日常で切れ味と言えば、鋏、包丁、割れたガラスぐらいしかおもいつきません。 これらの切れ味については大体想像がつきます。
けれど、日本刀の切れ味、鋼線の切断力などは一切理解できません。
刃に向けて落下させただけで、果物が両断される。触れただけで指から血が出るアンカー(錨)。鋼線に至っては人体が分断される。どちらも漫画の世界でしょうが、鋼線では巻き付く→両断可能が多数です。
これは何年も前に聞いた話ですが― マグロ漁で用いていた釣り糸が、マグロが暴れて、釣り糸と乗っていた船に体が挟まれて、そのまま漁師は二つになってしまったということがあったそうです。これはマグロ自体の力が並ではないためだろうと想像できますが。
切るために用いる力ではなく、切れ味。使用者がほとんど力も加えずに切断可能な切れ味とは一体どういったものなのでしょうか? 正直に言うと包丁以上の切れ味というものを余り信じてはいませんが。実際に見たことないですし、例え見たとしてもガセだと思ってしまうでしょうし。
No.1
- 回答日時:
No.2
- 回答日時:
印刷機って、ご覧になったことはありますか?
紙が高速で送られるのですが、結構、切れ味は良いですよ。紙で指を切った経験はあるかと思いますが、あれの派手なヤツです。
切れ味でいうと、鎌鼬という現象を調べてみても面白いかもしれません。着られたことに気付かないくらいの鋭さはあるそうです。
回答ありがとうございます。言われてみると、紙で指を切る、がありましたね。本で指先を切ることもあれば、草に触って同様のこともあるでしょうし。
印刷機から高速で紙が出てくるのはよくわかりませんが。普通に印刷された紙が出てくるだけのような気がします。
鎌鼬、つむじ風の発展型でしょうかね。実際にはそこまで切れずに、ただ乾燥した肌が切れちゃうだけのようです。ちょっとショック。
No.3
- 回答日時:
No.4
- 回答日時:
「切れ味」は、「圧力」と関係があります。
「圧力」は、単位面積当たりにかかる力を意味しますが、刃物の先端は正にこれに関係します。
つまり、切れ味の良い刃物の先端ほど尖っていて(面積は限りなく0に近い)、圧力が大きくなり、切られる材料に食い込むわけです。
刃物の先端の面積を小さくするためには、できる限り尖らせる必要がありますが、尖らせると肉薄となり強度が落ちるために弱くなります。
肉薄となっても強度を保つ(限度はあるが)ためには、刃物を構成する組織の粒度を小さくし、結合度を上げることである程度強度を保つことができます。
たとえば組織の粒度が「パチンコ玉」くらい大きかったとしましょう。パチンコ玉をたくさん集めて接着剤などで固めて刃物のような形を作ったら、刃の先端の尖り具合は、いくら尖らせてもパチンコ玉1個の大きさとなり、面積が大きく圧力を高くできません。そんな刃物を振り回されても、物を切ることはなかなか大変だと言うことがわかると思います。
ところが、組織の粒度が「小麦粉」くらい小さくなると、かなり鋭利な刃物が作れることが想像できると思います。理論上、刃の先端の大きさ(面積)は、小麦粉1粒の面積となるため、ほんの少しの力がその小さな面積に集中されるために圧力は大変高くなり、皮膚に当たれば、その圧力によって切られてしまいます。
日本刀はご存知かと思いますが、職人が時間をかけて「鍛える」と言われる作業をします。これにより、日本刀に使われている金属の組織は小さく緻密に結合します。そこへ刃を付けるわけですので、大変鋭利で強い刃物になるわけです。
ガラスの組織も大変小さいです。そしてガラスは大変固い物質です。ですからガラスは大変鋭利な刃物になるわけです。
鋼線(ワイヤ)は刃物ではありませんが、始めに書いたように切れ味は圧力と関係があります。ワイヤの径が細くなると、面積が小さくなるので少しの力でも圧力は大変大きくなります。
たとえば人の皮膚がその圧力に耐えられなくなると、刃物ではないワイヤであっても、皮膚に食い込み、結果として「切れる」となるわけです。
ですのでマグロの件は、まったくのデタラメではありません。可能性は十分あります。
紙の縁で手を切る現象は、包丁で刺身を切るときに包丁を前後に動かす現象と同じです。
人は無意識のうちに包丁を前後に動かして、切れ味をさらに良くしようとします。これは、見掛け上、刃の角度が鋭くなるからです。
このような包丁はありませんが、仮に刃の角度が45度の包丁があったとしましょう。もちろん切れ味は大変悪いことは想像できますが、この包丁を使って物を切るときに前後に動かして切ろうとするとき、この包丁が動いた軌跡の線で包丁の刃を切ってみると、見掛け上、刃の角度が45度より小さくなるので、鋭利な刃を持つ包丁へ変化させることができるわけです。
この現象と同じ理由で、刃ではない紙の縁で手が切れるわけです。
回答ありがとうございます。
紙の例が示すことは以下のことでよろしいでしょうか。
平らな面を180度として、45度の刃先で一度切る。すると180度の面は315度になる。すると45÷180=0.25が45÷315=0.14となり、X÷180=0.14→X=25.2。つまり平らな面で斜面25.2度で切るのと同じである。
No.6
- 回答日時:
No5です。
言葉が足りませんで失礼いたしました。素人考えですが、引きちぎりと書いたことに続けさせていただきます。切られるものと刃の間にひっかかりができないと切れないのではないかということです。つまり刃が動いているとき切られるものの方もある程度一緒に動いていって、切られるものの弾性の限界のところでぷつっと戻る時に切られるという現象が起こるのではないかということです。紙で手を切ったときなど切られる皮膚のところで、この摩擦というか引っ張られる感じがします。ゾロっという感じという表現になりますが、圧迫より引っ張られう感じです。これは刃が皮膚を引っ張った限界で引きちぎられたようなものかという意味でした。逆説的ですがミクロのレベルではよく切れる刃物の刃はのこぎり状になっているのではないかと想像しました。再度回答ありがとうございます。
