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アルケンに次亜塩素酸が付加するとクロロヒドリン体が得られます。
R2C=CR2 + HClO  →  R2C(Cl)-(HO)CR2
          Acetone/H2O

次亜塩素酸は水中で HClO ⇔ H+ + -OCl と解離するらしい
ですが、なぜH+ がアルケンに求電子付加して、-OClがアニオンとして
攻撃しないのでしょうか?
つまり、R2C(H)-(OCl)CR2 とならないのはなぜでしょう??


      

A 回答 (4件)

この反応について、速度論的と熱力学的とかいう議論は当てはまりません。


>次亜塩素酸は水中で HClO ⇔ H+ + -OCl と解離するらしい
という前提に間違いがあるからです。

次亜塩素酸は、
HClO → Cl^+ + HO^-
とハロゲンカチオンが生じ、これが二重結合に付加してハロニウムイオンができ、ついでHO^-がトランス付加してハロヒドリンを与える。
有機化学の教科書にはこのように説明してあります。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
次亜塩素酸は水中で H+ + -OCl と解離するは間違いなんですか?
wikipediaには、次亜塩素酸は水中では一部がH+ + -OCl と解離するとありましたので、そうなのかなと思ってしまいました。
http://en.wikipedia.org/wiki/Hypochlorous_acid

お礼日時:2008/04/17 21:44

No3です。


追加ですが、
RCONH2 + HOCl → RCONHCl + H2O
の様に、アミドのNのクロル化が起こります。
このことからも、Cl^+が考えられています。
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化学反応には熱力学支配と速度論支配の反応があります。

その両者の結果が一致する場合もあれば逆になる場合もあります。
注意が必要なのは、熱力学支配かどうかということが議論の対象になる(すなわち生成物の安定性とかエンタルピーでの議論が成り立つ)ためには、反応が可逆である必要があります。非常に常識的な判断として、R2C(H)-(OCl)CR2が生じた場合に、それがアルケンに戻るような逆反応は考えにくいです。基質にもよるでしょうが、C-H結合の切断が起こるとは考えにくいからです。また、元の二重結合と別の位置に新たな二重結合が生じる可能性もあります。だとすれば熱力学支配で考えるのは無理があり、反応速度(あるいは反応の活性化エネルギー)で議論すべきものであると思います。
すなわち、この場合には、クロロヒドリンを生じる反応の方が速いと考えるのが良いでしょう。その理由を考えれば、HOClにおいて、Cl原子は電気陰性度の大きい酸素と結合しているためにδ+をもっています。しかしながら、Cl自身も電気陰性度が大きい元素なので、δ+をもっている状態というのは好ましいものではなく、結果的にHOClが不安定である、あるいは反応性が高いということになります。
こうした状況のもとでのアルケンとの反応となると、Cl原子がアルケンのπ電子を求電子攻撃することによって反応が始まります(求電子付加)。その過程で、R2C(Cl)-C^+R2 で表されカルボカチオンが生じます。こうなることによって、Cl上のδ+が一応解消され、生じたOH-も安定ですので、進みやすい過程(反応)であると考えられます。結果的にクロロヒドリンが生じることになります。

以上、長くなりましたが、H+による求電子攻撃よりも、HOCl分子中のCl原子による求電子攻撃の方が速いからということになると思います。なお、HOClはさほど強い酸ではありませんので、HOClとして存在するものの方がClO-よりも多いと思います。これは調べていませんが。
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この回答へのお礼

詳しいご説明ありがとうございます。なるほど反応速度で議論する方法もあるんですね。

お礼日時:2008/04/17 19:46

単純に「熱力学的に安定なものが出来る」だけです。


つまりa)C-H一個とC-OCl一個が出来るより、b)C-OH一個とC-Cl一個が出来る方が生成エンタルピーの絶対値が大きいから。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。単純に安定なものが生成すると考えればそうなりますね。

お礼日時:2008/04/17 19:31

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