほど、その意味の広がりや深さが分かってくるということです。
しかし、スタイルからして、外見的に華やかなことも、面白いこともないので、何を書いているのか、独り言はやめてほしい、と言いたくなるのですが、その世界が分かってくると、表現の技法も、日本語の適切さも、簡潔に書くところも、到底、人間技とは思えない、一種の奇跡かアクロバットのようなことになっているので、「小説の上様」ということになるのです。
わたしは、志賀直哉は、好きでありませんし、その主題も理解できません。あるいは、或る世代以上でないと、もはや志賀の神様的小説の技巧というのは、実感できないのかも知れません。
志賀を「小説の神様」と呼んだのは、おそらく自分でも小説を書いている作家たちだったと思います。わたしは、小説を書く技法を幾らか知っていますが、かなり見事な文章力というか、作家としての力量を持った先生が、志賀を、小説の神様というような高い評価を与えていたことは、その先生の作品の文章を見るとよく分かるのです。
非常に見事な的確な文体で、これを更に洗練させて行くとどうなるのか、と考えると、志賀のような文体が到達点として考えられるのです。
志賀文学の良さは、すでに書いたように、或る時代の日本の文化・感性を代表していたということではないかと思います。それと、日本語を操る神業的技巧でしょう。三島のように、華麗な方向へ、文体や内容を展開させて行くことは、限りがないとも言えます。しかし、逆の簡潔な方向へと、日本語の可能性を最大限に駆使して、意味や表現を圧縮することは、限界があるのだと思います。
志賀直哉の文学は、この「限界」に達していると思えるので、凄いということなのだと思いますが、もはや現代では、志賀の小説は、一定以上の年代の人でないと、内容的に共鳴できないのではないかとも思います。鴎外や漱石、谷崎は、いまでも読んで、共鳴できる部分がたくさんあります。しかし、志賀の文学的テーマ・感性は、レンジが狭かったのではないかと思えます。
大して小説を読んでいないにも関わらず勝手なことを書きました。まったく見当違いのことかも知れません。
貴重なご意見をいただきありがとうございました。
asterさん自身が志賀は好きではないとおっしゃっておられるので、ちょっとニヤッとしてしまいました(笑)
わたしは作品とそれを著した人間を切り離して読むということができないのです。
獅子文六が、ある作家たちの会合で、佐藤春夫が同席していた幸田露伴に聞こえよがしに年寄り扱いしたことに
腹が立ったと書いていましたが、
先生先生と言われてふんぞり返っているような人物は、どんなに技法的に卓越したものを持っていても嫌悪感が先立ってしまいます。
啄木や、太宰、宮沢賢治、三島、芥川、荷風、
更には漱石などとも比較して、志賀には「苦悶・苦悩」という影が見えないのです。
ご指摘の点、同感です。
「涙とともにパンを食べた事の無い者に真実は判らない」
というゲーテのことばのように、
ハートが感じられないんです。
長文のメッセージ、改めてお礼申し上げます。
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