レンチウイルスベクターでの遺伝子導入とそのコピー数
レンチウイルスベクターを用いて遺伝し導入し,ある遺伝子の定常発現細胞株を作っています。実験自体は簡単ですから何の問題もないのですが,レンチに関する知識についての質問です。
非常に高い発現量を確保できるレンチウイルスベクターですが,なぜ高い発現量が安定に出し得るのでしょうか?一般的にレンチウイルスベクターでは1-2コピーしかゲノムに組み込まれないとされているのですが,Lipo系のtransfectionをして得られたstable細胞株よりも発現量は高いですよね?
このことについて何か情報・詳しい文献はありませんか?また,レンチウイルスベクターでの遺伝子導入は本当に1-2コピーしか入らないものなのでしょうか?そこも通説として聞いているだけで,実際に文献は読んだことがないので・・・
みなさまよろしくお願いします。
>非常に高い発現量を確保できるレンチウイルスベクターですが,なぜ高い発現量が安定に出し得るのでしょうか?
>Lipo系のtransfectionをして得られたstable細胞株よりも発現量は高いですよね?
細胞への遺伝子導入方法は多々ありますが、私の経験から申し上げて、
上記のことについて私は一般的であると思いません。
質問者さんが、もしそう感じていらっしゃるのであればそれはレンチウイルスベクターの次の特性がそう思わせているのかもしれません。
1、分裂していない細胞でも導入可能である
レンチウイルスベクターはHIVをもとにして設計されたシュードタイプのウイルスであり、
他のレトロウイルスは分裂した細胞のゲノム組み込まれやすいのに対して、分裂をしていない細胞のゲノムへの導入が可能です。
2、遺伝子はゲノムに組み込まれる(プロウイルスになる)
レトロウイルスとレンチウイルスではゲノムに組み込まれます。
アデノウイルスベクターではゲノムに導入されません。
また、リポフェクタミン等での遺伝子導入では、ゲノムへの導入は偶然に近いものがあります。
そういう意味で、レンチウイルスベクターでは、多くの細胞でゲノムへの遺伝子導入の確率が高いため、高発現であると質問者さんはかんじているのかもしれません。
しかし、私の経験では、それはあくまで汎用性が高いということであって、すべての遺伝子、すべての細胞において高発現になるとは限らないと思います。
細胞によっては他のレトロウイルスのほうがいい場合もあります。
また、リポフェクタミン等で遺伝子導入した細胞から、遺伝子によってはレンチウイルスベクターより高発現の細胞を単離することは、問題なくできます。
しかし、クローニングに時間がかかることと、遺伝子によっては細胞が増えてこない等の問題が出やすい時もあります。
>レンチウイルスベクターでの遺伝子導入は本当に1-2コピーしか>入らないものなのでしょうか?
私はそう聞いたことがありません。必ずしもそうではないと思いますが・・・。詳しい出典とかは私も知りません。
この回答への補足
どうもありがとうございます。
ご指摘の通り、一般的というのは言いすぎですね。失礼しました。
>そういう意味で、レンチウイルスベクターでは、多くの細胞でゲノムへの遺伝子導入の確率が高いため、高発現であると質問者さんはかんじているのかもしれません。
数種類の細胞株で試しましたが、リポフェクタミンやfugeneでtransfectionし、single cell cloningで最も発現量の高いものをセレクションしたとしても、いずれの場合においてもレンチウイルスベクターを用いて感染させたbulkの細胞の方が、発現量は高いです。single cell clone(導入確率100%)よりも強いので、確率的な要素では無い様に思います。当然promoterは同じものです。
>また、リポフェクタミン等で遺伝子導入した細胞から、遺伝子によってはレンチウイルスベクターより高発現の細胞を単離することは、問題なくできます。
そういう例もあるんですね。導入する遺伝子によるものなのでしょうか。
>リポフェクタミン等での遺伝子導入では、ゲノムへの導入は偶然に近い
ええ、昔はstable lineを作るといえば本当に力仕事でした。
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