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マックス・ウェーバーを読みたいと思い、一番手ごろな『職業としての政治』を読み始めました。しかし、思想をあまり知らないわたしにとって、理解するのが難しかったのです。
どなたか、この本についての概要を教えていただけますか?
そして、みなさんがこの本やウェーバーに関してどんな意見をお持ちなのか、聞かせてください。

宜しくお願いします。

A 回答 (4件)

どのような理由で「マックス・ウェーバーを読みたい」と思われたのかが不明なので、的外れでしたらごめんなさい。


私がもっているマックス・ウェーバーの印象は、帰納法による一般論や演繹法による普遍論ではなく、解釈法による個別・特殊論にあるということです。
その中で例えば「プロテスタント」という個別対象に注目した「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」では、禁欲・勤勉を説いた結果、副作用として貯蓄が増え、そのことが結果として富が富を生む資本主義を発展させることに貢献したというような「解釈」を与えているのだと私は解釈しています。
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「職業の政治」はドイツ革命の騒乱がまだやまず、国内で不安定だったころに行われた講演です。

学生たちは革命の成功に酔い、現実を見失って、理想の社会が明日にでも実現されると錯覚していました。そのような学生たちに冷水を浴びせるために行われた講演が「職業としての政治」です。この中で、ウェーバーは現実を無視し、理想ばかりを追い求める政治姿勢を政治家としてふさわしくない態度だとして、はねのけます。しかし、理想を忘れ、現実に追随する姿勢もまた政治家の態度とは認めませんでした。ウェーバーが理想としたのは、現実を直視しながらそのなかで自分なりの理想を胸に秘め、理想実現のために現実と真正面から立ち向かい、少しずつでも世の中を変えていこうとする政治家であったと思われます。「職業としての政治」については、森嶋通夫「政治家の条件」脇圭平「知識人と政治」〈共に岩波新書)を参考にして下さい。
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ウェーバーは学生の時に読みましたが、本の厚さの割りに簡単に読めませんでした。

その中から、20年近くたって、今でも覚えていることを中心に記します。うろ覚えなので、間違っていたらご容赦を。
「1.プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」
この本で覚えているのは始めの方の統計で、カソリックとプロテスタント等を比較して、カソリックの就学率とプロテスタントの修学率を比較して、プロテスタントの方が勤勉であると記していたところです。宗教の違いによって、人の行動様式が変化するというところがポイントで、資本主義が発展したのは、プロテスタンティズムの精神の影響によるという指摘が印象的でした。
「2.職業としての学問」
この本は大学の第二外国語で原書を読みましたが、ドイツ語に苦労しました。内容を把握するため日本語版を読みましたが、印象的だったのは「良い研究者が必ずしも良い教師たりえない」というところです。これは応用範囲のきく言葉で「名選手必ずしも名監督たりえない」とか「優秀な社員が必ずしも良い管理職とはならない」など、似たような構造があります。
「3.職業としての政治」
これも薄い本ですが、結構読むのに苦労したように思います。印象的だったのは「政治家は確固たる信念を持ち、困難な事象に直面しても、キリで板に穴をあけるように、あきらめず粘り強く生きること」というところです。
こうして見ると、当時読んだ本のあらずじは忘れているものが多いのに、ウェーバーの著作には20年たった今でも印象に残った一節があるところに面白さを感じます。
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どういう動機か知りませんが、マックス・ウェーバーの原著をお読みになるとは、凄い方ですね。



ぼくは原著こそ読んでいませんが、それらに対する解説書は随分読みました。頭の中にあるかれの主張は、「労働と宗教観(特にカルヴィン)を結びつけ、働いてお金を稼ぐことは決して卑しいことではない。一生懸命働けば、自然とお金はついてくる」ということで、日本人で言えば、江戸時代の石田梅岩や鈴木正三(しょうざん)の考え方に近いということです。

なおマックス・ウェーバーの研究家で、すんなり読める本を書いているのは小室直樹氏で、最近の著作は『資本主義のための革新』日経BP社です。彼は他にも何冊か書いているので、まず彼の本から予備的知識を学び、原著に入るのも、一つの手かと思います。
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