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sech関数のフーリエ変換についてです。
公式集やネットによるとsech関数のフーリエ変換は
f(x)=sech(ax)とすると、F(ω)=(π/a)sech(πω/2a)
となるようなのですが、どのような過程でこうなるのかがわかりません。
このフーリエ変換の導出について教えていただきたいです。よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

sparklightさん、こんにちは。




 F(ω) = ∫_{-∞}^{∞} dx exp[iωx] sech(ax)

と定義すると、

 sech(ax) = 1/cosh(ax) = 2/(exp[ax] + exp[-ax])

より、z=axとおいて、

 F(ω) = (2/a) ∫_{-∞}^{∞} dz exp[i(ω/a)z] /(exp[z] + exp[-z]) … (1)

ωを-ωに置換えても、積分変数zを-zに置き換えれば等しくなるので、これは偶関数です。
従って、ω/a > 0 と仮定して求めれば十分です。
(ω/a < 0 のケースは同じになります。)

(1)を複素平面上の積分とみます。
ω/a > 0 と、exp[i(ω/a)z] の因子により、上半無限円上の同じ関数の積分は、0になります。

(簡単に言うと、z=x+iy とおくとき、上半無限円では、y→+∞としてよく、
指数関数 exp[i(ω/a)z] の肩は、i(ω/a)(x+iy) = i(ω/a) x - (ω/a)y となり、その実部が -(ω/a)y → -∞になるからです。)

従って、(1)は、

 F(ω) = (2/a) ∫_C dz exp[i(ω/a)z] /(exp[z] + exp[-z]) … (2)

という複素積分になります。ここで、Cは実軸に上半無限円を加えた閉曲線です。

 1/(exp[z] + exp[-z]) = exp[z]/(exp[2z] + 1)

は、この閉曲線の内部に1次の極を持ちます。すなわち、

 exp[z] = - exp[-z]
 exp[2z] = -1
 2z = (2n+1)iπ
 z = (2n+1)iπ/2 = inπ + iπ/2 ≡ z_n とおく

が極です。n=0,1,2,… で、積分経路Cの内側には無限個の極があります。

この極以外では正則なので、経路を縮小すると、

 F(ω) = (2/a) Σ_{n=0}^{∞} ∫_{C_n} dz exp[i(ω/a)z] /(exp[z] + exp[-z])

ここで、C_n は、z=z_n を囲む微小な閉曲線です。z=z_n の近傍では

 1/(exp[z] + exp[-z]) = exp[z]/[exp(2z) + 1]
  = exp[z]/[exp(2(z-z_n)+z_n) + 1]
  = exp[z]/[exp(z_n) exp(2(z-z_n)) + 1]
  = exp[z_n]/[- {1 + 2(z-z_n)} + 1]
  = - i (-1)^n/2 × 1/(z-z_n)

と展開できるので、これに留数定理を使うと、

 F(ω) = (2/a) Σ_{n=0}^{∞} (-i) (-1)^n exp[i(ω/a)z_n]/2 × 2πi
    = (2π/a) Σ_{n=0}^{∞} (-1)^n exp[-(ω/a)(2n+1)π/2]
    = (2π/a) exp[-(ω/a)π/2]/[1 + exp[-(ω/a)π]]
    = (2π/a) 1/[exp[(ω/a)π/2] + exp[-(ω/a)π/2]]
    = (π/a) sech[πω/2a]

と求まります。ω/a < 0 のほうも同じになることは上で述べたとおりです。
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この回答へのお礼

大変細かく丁寧な解答をしていただき、ありがとうございました。
ただ、以下の部分からの計算が、自分の知識が足りないせいかわかりません。。
もしよろしければ以下の点について教えていただけますでしょうか?

> = exp[z]/[exp(2(z-z_n)+z_n) + 1]
> = exp[z]/[exp(z_n) exp(2(z-z_n)) + 1]
> = exp[z_n]/[- {1 + 2(z-z_n)} + 1]

1行目のところですが、なぜexp[z]/[exp(2(z-z_n)+2z_n) + 1]にはならないのでしょうか?単純に式変形しただけのものではないのでしょうか?
また、2行目から3行目への変形についても教えていただきたいです。
よろしくお願いします。

お礼日時:2007/09/20 22:36

ANo.1です。



>> = exp[z]/[exp(2(z-z_n)+z_n) + 1]
>> = exp[z]/[exp(z_n) exp(2(z-z_n)) + 1]
>> = exp[z_n]/[- {1 + 2(z-z_n)} + 1]
>
>1行目のところですが、なぜexp[z]/[exp(2(z-z_n)+2z_n) + 1]にはな>らないのでしょうか?単純に式変形しただけのものではないのでしょうか?

はい。。すみません。。単純な式変形で、
 = exp[z]/[exp(2(z-z_n)+2z_n) + 1]
 = exp[z]/[exp(2z_n) exp(2(z-z_n)) + 1]
の単純な書き間違いです。。(^^;)

> また、2行目から3行目への変形についても教えていただきたいです。

 = exp[z]/[exp(2z_n) exp(2(z-z_n)) + 1]
 = exp[z_n]/[- {1 + 2(z-z_n)} + 1] …(3)

ですね。この式では、C_nは、好きなだけ小さい閉曲線にとることが出来ることから、z=z_nの近傍ということを使いました。ただ、全部のzをz_nで置き換えてしまうと、分母が0になってしまうので、2(z-z_n)の項だけは残しておきました(この項でz=z_nとおくと分母が0になる)。

もう少し詳しく書くと、まず、分子は発散がないので、そのままexp[z]=exp[z_n] とおきました。
次に分母は、
 exp(2z_n) exp(2(z-z_n)) + 1 …(4)
ですが、exp(2z_n) = -1 となるように、z_nを決めているので、それを使い、exp(2(z-z_n)) は、展開式
 exp(Δz) = 1 + Δz + Δz^2/2! + …
で展開しました。(実は、複素数の指数関数は、展開式e^z=1+z+z^2/2!+…で定義されています。これによって実数関数のe^xを複素数の関数に拡張しています。)これにより、
 exp(2(z-z_n)) = 1 + 2(z-z_n) + 4(z-z_n)^2/2! + …
です。この式で、(z-z_n)^2以下を0とおいたのが、(3)の分母です。

つまり、
 (4) = (-1) × { 1 + 2(z-z_n) + 4(z_z_n)^2/2! + … } + 1
   = -2(z-z_n) - 4(z-z_n)^2/2! + …
   = -2(z-z_n) [ 1 + 2(z-z_n)/2! + … ]
となりますが、[・・・]のところでは、(z-z_n)以下の項は、1に対する小さい補正で、C_nを小さくとれば、好きなだけ小さくできるから、無視できます。頭の因子 -2(z-z_n) では、z-z_n = 0 にすると、(3)の分母が0になってしまうから、これだけは残しておかなければなりません。

なお、この計算は、
 lim_{z→z_n} {exp[z]/[exp(2z) + 1]}×(z-z_n)
を計算するのと同じことです。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなってしまい申し訳ありません。
非常に詳しく、かつ丁寧な回答ありがとうございました。
ずっと考えてわからなかった問題なので、本当に感謝しております。

お礼日時:2007/09/27 22:38

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