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加水分解度

『化学の基礎』(竹内敬人,岩波書店)によると、加水分解度のことを「平衡時に加水分解されている塩の割合を表す」と書いてあったのですが、具体的にどのことを言っているのかわからないので教えてください。

加水分解 (A^-)+(H_2)O <- -> HA+O(H^-)
(塩Aの陰イオンの一部が水と反応して水酸化物イオンを生じるときの平衡反応)
の加水分解度hというのは、

(1)h=(HAの物質量mol)*((A^-)の物質量mol+(H_2)Oの物質量mol)^(-1)
(2)h=(HAの物質量mol)*((A^-)の物質量mol)^(-1)
(3)h=(O(H^-)の物質量mol+HAの物質量mol)*((A^-)の物質量mol+(H_2)Oの物質量mol)^(-1)
(4)h=(HAのモル濃度)*((A^-)のモル濃度)^(-1)

のうちのどれかのことでしょうか?それともこれらとは別のことでしょうか?

ついでですが、化学の本には、用語の定義がはっきり書かれていないことが多いように思い、とても読みづらく感じるのですが、一般にどうやって理解していったらいいものでしょうか?

A 回答 (2件)

(1)~(4)のうちのどれでもないです。



塩の陰イオン(A^-)の一部が水と反応して酸HAと水酸化物イオンを生じるならば、平衡時の陰イオン(A^-)のモル濃度は、塩の初濃度よりも小さくなっています。このことを考えると、加水分解度は

(2') h=(平衡時のHAの物質量)*(平衡時の(A^-)の物質量+平衡時のHAの物質量)^(-1)
(4') h=(平衡時のHAのモル濃度)*(平衡時の(A^-)のモル濃度+平衡時のHAのモル濃度)^(-1)

になります。比を取っているので、物質量で考えてもモル濃度で考えても同じ結果になります。

加水分解度が小さいときには、

 平衡時のHAの物質量≪平衡時の(A^-)の物質量≒はじめの(A^-)の物質量

となりますから、

(2") h=(平衡時のHAの物質量)*((A^-)の物質量)^(-1)
(4") h=(平衡時のHAのモル濃度)*((A^-)のモル濃度)^(-1)

のようになります。塩の濃度がそれほど薄くない限り、たいていの水溶液では h≪1 となりますから、実用上は、(2'),(4')より簡単な(2"),(4")で十分なことが多いです。また、うるさいことを言わなければ、(2),(4)のような書き方でもかまわないと思います。
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この回答へのお礼

> 平衡時の陰イオン(A^-)のモル濃度は、塩の初濃度よりも小さくなっています。

> (2') h=(平衡時のHAの物質量)*(平衡時の(A^-)の物質量+平衡時のHAの物質量)^(-1)
> (4') h=(平衡時のHAのモル濃度)*(平衡時の(A^-)のモル濃度+平衡時のHAのモル濃度)^(-1)

なるほど。反応前の塩ではなく、平衡に達したときに、注目する塩Aが使われているすべての物質、(ここではA^-とHA)に関する物質量が基準になって、その中での加水分解したあとのAが使われている物質の量の割合、を表すのですね。

どうもありがとうございます。

お礼日時:2010/04/18 21:22

アンモニアの解離度と全く同じ考え方です。




NH3 + H2O ⇔ NH4^+ + OH^-



だから、

A^- + H2O ⇔ HA + OH^-

h=[HA]/([A^-]+[HA])
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この回答へのお礼

簡潔でとてもわかりやすいです。

※「アンモニアの解離度」が何なのかわかっていない自分が恥ずかしいですが。

どうもありがとうございました。

お礼日時:2010/04/18 21:25

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