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衆議院議員と参議院議員の役割や必要性は少しずつ解ってきました。
そこで質問します。
なぜ二院の被選挙権や選挙区、任期、定員数で違いがあるのかを教えてください。
もしかしたら基本的なことかもしれませんがお願いします。
今まで同じような質問があったらすみません。
19歳・女

A 回答 (2件)

<あえて違いを持たせることで衆参のバランスをとっている、という理解で概ねいいですか?>


 その通りです。同じ選挙区・同じ選び方で2つの議院を選んでも、ほとんど違いのないものしか出てこないでしょう。同じ日に同じ選び方をするなら、全く同じものが二つ出来てしまい、二院制の意味がなくなってしまいます。

<「定員数の差」についてはどうして参議院のほうが少ないのか、イマイチ納得がいきませんし、衆参が対局するような場面でその差が倍あって国会議決の中で問題を生むことは無いのですか?>
 普通、衆参同数ずつの代表が集まって、両院議員協議会を開きます。

第五十九条【法律案の議決、衆議院の優越】
1 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを妨げない。
4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

第六十条【衆議院の予算先議と優越】
1 予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
2 予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

第六十一条【条約の国会承認と衆議院の優越】
 条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用する。

 憲法が出来た時、テレビがなく、交通機関は鉄道とバスで、地域差が大きかった時代でした。従って地域差が大きくあったので、地方の意見を吸い上げる衆議院は、地域としてまとまりのある地方の区切り方が細かくなったので、人数が多くなりました。

 自動車交通やテレビなどの普及した現在では、衆議院・参議院ともにもっと大きな選挙区とすることが可能ですから、制度的には衆議院300名程度でも国会運営に支障がないと考えます。
 
 尚、国会は内閣総理大臣や大臣になるような人材を育てる機関としての意味合いを持っていますので、衆議院・参議院合計で5~600人程度の人数は必要でしょう。議員が平均15年議員として働き、内閣総理大臣(首相)が4~5年務めるとしたら、150人程度の人材の中から、首相を選ぶことになります。与党と野党がありますから、実質的には100人弱の国会議員の中から選ぶ形になります。

 首相が毎年変わると、20人程度の人材から選ぶ形になってしまい、いい人を選ぶ可能性が小さくなってしまいます。 
 
<被選挙権についても衆議院25歳以上、参議院30歳以上とする必要があるのでしょうか?>
 自分自身の経験から言えば、妥当と思います。大学を卒業してから30歳くらいになるまでの社会経験は、大変大きな意味があると思います。
 大学卒業後3年の25歳では、社会人の基礎ができる程度ですが、30歳くらいになると人によっては管理職として、チームリーダーや会社経営者として数年の経験を持つ人も出てきます。
「良識の府」としての機能を期待される参議院議員の非選挙権が30歳というのは妥当な線ではないかと思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
これからも自分なりに勉強して、政治や国の成り立ちや知識を持ちたいと思います。

お礼日時:2009/10/22 11:26

 選挙という大きなシステムについての質問なので、先ず最初に基本的な事項の確認をします。



A.選挙区の制度
・同じ選挙区として選ぶ人数によるわけ方
 大選挙区:相当数を同一選挙区として選ぶ方法。
 →昔の参議院選挙では、日本全国を同じ選挙区として、個人を選ぶ投票を行っていました。政党に所属しない、見識のあると思われる人を国会議員として選出できます。死票(落選候補に投票された投票)が少なくなります。
 中選挙区:2~5人程度を同一の選挙区から選ぶ方法。
 →ある程度の規模のある政党から、議員が選ばれやすくなります。死票が少なくなり、短期的な議席の変動が少なくなりますが、少数政党の選出議員が当選し易くなり、最大の議席数をもつ政党でも過半数を取れないことが多くなります。従って、連立内閣となる可能性が高くなり、政権が短期となりやすく、安定した長期ビジョンに立った政策運営が難しくなります。
 小選挙区:一人を同じ選挙区から選ぶ方法。
 →大政党の議員だけが選ばれる傾向が強くなります。死票が多くなる反面、その時々の国民の最大多数の意向が反映されやすくなり、与党となった場合の政権が安定し、政治運営が容易になります。

