天使と悪魔選手権

初歩的なことかもしれませんが、訴訟を起こすとき、請求の趣旨の段階で、○年○月○日から支払済みに至るまで年5分(又は6分)の割合による金員を支払え。という表現が用いられると思いますが、この年5分と年6分はどこで区別したら良いのでしょうか?つまり、どこからが年5分でどこからが年6分とされるのでしょうか?

もう1点、これも初歩的なことですが、請求の趣旨の段階で、判決並びに仮執行の宣言を求めるという表現がよく用いられますが、この仮執行の宣言とはどういうことなのでしょうか?

以上2点につき、教えて下さい。断っておきますが、私自身訴訟をおこすわけでも、おこされるわけでもありません。あくまで疑問に思うことなので、宜しくお願いします。

A 回答 (3件)

 訴訟において,金銭債権の遅延損害金を請求するときは,約定があればその約定により,約定がないときは,その訴訟で請求している債権・債務の発生原因が商行為によるときは年6分(商法514条,民法419条),その他の場合には年5分(民法419条,404条)とされています。

訴状の請求の趣旨で年5分とか年6分とあるのは,この遅延損害金を指していることが大半です。

 ところで,商行為によって生じた債権・債務ということですが,商行為には,絶対的商行為(商法501条,誰がやっても商行為とされるもの),営業的商行為(商法502条,営業としてやるときには商行為とされるもの),付属的商行為(商法503条,商人が営業のためにする行為)とがあります。なお,商人の定義は商法4条にあります。

 例えば,運送業者が運送賃を請求するときは,運送営業は営業的商行為ですので,個人営業であっても,遅延損害金として年6分を請求できます。逆に,運送業者が運送物を壊したので客から損害賠償を請求するときにも,年6分の遅延損害金を取ることができます。

 他方,医者などは,商行為にあたりませんので,診療代を踏み倒した者に診療代を請求するときは,年5分しか取れません。

 また,商法上の会社は常に商人とされます(商法52条)ので,会社と取引したときは,すべて年6分の遅延損害金をとることができます。

 次に,仮執行宣言ですが,これは,金銭など財産上の請求をする訴訟において,その給付をすべきとの勝訴判決が言い渡されたときは,判決が確定しなくても強制執行ができるとする宣言をいいます(民事訴訟法259条)。本来,給付訴訟の勝訴判決は,確定しないと強制執行をする効力がありませんが,判決の確定を待っていると,財産を隠されたり,そうでなくても執行対象の財産の価値が下落することがあります。また,原告としては,控訴・上告によって判決の確定を待っていると,その間の経済的負担が大きいこともあります。そこで,そのような弊害を避けるために,このような宣言をすることが法律で定められたわけです。仮執行宣言は,申立てにより,又は裁判所の職権でも宣告されますが,一般には,申立てをすることが多いようです。また,仮執行により原告が迅速に満足を得ても,万が一控訴・上告で判決がひっくり返った場合には,今度は被告が損害を受けますので,それを担保するために,保証金を積ませた上で仮執行宣言を認めるという場合もあります。
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 #2の回答でほぼ言い尽くされていますが,強制執行の観点から若干補足します。


 勝訴判決が出た場合に負けた側が判決に従えば問題はありません。例えば,「YはXに100万円支払え」という判決がなされて,Yが「ああそうですか,仕方ないね。払いましょう」と実際にXに100万円支払えばいいのですが,訴訟まで起こされるくらいの者は必ずしもその通りの支払いをしません。
 ご存じかと思いますが,その100万円は裁判所が自動的に取り立ててくれるのではなく,Xは別途,執行裁判所に強制執行の申立をする必要があります。
 強制執行手続は,民事執行法の規定により行われます。この申立に必要なのが債務名義です。債務名義については同法22条に記載があります。1号に確定判決が,2号に仮執行の宣言をした判決が記されています。
 つまり,判決は仮執行宣言があれば,強制執行するに際し確定を待つ必要がないということです。
 仮に2号の規定がなければ,Yが強制執行されてはたまらんということで,控訴・上告をすると何ヶ月も場合によっては年を超して,Xは何の手出しも出来ないことになり,まんまと執行の遅延に成功することになります。
 これを回避し,迅速にXが債権回収できるようにする途をつけるのが,仮執行宣言です。Yが控訴しようがしまいが,Xは強制執行の申立をしたければできます。その際,Yは別途執行裁判所に執行を止めるため同法39条に定める文書を提出しなければいけません(ときおり弁護士でもこれを理解していないものが見受けられる)。
 仮に上級審で判決内容がひっくりかえったとしても,財産権(普通は金銭の支払い)の請求については,後から(理屈上)金で解決できるので認められているものです。逆に金で解決できない判決では(例えば離婚を命ずるもの)仮執行の対象にはならないので離婚を求める訴状に仮執行宣言を求める旨記載すると裁判所からお馬鹿さんと思われます(慰謝料等の部分は可)。
 なお,「仮」がつくためか勘違いしている人も多いようですが,「仮差押」は民事保全法に定める別の制度です。暫定性という部分では共通しているけれど,保全手続は最終的な権利の存否は判断せず,別途本案(裁判等手続のこと)の判断を必要とします。
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民事5分商事6分のことでしょうか?商法の適用の場合6パーセントの金利になりますからそのことかと思います。


仮執行の宣言は、わかりませんが、請求した当事者の要求を一時的に認めることかと思います。
不動産なら仮登記のようなもの?あとで本登記に直せば一番順位になるとか。
きちっとしたことは他の方のアドバイスでお願いします。
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