No.2ベストアンサー
- 回答日時:
体細胞分裂の実験での操作との事ですから、高校生の生物の問題と判断いたします。
なので、それについてのアドバイスを。大学入試の記述問題である場合、解答欄の大きさによりますが、大抵要求されている答えは
カルノア液→「細胞を生きているときになるべく近い状態で固定するため」
塩酸→「細胞同士を解離させばらばらにするため」
です。
何故そのようなことをしなければならないのかを補足させていただきます。
カルノア液での固定。
細胞分裂の実験に関する問題に限らず、生物では「時間」が問題になるものが多いですね(例:酵素反応の実験。何分後に分解反応がどれだけ進行しているか、など)。細胞分裂でも同様です。ある操作を行ってからたとえば5分後に、どれだけの数の細胞が分裂期に入っているか、などという事を確かめなければならなかったりします。
このとき、折角時間を計って観察していても、プレパラートを作っている間にさらに反応、分裂が進行してしまっては正確な実験結果が出てきません。そこで、完全に生体反応を止めるために固定を行うのです。
塩酸での解離。
細胞は基本的に透明です。ものによっては色素も持っていますが、細胞の大部分は透明なもので占められています。染色しても細胞質基質などの染まっていない部分は無色透明に近いです。ですので、細胞が重箱のように何段にも重なっていたのでは、下の段の細胞が透けて見えて、細胞内の構造が観察できません。よって、全体を一段にするために解離させ押しつぶします。
余談ですが、細胞分裂の途中経過の観察は死んだ細胞でも事足りるため上記のような作業を行います(勿論動いている染色体などは見られませんが)。しかし、原形質流動などの生きている細胞が行うはたらきを見るためにはこのような作業は行えません。染色も普通プレパラートを作る際に用いる酢酸オルセインや酢酸カーミンは細胞を殺すため使用不可です。その場合は染色しなくてもよい細胞を使うのです。原形質流動の観察ではオオカナダモの葉がよく使われます。葉緑体だけは染色せずともクロロフィルなどの色素を含むため緑色に見えます。これを生きたまま顕微鏡で見ると、液胞にそって動いてゆくのが確認されます(ただし液胞は透明でほとんど見えませんが)。
以上です。長くなってしまいました。。。
No.1
- 回答日時:
植物細胞を観察するためには,下記のような操作が必要です。
(1) 固定
タンパク質を凝固させて形態が変化しないようにします。
固定液 カルノア液・ホルマリン・酢酸等
(2) 解離
固まりでは,顕微鏡で観察できませんから,細胞をバラバラにします。
解離液 塩酸(一般には加熱します)・ペクチナーゼ(ペクチンを溶かし解離します)
(3) 染色
カーミン・ヘマトキシリン等で染色します。
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 生物学 高校一年生の生物の質問です! 1 2022/10/26 23:05
- 生物学 細胞分裂について 細胞分裂の際、有糸分裂のあとに起こる細胞質分裂が起こらずに、有糸分裂が繰り返される 1 2022/05/11 15:24
- 生物学 浸透圧の問題 3 2023/06/08 16:57
- 生物学 体細胞分裂と減数分裂は何が違うんですか? 2 2022/10/01 17:36
- 化学 呼び塩と浸透圧の関係が分かりません。教えてください。 2 2022/07/05 08:42
- 生物学 体細胞分裂で分離するのはどのような染色体ですか? 1 2022/07/28 13:23
- 生物学 減数分裂について 3 2023/01/20 12:37
- 生物学 理科についての些細な疑問です。 遺伝の規則性というメンデルさんのエンドウの実験があったと思います。丸 3 2022/08/27 16:53
- 生物学 減数分裂は子孫を残すときにも行う細胞分裂なのでしょうか? 4 2022/04/25 07:31
- 生物学 細胞死について 細胞内の組織の分解が、その同じ組織の構築と修復と同様に能動的な生体現象であるのなら、 1 2023/04/01 20:03
このQ&Aを見た人はこんなQ&Aも見ています
おすすめ情報
このQ&Aを見た人がよく見るQ&A
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
ATPase染色について教えてください
-
蛍光免疫染色画像の蛍光Intensi...
-
相同染色体の対合とは何でしょ...
-
ImageJを用いて免疫染色陽性率...
-
[魚・マウス初期胚]体スケス...
-
グロコット染色について
-
免疫染色を分泌蛋白で検出でき...
-
染色について
-
透明標本の、軟骨染色に関して
-
植物の維管束の染色に使うフロ...
-
マウス臓器の保存
-
光学顕微鏡で可視的なDNAの大きさ
-
タマネギの根の細胞分裂の観察
-
細胞膜の透過性と原形質分離に...
-
SYBR Goldの持ち時間
-
Nissl染色
-
チール・ネルゼン染色とか蛍光染色
-
免疫染色結果のプレゼンテーシ...
-
ウェスタンブロットのサンプル...
-
アンピシリンの失活温度について
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
ImageJを用いて免疫染色陽性率...
-
染色質=染色体でいいのでしょ...
-
試料、標本、sample, specimen
-
酢酸カーミンとアセトカーミン
-
免疫組織染色とDAPI について
-
酢酸オルセイン液は・・・
-
植物の維管束の染色に使うフロ...
-
染色についての疑問なのですが...
-
ライト・ギムザ染色について
-
顕微鏡1000倍率で見えるおもし...
-
サフラニンでの染色について
-
Nissl染色
-
トルイジンブルー染色とは
-
エステラーゼ染色について・・・
-
NADH染色について
-
マウス臓器の保存
-
遺伝子座の表示の仕方について
-
メイギムザ染色の理論について
-
セレガー染色液について
-
蛍光免疫染色画像の蛍光Intensi...
おすすめ情報