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「口」という漢字がうしろに来る熟語で、この字を訓読みにする場合、
一口、甘口、薄口、語り口、切口、やり口、広口 のように「くち」と読むもの
出口、窓口、手口、陰口、地口、糸口、憎まれ口 と濁って「ぐち」と読むもの
入り口、悪口、上がり口、大口(を叩く) のようにどちらも許容されるもの
の3パターンがあります。この読み分けには何か法則があるのでしょうか。
よろしくお願い致します。

A 回答 (3件)

こんばんは。



ご質問の内容のように、複合語の後ろの語の語頭音が濁音化する現象を、『連濁』といいます。

音読みの場合、規則性がはっきりわかってきています。連濁が起こすのは鼻音(m、n、ng)の次にくる語です。と言っても、日本語の発音ではなく、中国語の発音での問題です。例えば、連濁を起こす『明星』の『明』は日本語では『ミョウ(呉音)』『メイ(漢音)』ですが中国語では『ming』です。そのほかの例として、『三本』は『サンボン』と読めるが、『九本』は『キュウホン』としか読めません。『三』は北京語では『san』で『九』は『jiu』です。日本語で『ン』で終わる音は、中国語では『m』か『n』ですが、『イ』『ウ』で終わる音は『ng』で終わるものがあります。(現代北方中国語(北京語など)では『m』で終わる音はありませんが、広東語などの南方中国語では、『m』で終わる音が健在です。たとえば、『三』は北京語のように『san』ではなく『sam』あるいは『saam』であり、『金』や『南』も『n』でなく『m』です。韓国語にもこの名残があり、元大統領『金永三』は『キン・ヨンサン』ではなく『キム・ヨンサム』ですよね。日本語にもまったくないわけではありませんが、ここで書くと話が長くなるので、もし興味があれば後ほど改めて書かせていただきます。)結局は『ン』で終わる語の後はほぼ連濁を起こす。『イ』『ウ』の場合は、連濁を起こすものと起こさないものがあるということです。
もうひとつ重要なこととして、あげられるのが、時代が新しくなると連濁の習慣がなくなって来ているということがあります。例えば、『香水』という言葉は、『こうすい』が一般的ですが、『こうずい』と言う読み方があります。『こうすい』はご存知のものですが、『こうずい』というのは、「仏前に供える水」のことをさします。これは古くからある言葉です。『両国』というのは、「日本と中国の両国の関係が・・・」と言う場合は、『りょうこく』ですが、国技館がある場所は『りょうごく』です。つまり、比較的新しい語は連濁を起こさないということです。さらに、本来は連濁を起こしていた語が、時代が新しくなるにつれて連濁を起こさなくなってきているものもあります。『天下』は古くは『テンガ』と読んでいたものが、現代ではもっぱら『テンカ』とよみ、『東方』も古くは『トウボウ』と読んでいたようです。『三階』も本来は『サンガイ』ですが、最近は『サンカイ』と言うことも多くあります。『天上天下唯我独尊』は『テンジョウテンガ・・・・』と読みますよね。『三本』を『サンホン』と読めるのもこの現象の結果です。特に漢語では連濁が減ってきているようです。

訓読みの場合は、連濁に関しては諸説が存在し、完全な規則性はまだ発見されていません。
【1】まず、1つには、前に来る語に濁音が含まれていたり、清音の後ろに濁音が存在すると連濁が起こらないといったものです。例えば、『赤玉(あかだま)』と『水玉(みずたま)』と言ったものです。
【2】また、連濁は複合語の一体性を高めるとする見方があります。例えば、『手口』は『手』と『口』と言う語の複合と言う意識が薄れ、『手口』でひとかたまりになっているという意識が働いた結果、連濁が起こっていると考えることが出来ます。この場合『手』と『口』のそれぞれ本来(特に前の語)の意味が薄れ『手口』での一体性が強いと考えられます。
【3】前後の語基の関係に注目すると、
『人助け』『雪解け』『落ち葉』『人助け』のような前後の関係が統語的(文法的)関係にある場合は、後要素の語基の語頭が濁音化することが多く、
『雨風』のような、並列的関係の複合語は、構成要素の『雨』と『風』が対等であるためほとんど濁音化をおこしません。

ご質問の例では、【1】【3】の説明では、かなり苦しくなりますが、【2】の説明では、ある程度説明がつくと思います。
完璧な回答にはなっていませんが、ご参考になればと思います。
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この回答へのお礼

やはり「口」の場合は傾向を説明するしかないんですね。参考にさせていただきます。有難うございました。

お礼日時:2003/07/14 21:07

補足質問に対する回答です。

といっても、前回同様に推測に過ぎませんが。

広辞苑によれば「語り口」は「語りかた。語る口ぶり」「広口」は「(1)瓶などの口の広いもの。(2)花いけの口の広いもの」となっています。従って、それぞれ「語る口ぶり」「広い口」が縮んでカタリクチ、ヒロクチ、になったのではないでしょうか。このような変化(短縮)も日本語にはよく見られるようです。専門的なことは分かりませんが。
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この回答へのお礼

ご回答有難うございました。

お礼日時:2003/07/14 21:03

専門家ではないので想像ですし、全て分かるわけではないですが…



一口、甘口、薄口など、「食」に関わる場合はクチと読む、と考えていいのではないでしょうか。
出口、窓口、糸口など、「開口部」「始まり」「端」を意味する場合にはグチと読むのではないでしょうか。
陰口、憎まれ口など、「言葉」に関する場合もグチと読むのだと思います。
そして、両方許容する場合ですが、これは、本来の読み方ではなかった(つまり誤用法だった)ものの、特に違和感がないので定着した、のだと思います。
たとえば、入り口はイリクチとも読みますが本来はイリグチだけだったと思います。

これで説明できていない部分もあるかもしれませんが、私に考えられるのはこれぐらいです。

この回答への補足

「語り口」「広口」は、どう説明なさいますか。

補足日時:2003/07/11 21:08
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