モールス通信のチョンズッカとトンツー
野元巳郎「大陸通信戦記」図書出版社 1985 の pp.35-36 にこうあります。
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電信機がブザー音になる前には、電鍵をたたくカチッカチッの音で聞き分けていたらしい。その時代に教育を受けた応召下士官は、チョンズッカ、チョンズッカとつぶやいていた。
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p.86 には、こうあります。
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それまでの有線電信機は音響式というのであろう。昔の教育を受けた応召下士官が口ずさんでいた「チョンズッカ、チョンズッカ」の電鍵をたたく音で聞き分けていたのである。
無線機の方は最初から真空管を使っているから「トツー、トツー」のブザー音である。
したがって有線通信兵と無線通信兵との間には、驚くべきことには、互換性がなかったのである。
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ここに「電鍵をたたくカチッカチッの音で聞き分けていた」は不正確です。チョンズッカは送信側にある電鍵の音でなく、受信側にある音響器 sounder の音のはずなので。音響器を
などで聞いてみると、チョンがトンでズッカがツーに対応するように思います。たとえば A ないしイはトツーでチョンズッカ、C ないしニはツートツートでズッカチョンズッカチョン。
以上が背景です。質問は:
1. 「チョンがトンでズッカがツー」の推測は正しいでしょうか?
2. 英語の擬音 dit (di) dah は音響器の時代からあったのでしょうか、ブザーになってからのものでしょうか? もし dit dah がブザー以後の擬音なら、音響器のチョンズッカに当る英語の擬音はどうだったのでしょう?
3. 「したがって有線通信兵と無線通信兵との間には互換性がなかった」は、事実でしょうか? 機器の扱いについては確かに互換性はなかったでしょうけれど、文中の応召下士官は、チョンズッカはわかってもトンツーはわからなかったのでしょうか? トンツーの熟練者でも、たとえば上記 URL のチョンズッカを聞いて解読はできないのでしょうか?
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
チョンズッカ、は私も初耳です。
英語ではトン・ツーのことを「ディーダ・ディ」といいます。
これはコヒーラ管というなかに錆びた鉄粉などをつめたパーツが、受信した信号をヘッドセットに雑音、つまりザッ・ザーと行った感じで流していたからです。FMラジオでノイズを聞くことができますが、そのなかに規則性のある音の高いノイズが流れてくる、と思っていただくと近いです。真空管が広まるまでは(というか、軍隊、特に野戦部隊ではなかなか普及しなかったのですが)、一般的だった無線機器の方式です。
現在のようにモールス信号を単一トーンに変換するBFO(Beat Frequency Oscilator)と呼ばれるものはありませんでしたので、クリスタルイヤホンから出る音は送信信号が持っている雑音でして、それが英語でトンツーを表現する音「ディーダ・ディ」の元になっています。
この回答への補足
質問の 1., 2. はほぼ解決し、3. が残りました。そこで別な質問
http://okwave.jp/qa/q6090271.html
を立てて熟練者の意見を伺いました。その結果、トンツーがわかればチョンズッカの判読はあまり難しくはないようです。
結局「有線通信兵と無線通信兵との間には互換性がなかった」理由をチョンズッカとトンツーの違いだけに帰すのは、無理のようです。
もう新しい回答が付かないようですので、締切ります。回答者の方々、ありがとうございました。
Coherer についてご教示ありがとうございました。
http://www.youtube.com/watch?v=Mh_KlRKwPRY
が良くわかりました。結局 dit dah は無線以降の擬音なのですね。ある coherer の説明に click が出て来たので、それを頼りに検索すると、sounder の擬音がわかりました。
チョンズッカは英語では click-clack らしいです。
ただ click と clack が鉄片の異なる 2 位置に対応するのか、それとも click が鉄片の短い 1 往復、clack が長い 1 往復に対応するのかは、両説あるようです。
私は click が短往復、clack が長往復に対応するという方が有力と思います。短往復は 2 音間の時間が短く、ほとんど 1 音に聞こえるからです。また、別な記事には sounder に echo box を併設したり、更に煙草缶やその蓋を置いたりして、他の sounder と音色を変えて混信を防ぐ工夫をしたと書いてあります。そのようなことをすれば余計、往復が 2 音つながって 1 音のように聞こえるはずですので。
No.1
- 回答日時:
「チョンズッカ」は小生初耳です。
推定ですが、受信側で使用していた「印字機」の音ではないでしょうか。印字機といっても文字を印字するのではなく、電鍵の押し方に応じて紙テープに線が印刷される機械です。つまり短点は短い線が、長点は長い線が印刷され、受信側ではこれを見て文字に直していたようです。
はっきり確認していませんが、モールス通信が実用化された当時は印字機で受信していて、ピーピーという音響式はもう少し後のことと思います。
下は印字機の例、音も聞くことができます。
http://www.museum.uec.ac.jp/database/sf/sf250/s2 …
カチカチというかん高い音が印字機の音、その陰で聞き取りにくいのですがコツコツという小さい音が電鍵の音と思います。
40年ほど前のこと、2級アマチュア無線の試験に行ったら印字機が置いてありました。上のURLにあるような古風なものではありませんが・・。受験者はピーピーという音をヘッドホンでモニターできました。試験官はその印字を見て採点していましたね。
半端な回答しかできませんが、ご参考に。
趣のある動画をありがとうございます。
チョンズッカは野戦で使ったのですから、印字機よりも機構が簡単で紙テープが不要な音響器のはずです。歴史的には印字機が先にできて、その音を聞いて解読できることがわかってから、聞き取りやすいように音響器が作られたようです。
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