音楽理論初心者です。
音楽理論の本を読むと、アドリブの際、キーがCでCMaj7のときは
Cイオニアンスケール、Dm7のときはDドリアンスケールが使える
などと書かれていますが、結局は全てイオニアンの開始音が異なる
だけで、それらを区別をする理由がいまいちピンときません。
DドリアンスケールといってもそれはCイオニアンと変わらないものと
思えてしまいます。
そう思えてしまうので、イオニアンスケールを使うのもドリアンを
使うのも区別ができないのですが、その辺りはどのようにして
考えればよいものでしょうか?
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
非常に多い質問です。
例えば、KeyCメジャーで、コードがDm7のときに「Dドリアン」を弾いても何の効果もありません。
同様に、KeyCメジャーで、コードがFのときに「Fリディアン」を弾いても面白くありません。スケールの呼び名は違いますが、使う音はCメジャースケールそのままなので、まったく普通のサウンドです。
アドリブの本には、KeyCメジャーで、転調もしていないのに、「コードはDm7、そしてスケールはDドリアンを使っている…」などと説明していますが、実際に出ている音は、「Cメジャースケール」と同じなので、わざわざ「Dドリアン」と解釈する必要はなく、「Cメジャースケール」でよいのです。(「Dドリアン」と解釈することが間違いといっているのではありません。)「Fリディアン」も同じです。KeyCメジャーなのに、「ここはFリディアンを使っている」、という分析は意味がありません。
「Dドリアン」が効果を出すのは、KeyがCメジャー以外のときです。
例えば、KeyDメジャーのときに「Dドリアン」を使えばインパクトがあることは想像できると思います。
あるいは、KeyCメジャーでFコードのときに、「Fリディアン」ではなく、「Fイオニアン」を使うのです。
「Aエオリアン」は、Amのナチュラルマイナースケールと構成音は同じです。同じなので、KeyAマイナーやKeyCメジャーのときのAmコードで「Aエオリアン」を使っても面白くもなんともありません。しっくり溶け込んで普通です。面白くするには、ここでこそ「Aドリアン」を使うのです。
「Aエオリアン」を使って効果があるのは、KeyEマイナーでのAmコードのときなど、双方の構成音、あるいは音階が一致せずにケンカをするときです。
理論書などでは、KeyCメジャーのダイアトニックスケールを示して各チャーチモードを説明していますが、それは、モードスケールの配列を説明しやすいからという理由であり、「KeyCメジャーのときには、それらを使え!」といっている訳ではありません。KeyCメジャーのときにそれら(の呼称)を使っても何の効果も意味もありません。(それらは結局Cメジャースケールそのものなので、当然です。)
No.2
- 回答日時:
件の理論書で具体的にどのように説明してあるのかが分からないので断言はできませんが、コード・スケールの割り出し方がそうなっている、と言っているだけだと思います。
調号を見れば、スケールは特定出来なくても、Keyは特定出来ます。調号とはKey Signature、つまりKeyを示す記号なのですから当然ですね(なのに平行調を無視してスケールと結びつけるKeyの用例が一般化しているのは由々しき事態です)。他方、コード・ノートが4声なら、スケールを構成するには(一般的に考える限りでは)3音足りません。その3音をKeyの構成音から補填することで、コード・スケールを割り出すことができます。
指定されているコードがKeyと整合的なダイアトニック・コードであれば、導き出されるコード・スケールはKeyが示す音程組織と一致しますが、指定されているコードが借用などの場合は、Keyとは一部の音がズレます。Keyと一致する範囲ではKeyそのものの一発ものとして処理できますが、そうではない場合は、その箇所だけ別なアプローチが必要になります――コード・スケールによる処理方法は、こんな感じになります。
こう言ったことを見分けるために、コード・スケールを判別する方法が、件の理論書では説明されているのではないでしょうか? なにしろ、モード自体はご指摘の通り、並べ替えでしかありませんから。Key C(Cメジャー・スケールないしAマイナー・スケール、平行調のいずれであっても構わない、というか、Keyで考える限りは平行調を区別する必要自体がない)でDm7が指定されていれば、コード・スケールは(トーナル・センターはルートに一致するので)Dドリアンになりますが、中身はKey Cです。ですから、違いがないといえば、全くその通り。Keyと整合的なダイアトニック・コードが続いているところでは、そのKeyの一発モノとしてまとめてしまうという処理方法ももちろんあります。十分速いテンポであれば、たいていこの方法でOKです。
ただ、非常にゆっくりしたテンポの曲の場合、Key CにおいてCM7が指定されているところで、Dドリアンをプレイすると、トーナル・センターが違うため、違和感を与える可能性はあります。こうしたことに留意して、理論書ではコード毎にコード・スケールを逐一説明するんだと思います。
その上で、質問者さんは十分テンポの速い曲の場合、コード・スケールに整合的な音は、無難な代わりに当たり前すぎておもしろみがない、コード・スケールを割り出す意味なんかない、と言うことを問題にしているのでしょうか? そこまで行くと理論の範疇を超えた、人それぞれの個性やテイストの問題ですから、理論書で扱うはずがありません。プロのアーティストによる教則本や教則DVD、トランスクリプションや奏法・フレーズ分析の本なら、その人その人の「個人的な」対処法が説明されますが、「理論書」は普遍的な事柄、少なくとも概ね当てはまる事柄を扱うわけですから、無難でおもしろみがない結果しか出てこないような説明しかしないのは、むしろ当然です。
ちなみに、コード・スケールは別名Available-Note Scale、使用可能な音から導いたスケール、ということです。「使用が義務づけられた」ではありません。とりあえずこれを弾いておけば破綻はしない、というものです。カッコイイかどうかは、理論が関与することではありません。もちろん、だからといって理論破りをした場合、人から「分からない」と言われるリスクも背負います(^_^;
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