摩擦と弾性の関係。確かにそれもあるのでしょうね。
とある小説の台詞。
力なんていらない。摩擦力。圧力引力重力磁力。張力応力抵抗力弾性力遠心力向心力。作用反作用、滑車の原理に振動原理。跳ね返り係数と摩擦係数――この世界は力で満ちている。自分が力なんか持たなくとも (一部個人的改編あり)
No.7
- 回答日時:
No4さんの角度の話はそういうことではありません。
刃を垂直に下ろす(赤)のと、前後に動かして斜めに動かす(青)のを比べた場合、切られるものの上のある地点が動く線を刃に描いた場合、斜めに動かした方(β)が垂直に下ろした場合(α)よりも、刃の角度が見掛け上鋭く見えるという説です。
これは昔読んだ本に書いてあって当時は感心していたのですが、今は信じていません。
物に食い込む刃の角度は垂直に下ろそうが斜めに下ろそうが結局元々の刃の角度で変わりありません。ある一点に注目して見ても、同じ角度で食い込まれながら横滑りがあるかないかの違いだけです。
刃を前後に動かすとよく切れる理由はノコギリが物を切るのと同じで、細かい歯(not刃)で被切削物を削り取る(あるいはNo5さんの言葉でいえば引きちぎる)ためだと思います。
回答ありがとうございます。
なるほど。図を見ると、面に食い込む角度が鋭くなっているのがわかります。刃を動かすということは、要するにこの角度を小さくする無意識動作なんですね。
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
No,4です。
No,7様、わかり易い絵を入れて説明していただき、ありがとうございます。正に書いていただいた絵の通りです。
しかしこの理屈は、産業界の広い分野で応用されています。事実です。
例えば金属加工の業界ですが、今では「高速加工」と言う加工方法で、焼き入れ材などの「高硬度材」が加工し易くなりましたが、この加工方法がなかった時代での高硬度材の加工には、ねじれ角の大変大きいエンドミルが使われ、刃の厚さも厚くして強度を持たせると言うものでの加工が一般的でした。
刃の角度を大きくすると、刃の厚さが厚くできて寿命が長く保てる。でもそれでは「鋭さ」がなくなるために、ねじれ角を大きくして、見かけの鋭さを与えて、硬い鋼材を切削していくわけです。
前後に動かして切るなどと、質問内容とは少し外れた内容を書いてしまって、申し訳なく思います。
しかしこれは、上述又は前述したような効果を生んでいますが、後の回答者様達がもっと深いところまで書かれているので、私も少し付け加えます。
日本刀などの一般に良く切れる刃物は、ただ単に押し当てるだけではなかなか切ることができませんが、前後に動かすと切れ易くなります。
理由の一つは、先に述べた理由があることと、もう一つは、真っ直ぐに見える刃の先端を大きく拡大してみると、真っ直ぐではなく波を打っているようになっています、ちょうどノコギリの刃のように。
それで前後に動かすことで、波打っている山の部分に引っかかって切れ目の切っ掛けができるわけです。
一度切れ目ができると、そこに応力が集中するので、後は連鎖的に切り口が広がって行きます。ちようど斧で撒きを割るような感じです。
しかし質問内容は、ほとんど力を加えずに切断可能と言うことなので、余談のようなことは止めます。申し訳ないです。
要は、圧力を極大にするためには、刃の先端を可能な限り鋭利にすることです。
硬い材料は脆いので、ある程度粘りのある材料を使用し、熱処理などで組織を緻密にして刃を付ければ、指で触っただけでも皮膚を切ることができます。
代表的なものに医療用の「メス」があります。あまりに鋭く尖らせてあるので、すぐに切れなくなります。ちなみに一般人でも入手可能ですので、試してみるとわかります。
「切れ味」を取るか、「寿命」を取るかで、刃物の作り方や材質は変わってきます。
包丁は切れ味も大切ですが、寿命、長持ちさせる方が優先されます。一人前の刺身を作るたびに包丁を職人さんに磨いでもらうわけにはいきませんからね。
で、包丁は、切れ味をさほど落とすことなく長持ちさせるために、刃先を少し鈍くして刃先を強くして、前後に動かすことで鋭利な刃先を作り出しているわけです。もちろん刃先は波状になっています。
ステンレスより鋼の方が組織は緻密で強いので、鋼の包丁は切れ味が良いわけです。
それと御礼のところに書かれていた内容ですが、申し訳ありません。なかなかイメージできなかったのですが、紙で皮膚が切れると言うのは、先にも書きましたが、見掛け上の鋭さがあると言うことに付け加えると、紙は非常に細い繊維でできています。細い繊維ですので圧力は大変高くなりますので、切れ目が入る切っ掛けを十分作ることは可能です。
一度切っ掛けができてしまえば、あとは見かけの鋭さも相まって、大きく切れてしまうのです。
再度回答ありがとうございます。長文をわざわざすいません。
角度が小さくなる事と引っかかりは大体同じ理屈ですね。食い込み角度が小さくなるとその分引っかかりも強くなりますし。
>>一度切れ目ができると、そこに応力が集中するので、後は連鎖的に切り口が広がって行きます。ちようど斧で撒きを割るような感じです。
この理論は理解をますます深めることができました。面積が小さくなる上に力がそこに限定される、一石二鳥ですね。
あと、メスが一般人でも入手可能だなんて初めて知りましたよ。
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