アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

こんにちは。
新聞のGDPに関する社説を読んでいて、「前期比0.8%実質成長のうち、0.5%分が外需となっている。これでは持続的ではない」とあったのですが、なぜ持続的でないのでしょうか?
できるだけわかりやすい説明をよろしくお願いします。

A 回答 (2件)

アメリカとアジアによる需要の維持。

外需によるというのもやはり不均衡もの。またアメリカ・アジアも少し前不安が多く、ということじゃないでしょうか。
    • good
    • 0

私は景気指標を注視しているわけではないので、


いい加減な情報で、かつ分かりにくいかもしれませんが、一応。

■値が高すぎるから持続可能でない?
2008年1-3月の経済成長率は、前期比の季節調正値で0.8%、
これは年率換算すると3.3%と極めて高く、
企業や消費者の景気減速感に反して、
経済成長率は1年ぶりの高い値を取っています。
(この値自体もまた修正されるかもしれませんが)
このような成長率が実感に反しているという
単なる感情的反発もあるでしょう。
まあともかく、今後このような高成長が続く可能性は低いわけです。

ただ、景気予測というのは非常に困難なものであり、
「持続的ではない」と新聞が書いたところで、
先のことがどうなるのかは断定することはできません。
何がどのように持続的でないかという解釈が問題です。
成長率はどのような時でも持続せずに上下するものであり、
持続したら景気循環ではなくなります。
ある時期の外需の寄与度が-0.5%でも0.0%でも0.5%でも、
次の時期には異なる値を取る可能性が高いから、
どんな時期でも「持続的ではない」とはいえます。

■外需の寄与が大きすぎる?
経済成長率は、内需と外需の寄与に分けられます(1)。
内需はさらに、実感の支出能力に近い民間消費と、
民間住宅、企業の設備投資と、政府の支出、在庫品増加などに分けられます。
外需は輸出マイナス輸入です。
一般に国内の景気の好調な時は内需が伸びますが、
内需が伸びない時は外需への依存が大きくなる傾向があります。

ここ数年の経済成長は外需の寄与が大きくなっているのですが、
国内の民間消費よりも遙かに規模の小さい輸出が、
そんなに成長率を引っ張っているのは大き過ぎたとも見れます(2)。

生活感覚としては、輸出が伸びても、給与水準が伸びて、
家計の消費が伸びなければ経済成長の恩恵を味わえないわけです。
そういう意味では、ここ数年は、給与水準が下がり、
民間消費が伸び悩む傾向が問題視されていました。
2008年1-3月期の民間消費は大きく伸びていますが
閏年で日数が多いためという要因もあり、
これが持続できなくないかというのも気になります。
また、この時期には2007年の日本経済の重石となっていた
民間住宅投資が回復に転じていますが、4-6月以降はどうか。
これらの値がどうなっていくか、今後を見ていく必要があります。

■民間企業設備投資の懸念
景気に対して敏感に上下すると考えられている
企業設備投資がマイナスとなっています。
一四半期の1つのデータだけで判断することはできませんが、
原油・資源高、さらに下記の世界経済の減速や円高リスクを受け、
企業の収益が悪化し、設備投資が減少することが、
景気にマイナスの作用となる懸念は大いにあります。

■外需主導の成長を支えた経済環境が崩れる?
外需の高い伸びは、2000年以降に進行した円安と(3)、
アメリカや中国・アジアの経済環境に依存していると考えられます。

為替レートは下がったり上がったりを繰り返すものなので、
下がった後は上がる方向で修正される可能性がある点、
アメリカでドル安がさらに進む可能性があることなどから、
ここ数年の景気を支えた円安の環境が収縮する可能性があります。
ただ、あくまで「可能性」で、今後どうなるかは分りません。

なお、円高の進行が経常収支を悪化させる効果は、
何ヶ月か遅延して出てくると考えられており、
円高の直後に輸出が好調だからといって安心することはできません。

今年の世界経済は不確実性が大きくなっています。
アメリカは金融面の動揺が実体経済に波及してきており、
中国もインフレ抑制のため実体経済が悪化する可能性があります(4)。
原油価格も、ここ半年で特に異常な暴騰となっています。

ただそれでも、外需主導の成長は終わるとか
簡単に断定することはできないはずです。
先のことは未来になってみなければ分かりません。

(1)経済成長率の寄与度(内閣府より、四半期・実質・季節調整値)
2008年1-3月 成長率0.8%=内需0.3%+外需0.5%
2007年10-12月 成長率0.6%=内需0.3%+外需0.3%
2007年7-9月 成長率0.3%=内需-0.2%+外需0.5%
2007年4-6月 成長率-0.6%=内需-0.8%+外需0.1%
2007年1-3月 成長率1.1%=内需0.7%+外需0.4%
2006年10-12月 成長率1.1%=内需1.0%+外需0.1%
2006年7-9月 成長率0.2%=内需-0.2%+外需0.4%
2006年4-6月 成長率0.7%=内需0.7%+外需0.0%
2006年1-3月 成長率0.5%=内需0.3%+外需0.1%

2008年1-3月 内需の内訳
民間消費0.5% 民間住宅0.1% 民間企業設備-0.1% 政府消費-0.1% 政府投資0.1%
2007年10-12月 内需の内訳
民間消費0.2% 民間住宅-0.3% 民間企業設備0.1% 政府消費0.1% 政府投資0.0%
2007年6-9月 内需の内訳
民間消費0.0% 民間住宅-0.3% 民間企業設備0.1% 政府消費0.0% 政府投資-0.1%
2007年4-6月 内需の内訳
民間消費0.1% 民間住宅-0.2% 民間企業設備-0.5% 政府消費0.0% 政府投資-0.2%
2007年1-3月 内需の内訳
民間消費0.3% 民間住宅-0.1% 民間企業設備-0.2% 政府消費0.1% 政府投資0.1%

(2)国内総生産(名目)の内訳(内閣府より、2007年)
国内総生産 516兆円
=内需507兆円 + 外需9兆円(=輸出91兆円 - 輸入82兆円)
内需507兆円
=民間消費294兆円 + 民間住宅17兆円 + 民間企業設備81兆円 + 政府消費91兆円 + 政府投資21兆円 + 在庫品増加

(3)実質実効為替レート…円安の終わりの可能性?
(日本銀行より、29ヶ国通貨に対するインフレ補正済みの為替レート、
1973年3月=100とする指数、数字が大きいほど円高)
2008.04 101.5
2008.03 103.6
2008.02 98.7
2008.01 98.4
2007.12 95.9
2006.12 98.8
2005.12 103.0
2004.12 119.9
2003.12 123.7
2002.12 117.8
2001.12 121.4
2000.12 135.0
1999.12 148.1
1998.12 130.8

(4)経済成長率の見通し例(IMFより)
アメリカ (2006)2.9%(2007)2.2%(2008推定)0.5%(2009推定)0.6%
中国 (2006)11.1%(2007推定)11.4%(2008推定)9.3%(2009推定)9.5%
日本 (2006)2.4%(2007)2.1%(2008推定)1.4%(2009推定)1.5%
    • good
    • 0

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!