・選び方
 比例代表:政党を選挙で選ぶことで議員を決めるやり方。政党が提出した名簿に従って、議員を決めます。
 候補者個人を選出する方法

B.今の選挙制度
 衆議院:小選挙区と地域比例代表の併用
 参議院:都道府県選挙区(小選挙区または中選挙区)と全国比例代表の併用

C.今の制度になる前
 衆議院:中選挙区
 参議院:都道府県選挙区と全国区(個人の立候補者の中から50人を選ぶ。)の併用

D.憲法が定める権力の分散
 政治を行うと言うことは、国民から税金として集めた巨額の資金を使い、警察や軍隊(=公的暴力機関)に指示を与えることです。
 人類の過去には、国民から選ばれて政治を担当するようになった人物が、お金や公的暴力機関を使って、国民を支配するということが何度もありました。
 そこで、日本国憲法は、政治の大切な三つの権限である「立法権・行政権・司法権」を、それぞれ別の機関に分けることとしています。(=三権分立)
 ところが、日本国憲法の定める三権分立は、形式的三権分立と言う人が居るほどで、
 1.国民が国会議員を選ぶ。
 2.国会で内閣総理大臣を選ぶ。
 3.内閣が最高裁判所裁判官を選ぶ。
というようになっていて、最初の「国会議員に選ばれた人たち」が、政治の根幹を握っています。
 ですから、三権の中で根幹となっている国会を、衆議院と参議院とに分けることで、国会の強い力が行政権や裁判権を支配しにくいようにしています。

E.衆議院と参議院の機能の違い
 衆議院は、その時々の国民の多数意見を反映した政治が行われるように、小選挙区主体で選ばれた議員で構成されます。
 その時々の民意をより反映するために、内閣は衆議院を「解散」して、より直近の国民の意見を反映した衆議院に選びなおすことが出来ます。
 参議院は、基本的に衆議院の暴走を止める機能をもっています。(国家予算の決定や条約締結、三分の二以上による再議決など、衆議院は参議院に優越している。)衆議院また衆議院が解散されている間に重大な問題が起きたときは、参議院が単独で立法府の権限を行使します。

<質問に対する回答>
 参議院を作った理由が、優越する衆議院の牽制ですから、選挙区や任期は衆議院と違いが多ければ多いほど、考え方の違う議員が選ばれる可能性が大きくなります。

 衆議院には解散があって不安定である代わりに、直近の国民の多数意見を反映できるようになっています。
 ですから、参議院議員の選び方は、その反対に長期の安定した考えを反映し、少数意見を拾い上げるという選び方となります。

 ですから、任期6年(=衆議院より長期)で3年毎に半数改選という任期は、安定性を目的としたものです。

 今の制度になる前の全国区では、無所属であっても「見識が高い」と思われる個人が全国的な選挙運動を展開しないでも、過去の実績だけで普通に当選していました。(市川房枝氏など)
 地域に根ざした強力な支持はないが、全国的に満遍なく支持があるという環境問題の活動家などの個人が、政党に属さずに小選挙区から国会議員に当選することはほとんど不可能ですが、全国区ならば余裕で当選するということがありえました。

 尚、現在の参議院全国区は、政党の比例代表となっており、少数意見の反映を期待できないシステムになってしまいました。
 選挙制度を変える法律を作った国会議員のほとんどが、政党所属の議員でしたから、無所属議員の意見反映を軽視してしまいました。

 現在、参議院が有効に機能せず、衆議院と同じ事を決めるだけという不要論も一部に出てきていますが、衆議院も参議院も、小選挙区+大選挙区比例代表という同じような選出システムにしてしまったために、選ばれてくる議員が似たような政治背景を持っている状態となってしまったことも、その原因の一つとして考えられます。

 とはいえ、2005年、本年の衆議院選挙では、自民党・民主党が交代で圧勝しており、参議院が衆議院と反対の議決をする状況が生まれてきて、憲法の期待する牽制効果が不完全ながら機能していると思われます。
 
 尚、定員数については、国民の意見を反映し、衆議院・参議院の機能を満足するのであれば、出来る限り少人数であることが望ましいと言えます。 現状の人数は、多すぎると考えますが(特に衆議院)、国会議員の定数を決めるのが国会議員で、議員数削減がそのまま自分達の落選失職につながるので、なかなか減りません。   
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この回答へのお礼

いろいろ詳しく書いていただきありがとうございます。
思っていたより複雑な回答に戸惑いながらも一生懸命読ませてもらいました。
あえて違いを持たせることで衆参のバランスをとっている、という理解で概ねいいですか?
「定員数の差」についてはどうして参議院のほうが少ないのか、イマイチ納得がいきませんし、衆参が対局するような場面でその差が倍あって国会議決の中で問題を生むことは無いのですか?
被選挙権についても衆議院25歳以上、参議院30歳以上とする必要があるのでしょうか?

お礼日時:2009/10/16 13:29

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