No.5ベストアンサー
- 回答日時:
三度Aliasです。
その後「漢字1字+する」の例をいろいろ考えてみたのですが,どうやらgonta-11さんのおっしゃるように,「濁音のサ変」(Atokでは「ザ変」と分類されています)は上一段になる傾向があり,またその「濁音のサ変」になるのは直前に元の漢語音において-nまたは-ngがくるという傾向があるようです。-nがくるもの:案じる,禁じる,演じる,論じる
-ngがくるもの:興じる,応じる,命じる,動じる
(それぞれ現代北京語音はxing, ying, ming, dong)
しかしながら,逆に,-n, -ngで終わるのに「じる(ずる)」とならないものもあります。
-n+する:宣する,存する
-ng+する:呈する,称する,賞する,抗する,証する
(現代北京語音cheng, cheng, shang, kang, zheng)
また,-n, -ngで終わらないのに「+ずる(じる)」となるものとして,「投じる(tou)」「報じる(bao)」があります。
なかなか一筋縄ではいかないようですね。使われるようになった時期なども検討しなければならないのではないかと思います。gonta-11さんは専門家とのことですので,もっと深く解明していただけるのではないかと期待します。本来のご質問からは外れているかもしれませんが。
No.4
- 回答日時:
うまく説明できるかどうか自信はありません。
わかりにくければ補足してください。基本的にはAliasさんのお考えが正しいのではないかと思います。
私の知識としては日本語と英語、あとは学生自分にちょっとかじっただけのフランス語程度なのですが、全ての語について、「日常よく用いられる動詞ほど不規則に活用する」という共通点があります。このことはどこか他のところでも聞いたことがあります。これはおそらく歴史の古い動詞についてはさまざまな活用変化があったものの、時代が下るにつれ、新たな語が必要となり、それまでの語にあわせて活用変化をさせていったために、使用頻度の低い語ほど規則的に活用するのではないかと思います。
このように不規則変化の動詞は使用頻度が高いため、自然と使いやすい形、すなわち規則変化に移っていくのではなかろうかと思うのです。日本語でも「ラ変」「ナ変」は五段活用に吸収されましたし、上一段と上二段、下一段と下二段もそれぞれ統合されてしまっています。
今回お尋ねのものは、漢字一文字+「す」(サ変)の形ですが、これは漢字二文字+「す」の形に比べて「一語的(?)」なのでしょう。「研究す(する)」は「研究」という一名詞を私達は感じる(感ずる)ことができますが、「有」「律」は一語として感じにくいのではないでしょうか。つまり「二文字+す」に比べて「一文字+す」の方がひとまとまりとしてとらえてしまいやすいために、動詞の「規則変化」化が進みつつあるのだと思います。
ですから、「生じる(サ変)」の新しい形が「生じる(上一段)」であり、「有する(サ変)」の新しい形が「有する(五段)」ということになるでしょう。言葉というものは常に動いているわけで、「ら抜き言葉」と同様、どちらでなければならないというようなものでは、現時点ではないでしょう。ただし、何年か後には文法の解釈も現在とは違っているかもわかりません。
補足ですが、同じ「サ変」が「上一段」「五段」の違った方向に統合される理由はよくわかりません。しかし、どうやら「濁音のサ変(ザ変とはいいませんがそんなの)」の場合に上一段になる傾向があるようですね。この濁音は直前の音が撥音(ン)の場合ですからAliasさんのご意見は的を射たものであろうと思います。ただしこれも例外があるかもしれません。言葉が生きて変化しているのですからやむをえないのでしょうね。
この世界は一応専門なのですが、確信はありません。
この回答へのお礼
お礼日時:2001/04/02 03:23
期待していた以上に詳しい回答を頂けてうれしいです。
やはり言葉の使い方は次第に変わっていくものなのですね。
活用変化のことなど、自分でも少し勉強したいと思います。
興味深いお話、ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
訂正です。
(^^;> 私個人的には「有す」「有しない」派です。
私個人的には「有する」「有しない」派です。
それと,「1文字+する」でもサ変のままというものもありますね。
3. サ変のまま:律する,逸する
ひょっとしたら,最初の漢字の読み(ンで終わるか,ッで終わるか,それ以外か,など)によって差が生じているのかもしれません。だれか考えてくれないかな。
No.2
- 回答日時:
どちらもあると思いますが,「有さない」ならもとの形は「有す」(五段活用),「有しない」ならもとの形は「有する」(サ変)ということになりますね。
私個人的には「有す」「有しない」派です。また,「生じる」なら上一段活用,「生ずる」ならサ変ですが,「生ずる」のほうは少し堅いというか古いというか,文語的な感じがします。
いずれにせよ,本来は「有(ゆう)」「生(しょう)」という漢字の音読みに「する」(文語なら「す」)というサ変動詞がついたものですから,サ変に活用するのが元だったわけですが,それがだんだんと崩れていったのでしょう。
「漢字2文字+する」の場合はサ変のままがふつうだと思います(勉強する,解決する,困惑する)が,「1文字+する」では,上一段化するものと五段化するものがあるようです。そしてそのどちらの場合も,サ変のままでも使われる,とそんな状況でしょうか。
1. 上一段化:生じる,信じる,感じる
(「生ざない」「信ざない」とは言わない)
2. 五段活用化:有す,愛す,介す
(「有しる」「愛しる」とは言わない)
とりあえず思いつくままに書かせていただきました。もう少し考えてみます。
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