今年から大学の法学部に進学することになったのですが、選択する第二外国語について悩んでいます。入学手続きがあるので、来週中に決めなければならないのですが、アドバイスをいただけないでしょうか。
選択できる言語はフランス語・ドイツ語・スペイン語・ロシア語・イタリア語・中国語・朝鮮語です。
選考基準は、優先度の高い順に
1、法学や政治学を勉強する上で役に立つ事。(海外の専門書を読む、インターネットで情報を集める、など)
2、将来、第三・第四の言語を習得する上で有利な事。(例えば、フランス語を学んでおけば、同じラテン系のスペイン語やイタリア語を学びやすい、等。)
3、文法や発音が習得しやすいこと。
個人的には、1、2の基準からいくとフランス語がいいかな?と思うのですが、3の基準も考慮するとスペイン語の方がよい気もして迷っています。(勉強したい!というやる気はスペイン語の方があるのです。将来、是非スペインや南米を旅行したいと思っているので。でも、スペイン語はちょっとマイナーな気もして・・。)
それと、学問したり海外旅行をする上で、「英語は通用しないが、フランス語orスペイン語は使える」というケースはどの程度あるものなのでしょうか?皆様の個人的な体験で結構なのでお聞かせください。ちなみに私は英検準一級を持っていて、読み書きはそれなりにはできますが、英会話は苦手です。
真剣に悩んでいます。どうぞアドバイスをよろしくお願い致します。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
法哲学を勉強していた者です。
優先順位1について述べれば、法制史、法理論、法哲学などを学びたいなら、ドイツ語だと思います。ヨーロッパ系の法理論は、英国法と大陸法に分類されるのですが、ドイツが特に重要です。
日本は大陸法の系譜に入る国です。ドイツからの具体的な影響としては、罪刑法定主義を真っ先に上げることが出来ます。これは、ドイツ人法学者のフォイエルバッハが提唱した概念で、そのまま日本に受け継がれています。犯罪とは、事前に刑法で明確に違法であると規定されているものだけをさし、民法と刑法の間に厳密な境界線を引いて、民法では条文の拡大解釈を許すが、刑法では拡大解釈を一切許容せず、刑法が改正されても過去の行為については責任を問われることはない、という重要原則です。アメリカは英国法なので、刑法をも民法の原理で運用することがあり、これが司法取引という、いかにもアメリカらしい制度につながっているわけです。日本人やドイツ人の感覚だと、「いいのか?裁判所が犯罪者と取引などして?」という発想になります。
ただし、フランス語も侮れないものがあります。ナポレオン法典の研究に興味を持つ人もいるでしょうから。また、ナポレオン法典がフランス語で書かれているのかラテン語で書かれているのかは、私は知りませんが、原則として、ヨーロッパ大陸法においては、ルネサンスの一貫として、ボローニャ大学でローマ法を再発見し、それを受容することで、法律がラテン語で書かれていた時期があるのです。この中世の大陸法を語る上ではラテン語が必須という要素を考えると、ラテン系のフランス語も悪い選択とはいえません。私の場合、ドイツ語の中にラテン語の単語が混ざっていることで、苦労しました。
優先順位2については、フランス語からスタートすると、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語のほか、ルーマニア語にも応用ができますし、既に述べたとおり、ラテン語が分かりやすいというメリットがあります。変わったところでは、アルバニア語は通常ラテン系に分類されませんが、あえて言えば、ルーマニア語に近いとされています。確かに、アルバニアに行った時の体験から言うと、発音の傾向が似ていて、柔らかい母音と鼻濁音の多用を特徴としており、フランス語に似ています。いままで聞いた中で、最も美しい発音の言語かもしれません(フランス人に叱られそうだ)。しかし、文法書を見てみると、代名詞などの重要単語が、あまりラテン系言語に似ているとは思えません。
ドイツ語からスタートすると、オランダ語、デンマーク語は全く問題ないほど習得が楽です。そもそもこれらの言語は、「低地ドイツ語」と呼ばれているのです。いわゆるドイツ語は、高地ドイツ語と呼ばれます。オーストリアもドイツ語圏で、多少の違いはありますが、ドイツ語と同じと考えて差し支え有りません。特徴は、イタリア・ギリシャ系借用語がぽろぽろ見られることです。スイスとリヒテンシュタインは、一応、ドイツ語ということになっていますが、発音が違いすぎて、現地人の話していることを理解するのは困難です。ただ、標準ドイツ語で話すと、現地人はそれを聞き取る能力があります。スイスではそもそも、標準ドイツ語を第1外国語として教えているのです。そのほか、北欧系言語にもドイツ語との類似性は指摘でき、私の知人女性の夫であるスウェーデン人によると、ドイツ語は30%理解できるとのことです。
