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私は窒化ケイ素の熱伝導率について実験をしています。
そこで質問です。
窒化ケイ素と同じはずの窒化アルミニウムの熱伝導率が優れている理由がわかりません。
どなたか教えてください。よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

固体の熱伝導は電子熱伝導、フォノン熱伝導、フォトン熱伝導に分類できます。

絶縁体で不透明な物質の熱伝導は、結晶格子の振動であるフォノンが波動として伝播して熱エネルギーを伝えるフォノン伝導によります。フォノンが散乱されると熱伝導が阻害されます。その因子として、
1.フォノン-フォノン散乱(成分原子の原子量の差が大きかったり、元素の種類が多いとフォノンの平均自由行程が小さくなる)
2.不純物や格子欠陥、粒界による散乱
があります。ダイヤモンドの熱伝導率が高いのは前者によるものです。
窒化ケイ素も窒化アルミニウムも構成元素の原子量の差は比較的小さく、共有結合性も高い結晶です。従って、フォノン-フォノン散乱の効果は小さく本質的(=純粋な単結晶)な熱伝導率は非常に高い(いずれも>300W/mK)です。
窒化アルミニウムには酸素(厳密にはアルミナ)が固溶してアルミニウム空孔、および、窒素のサイトへの酸素の置換した不純物欠陥とこれが会合してできた積層欠陥が生成します。高熱伝導率の窒化アルミニウムセラミックスは、高温での焼成により不純物の酸素を粒界にトラップして窒化アルミニウム粒子内を高純度化することにより作製されます。すなわち、低温短時間で作製された窒化アルミニウムセラミックスは一般に熱伝導率は低くなります。
一方、窒化ケイ素は焼結助剤にアルミナを用いるとシリコンのサイトにアルミニウムが酸素のサイトに置換固溶します。焼結中にこれらの不純物を除去することは難しいので、不純物によるフォノン散乱により熱伝導率は低くなります。しかし、焼結助剤にマグネシアを使ったり、窒化ケイ素マグネシウムを焼結助剤として粒成長を十分起こしてやることで、比較的高い熱伝導率(>100W/mK)の焼結体が作製できることも報告されています。
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おおざっぱに言うと、熱伝導率は比熱とフォノンの平均自由行程に比例します。


これはご存知でしょうか?

フォノンの平均自由行程と言うと難しいですが、要は、
規則正しく原子が並んでいる方が熱が伝わりやすいのです。

例えば、同じSiO2でも石英(結晶)かガラス(アモルファス)かによって、
熱伝導率は10倍近く変わります。
これはガラスが規則正しくならんでいないからです。

さて、話を窒化ケイ素と窒化アルミに戻します。
同じSiでも安定な同位体がいくつかありますよね。色々な同位体が混じっているというのは規則正しい配置を取れないということです。
一方、Alは安定同位体が1つなので規則正しい配置を取りやすいのです。

熱伝導率に影響する要素はこれだけではないので、研究するにあたってはきちんと教科書(固体物理とか材料物性とか)を読んで検討すべきだと思います。
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物質も違うし、結晶構造も違うので当然熱伝導率も違うのではないかと思いますが、


なぜ”同じはず”と思うのでしょうか?

この回答への補足

回答ありがとうございます。
確かに窒化ケイ素と窒化アルミは他物質ですが、同じ窒化物であり
高熱伝導率に条件として必要な、低元素同士の化合物という点でも
同じであるように思います。
窒化アルミがなぜ熱伝導率が非常に優れているのかわかりません。

補足日時:2007/09/21 12:27
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