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アマチュアでバロック音楽を演奏しています。最近、ミーントーンとピタゴラス律をブレンドしたオリジナルの調律法をいくつか開発しました。そのなかでも最もウェルテンパードに近い音律を紹介します。
ハ長調とイ短調の主和音ぐらいは純正にしたかったのでハからホまでを1/4狭い5度にして残りを純正5度で決めました。嬰トと変ホの5度のウナリは消えましたが唯一ホ長調の主和音がピタゴラス3度になってしまいました。
ピタゴラス3度は狼音でしょうか?それとも耐えうる長3度音程の限界なのでしょうか?私にはかなり濁った荒々しい音程に聞こえます。
調子っぱずれな音程か調性感を感じさせる特徴ある響きなのかその区別に迷います。
バロック音楽で実際の演奏に使える音程かどうか皆さんの意見を教えて下さい。

A 回答 (3件)

こんにちは。



ミーントーン五度4つ(計-14セント)とピタゴラス五度7つ(+2セント×7=+14セント)でプラスマイナスゼロで辻褄が合う,というのは,昔からあった発想のようですね。C-Eの純正長三度を残す方法は,キルンベルガー第三と呼ばれる調律に近いかと思います。

http://www.ne.jp/asahi/voce/home/MameChisiki/Tyo …

例えば,上記サイトでのキルンベルガー調律法では,ミーントーン五度をCからEに4つ重ねた後,ピタゴラス五度をE⇒H⇒Fisまで上に,C⇒F⇒B⇒Es⇒As⇒Desは下に積んでいます(これが本当に正しい調律法かどうか,他のサイト等での裏づけは取っていませんが)。
質問者様の場合,ピタゴラス五度をE⇒H⇒Fis⇒Cis⇒Gisまで上に,C⇒F⇒B⇒Esまでを下に積んだのでしょうか。上記サイトではDes⇒FとAs⇒Cの二ヶ所が広い長三度ですが,このパターンだと,E⇒Gisだけですね。

どの部分にそれぞれの五度を配置するかにより,若干の違いは生じるにせよ,ミーントーン五度とピタゴラス五度の混合する,という発想による調律は,「ウェルテンパード(全ての調が演奏可能)」な調律であると考えてよいかと思います。上記サイトによれば,バッハの(いわゆる)平均律クラヴィア曲集で使われたといわれているヴェルクマイスターにもこの三度は存在することになります。

実際,この調律方法で生じる可能性のある広い長三度(最大で平均律+8セント,純正+22セント)は,ミーントーンで使用不可とされている長三度(平均律+28セント,純正+42セント)よりはずっと狭いですし,また,人間の聴覚の特性として,三度の濁りに対しては,五度に対してよりは鈍感なのかも,と思っています。
特に現代人は,十二等分平均律の広い長三度の響きに慣れていると思いますし,また,個人的な感覚としては,ミーントーンの五度でもちょっと気持ち悪いと思うこともあります。

なお,私自身は,この三度を含んだ調の演奏を(少なくとも意識的には)聴いたことがないので,私にとってこれが許容範囲内かどうかは分かりません。
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この回答へのお礼

>>この調律方法で生じる可能性のある広い長三度は,ミーントーンで使用不可とされている長三度よりはずっと狭い
おっしゃる通り、純正ミーントーンの広すぎる長3度のズッコケ(冗談みたいな響き)そうな響きよりははるかにマシですね。

>>現代人は,十二等分平均律の広い長三度の響きに慣れている
ピタゴラス3度は現代人には平均律3度とさほど違わないと思うかもしれませんね。

他のサイトや書籍でも検証しましたがどうやら回答者様のおっしゃる通り偶然キルンベルガー第3に酷似していました。しかしピタゴラス5度の積み重ね方が異なるようです。

P.S.
キルンベルガーは意図的にピタゴラス3度を持つ和音を二箇所配置したのかが興味深いです。

お礼日時:2007/11/21 15:48

ピタゴラス三度をウルフと捉えてしまうのはやや神経質すぎる嫌いがあるのではないでしょうか。

私はウェルテンペラメントにおけるこの三度を調ごとに異なる性格を形作る一つの「個性」として捉えています。
また、平島達司著「ゼロ・ビートの再発見 技法篇」東京音楽社にA.Werkmeister(1645-1706)はこの長三度音程を我慢出来る限界と考えていたという主旨の記述があります。

Tallisさんがおっしゃる音律はすでにJ.P.Kirnbergerが1744年に発表しているようでKirnberger 3: 1/4 synt. comma (1744)といいます。
C.P.E.Bachはもちろん、HaydnをはじめMozart親子やBeethovenもこの音律を使った可能性が高いでしょう。

参考URL:http://www.robertinventor.com/tuning-math/s___7/ …
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再びこんにちは。




私が思っている質問者さまが考案した調律法とキルンベルガーIIIとの違いは,キルンベルガーIIIの方がCis(Des)とGis(As)が2セント低い事で,つまり,

 ☆イ長調とホ長調の主和音は,キルンベルガーIIIの方がわずかに純正に近い
 ★変イ長調と変二長調の主和音は,タリス律(仮称,笑)の方がわずかに純正に近い

という事になるかと思います。

単なる憶測ですが,もしかすると,ピタゴラス三度の数の多い少ないではなくて,この辺りに理由があるのかもしれませんね。


p. s.
ところで,今回のご質問を受けて考えてみて,今さらながらに気づいたのですが,この類(たぐい)の調律方法を使うと,ハ長調⇒ト長調⇒ニ長調⇒イ長調と,主和音の響きが純正の澄んだ響きからだんだんと硬く鋭くなっていくのですね。(キルンベルガーだけでなく,バロック時代の主流といわれているヴェルクマイスターでも)
今までは,古典的な調律を用いる事によって調性感が生じるという考え方について,漠然と,十二等分平均律じゃなければそういう事があっても不思議じゃないかもな,という程度の認識でしたが,今日生まれてはじめて,なるほど! と思いました(大げさ?)。
以上,ご質問とは直接関係ありませんし,私の勝手な早合点かもしれませんが,なんとなくうれしい発見だったのでお知らせいたします(笑)
(フラット系に動いても同様に響きが変わるであろう事については,どう説明すればよいのかは分かりませんが・・・)
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この回答へのお礼

興味深い回答ありがとうございます。
あくまで推測ですがキルンベルガーは回答者様のおっしゃる通り既にタリス律を知っていてホ長調の主和音が悪い響きであるピタゴラス3度になってしまうのを問題視して、有名なキルンベルガー第3法を考案したのかもしれませんね。キルンベルガー第3法ならホ長調の主和音はピタゴラス3度より若干ましですからね。これでイ長調は綺麗に響きますね。
しかし今度は変イ長調の主和音がピタゴラス3度ですので変ホ長調のカデンツが若干固い響きになってしまいますね。

ひょっとするとイ長調は美しく、変ホ長調は固くというようなイメージをもとに考案された調律法なのかもしれませんね。

キルンベルガー第3法は1779年に発表されたのでこれ前後の著名な作曲家のピアノソナタなどのホ長調と変ホ長調の曲が持つ雰囲気やマッテゾンとグレトリーの調性格論の比較などがキルンベルガー第3法の考案の意図解明のカギとなりそうです。

参考URL
http://kcia.moe-nifty.com/moxam/cat5626435/index …

お礼日時:2007/11/22 18:00

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