優先順位3について述べれば、ドイツ語はフランス語のような難しい母音が少なく、子音をしっかりたてる点では、聞き取りや発音が楽だと思います。文法的にはどちらが楽かと言われたら判定は難しく、英語と同じゲルマン系言語であるドイツ語のほうが易しいとは言い切れない部分があります。そもそも、英語がゲルマン系言語の中でもかなり特殊な部類に入るので、英語のバックグラウンドがドイツ語に直接結びつくわけではありません。
とても詳しい説明をありがとうございました。外国語選択の時点からこれ程知的な営みをする事になるとは・・ますます大学の勉強への期待が膨らみます。
ドイツの法律が日本の法律に影響を与えているのは教科書的な知識として知っておりましたが、使える地域がフランス語やスペイン語に比べて限定される、という事で余りよく考えずにドイツ語を選択肢から外しておりました。今、認識が甘かった事をひしひしと痛感しております。
最終的には、近いうちに図書館に出かけ、フランス語・ドイツ語・スペイン語の入門書をよく見比べて決めようと思います。丁寧な説明を本当にありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
もし刑法を専門的に学ぼうとするなら(刑法学者になろうとするなら)、
ドイツ語を読めないとお話にならないので注意してください。
といっても、ドイツ語は簡単に習得できるらしいので、
大学では他の言語でも良いかもしれません。
No.4
- 回答日時:
第2外国語は大学院に行くときに必要になります。
大学院に行くなら、慎重に選んだ方がいいですが(受験科目にないのを選んだり、苦手なのを選んだりすると悲惨)、そうでなければ、たいていはちょっとかじりましたで終わります。
なので、自分にとって第2外国語がどの程度重要かを考えて決めるといいですね。フランス語かドイツ語が無難かもです。楽して単位が取れるのは中国語と言われてます。
ありがとうございました。
大学院に進むつもりは無いのですが、語学や海外旅行が好きなので、第二外国語も本気で習得しようと考えていました。しかし大学で学んだ程度では身につきませんか・・ちょっと残念。
独学で勉強することや、語学学校に通うことも視野に入れて考えてみます。
No.3
- 回答日時:
ありがとうございました。
「大学でちょっとかじった程度では役に立たない」という方が多いようで、これは相当覚悟して勉強しないといけないようですね。第二外国語ばかり勉強して、法学や英語の勉強がおろそかになっては本末転倒なので、他の科目との兼ね合いもよく考えたいと思います。
No.1
- 回答日時:
aoitori007さんのやる気にかかってきます。
どの言語を選んでもそれなりにメリットはあるが専攻学科、英語にくらべれば第二外語には限界があります。一般的に深く悩むほど、ものにすることは出来ないと思います。
専攻との関係でフランス語が役立つと思うならフランスが選択すればいいでしょう。 フランス語は文法・発音ともに他のラテン系姉妹語より難しいので後でスペイン語、イタリア語などを学ぶ場合、やさしく感じるでしょう。
スペイン語を選択した場合は公用語とする国が20カ国、話者が4億人近いので英語についで実用性があります。 他にアメリカ、プエルトリコ、キュラサオ(カリブ)、ベリーズ(中米)、モロッコ、ポルトガル、ブラジル、イタリアなどでもある程度通じるので旅行には力を発揮しますよ。 アメリカではヒスパニックと呼ばれる中南米系の人口が増え続けており、すでに黒人を抜いて少数民族の第1位の座を占めています。 2050年までには人口の50%を超える州が4-5州になるといわれます。(ニューメキシコ、カリフォルニア、アリゾナ、テキサスなど)、
第二外国語にあまり時間をかけず専攻に集中したいという人は先輩の意見も聞いて単位が取り易い言語を選択するという手もあります。将来第3、第4の言語を学びたいと思う人は今あれこれ悩まず専攻に役立つ言語又は学び易い言語にすればよいと思います。
とても参考になりました。ありがとうございました。
実は大学から第二外国語の選択についてパンフレットが送られてきまして、その中でスペイン語の紹介文がとても面白く、きっと明るい先生がいらっしゃるのだろうなぁ、というのもスペイン語を選ぼうかと思う動機になっています。
「英語にくらべれば第二外語には限界」があるのならば、こういう基準で選ぶのもアリでしょうか。高校の先輩などを通じて(私と同じ大学に行った人を2人知っています)情報収集してみますね。
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