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紫式部日記(日本紀の御局)の一節。
「…え、知りはべらぬ心憂きしりう言の、多う聞こえれはべりし。…」
の最後、『はべり“し”』はなぜ『し』なのでしょうか。

過去の助動詞「き」の連体形だと思うのですが、係り結びでしょうか?
係詞がないようですが…。
どう解釈すればよいでしょうか。どなたかご教授ください。

A 回答 (1件)

ご質問にお答えします。



連体形の用法の一つに「連体形止め」というのがあります。
「連体形止め」は、「係り結び」とは関係なく、文末をあえて連体形で止めることで余韻・余情、詠嘆を表すものです。この「連体形止め」は、平安時代までは会話文および和歌で用いられました。
雀の子を犬君(いぬき)が逃がしつる(源氏物語・若紫)
これは会話文の例ですが、文末の「つる」は、助動詞「つ」の連体形で、「連体形止め」になっています。

「え知りはべらぬ心憂きしりう言の、多う聞こえれはべりし。」
の「し」はおっしゃるとおり、助動詞の「き」の連体形です。上に係助詞もないのに、文末が連体形になっているのは、上記「連体形止め」とお考えになればよいでしょう。

「え知りはべらぬ心憂きしりう言の、多う聞こえれはべりし。」
この部分は「地の文」なのに「連体形止め」が使われるのか、という疑問をお持ちになるかもしれませんが、「紫式部日記」という日記全体が、紫式部自身の発言そのものと見て、会話文に準じて考えればよいでしょう。この部分が準会話文である証拠に、会話文特有の表現とされる「はべり」が使われています。

余計なことですが「締め切り」をお忘れなく。
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この回答へのお礼

丁寧なご回答、ありがとうございました!
とても助かりました。
また、「地の文」のご説明までありがとうございます。ご指摘がなければまたそこで悩むところでした・・・。

ありがとうございます!

お礼日時:2009/02/11 20:56

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