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PBSやHEPESといったバッファー溶液は単にpHが変わりくくするための溶液と考えて良いのでしょうか?
PBSやHEPESなどいくつかの種類があるようなのですが、
どうやって使い分けをすれば良いのでしょうか?
よろしくお願い致します。

A 回答 (2件)

まず、細かい点から


PBSとはpH調整したリン酸バッファー(phosphate buffer)にミネラル(塩)などを加えて生理条件下のイオン濃度にしたものです。
HEPESは緩衝液に用いる有機化合物です。


基本的には、リン酸バッファーやHEPESバッファーはpHが変わりくくするためと考えて問題ないです(リン酸バッファーの場合はより生理条件化に近づけるという意味合いもありますが)。

使い分けについては、結構適当です (笑 参考論文と同じにしとけば問題ないかと
ただ、タンパクなどを使う場合には、構造が変化して活性が落ちる場合があるらしく、リン酸バッファーはあまり用いません
また、HEPESはオートクレーブで分解するという話なので、細胞にはあまり使いません。


大まかに言って
リン酸バッファーorPBS→細胞培養、in vivo
HEPES→in vitro、生化学
と言ったところでしょうか
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“PBSやHEPESといったバッファー溶液は単にpHが変わりくくするための溶液”かどうか解りませんが、“バッファーはpHを変わりくくするための溶液”です。

酵素反応などの時に使用します。
 PBSは緩衝液というより生理食塩水の方に使う時の比重があると思いますので、リン酸緩衝液として話します(生理食塩水は、PBSの他トリス緩衝生理食塩水とかとかHEPES緩衝生理食塩水とかいろいろ用いられてます)。
中性付近に緩衝作用のあるものとしてリン酸とトリス(Tris(hydroxymethyl)aminomethan)が有ります。他にはGoodらが中性付近に緩衝作用があって、生化学の実験に使える物として発表した、HEPESとかMOPSとかのいわゆるグッドバッファーがあります。
 これらバッファーのどれを使うかというは、私は論文に書いてあったからそれをまねすると言うのが多いです。あまり自分ではどれにしようなどと考えませんが、考えた時に参考にする各緩衝液の特徴を簡単に書きます。ただ、私は物理化学苦手ですのでおかしな所が有るかもしれません。

リン酸バッファー、良い緩衝液だが、使いにくい時が多い。かならずしも使えないと言うわけではないが、例えばカイネースやフォスファターゼの反応をする時、ATP等の核酸を使用する時、あとリン酸化タンパク質等を使う時にも少し大丈夫かどうか考えるでしょうね。それから、カルシウムイオンやマグネシウムイオンが含まれる時、リン酸は配位結合を作りやすいのでそれに対する注意が必要といろいろややこしいことが多い。それで、トリスとかグッドバッファーなどが考案されたわけです。リン酸緩衝液は温度が変化してもpHがあまり変化しない(pH標準液に使用されている理由)ので、温度変化を伴う実験の時には有用。希釈するとpHが変わるので多少使いにくい。
トリス、一番生化学で多用される緩衝液。細胞毒性が高いので、培養細胞に用いられることはない。温度が変化するとpHが結構変化するので、温度変化を伴う実験には不向き。希釈してもほとんど変わらないので、濃いのを作っておいて希釈して使えるので便利。
HEPES、使えるpHはトリスと大体重なる(少しこちらが低い)が、値段がトリスに比べてべらぼうに高い(たいていのグッドバッファーは高い)のでトリスを使えない時に使用する。細胞毒性が低いので培養細胞の培地に入れて使われることが多い。CO2だけに緩衝作用を頼るものよりHEPESも入れることでpH変化はだいぶ少なくなる。例えば、クリーンベンチなどで作業する時。CO2だけだとあっという間にCO2が抜けて、培地がまっかっかになるがHEPES入りのもは結構耐えてくれる。温度変化に対するpH変化は、リン酸より少し大きいがトリスよりはだいぶ小さい。希釈に対しては強い。
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