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バイポーラトランジスタの動作原理、不純濃度について

バイポーラトランジスタの勉強をしていてなんとなく動作原理は分かったつもりでいるのですが所々正しいか不安な点があるので添削をしていただけないでしょうか?
npn型のバイポーラトランジスタで考えます。

~~~~~~~自分の考える動作原理~~~~~~~
エミッタ側に順、コレクタ側に逆方向電圧をかける。
エミッタ側の順方向電圧によりエミッタ中の多数キャリアの電子がベース領域へ移動、この際一部の電子はベース領域の多数キャリアである正孔と結合、また別の一部はベース電流となるが、コレクタ側の逆方向電圧により大部分の電子はコレクタ領域へ流れ込む。
そしてコレクタ領域に流れ込んだ電子はコレクタ領域の多数キャリアの電子と一緒にコレクタ電流となる。
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また半導体の不純濃度がNe>Nb>Nc(エミッタ、ベース、コレクタの順に不純濃度が高くなる)という順序らしいのですがその理由がいまいち分からないので解説の方をお願いいただけたらと思います。

~~~~~~~自分が考えた理由~~~~~~~~~
Ne>Nbはエミッタの不純濃度がベースより高いとベース領域に流れ込んだ電子が多く再結合してしまうため。
Ncが最後になるのは不純濃度が低くても再結合などで電子が失われることがないので
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よろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

バイポーラトランジスタを理解するためには、「トランジスタ」であることに囚われず、PN接合ダイオードを深く理解した方が本質に速く到達します。


尚、再結合電流やベース電流は本質ではなく、むしろ無い方がよい『無効電流』です。
また(Ne,Nb)>>Ncは本質ですが、Ne>Nbは設計事項であり、必ずしもそうである必要はありません。

PN接合のバンド図を思い浮かべてください。
B-E間には内蔵電圧Vbのベースバリアが存在するので、外部電圧がないときにはキャリアは流れません。
しかし、B-E間に順方向電圧をかけると、ベースバリアが低下し、エミッタのキャリアがベースの方へ拡散します。
※あくまで『拡散』であり、後で述べる『ドリフト』でないことに注意。

ここで、エミッタのキャリア濃度Neが高い方が、バリアの低下によりベース領域へ拡散するキャリアが多くなるので、Neは高いことが必要です。
一方、Nbが低いと、僅かな外部電圧でバリアが低下しますが、すぐに飽和してしまいます。
Nbが低すぎると内蔵電圧も低下し、0に近い微小な外部電圧でもリーク電流が生じるので、Nbはある程度高いことが必要です。

次にB-C間について。
コレクタは、エミッタからベースを乗り越えて拡散してくるキャリアを効率よく引き出すために、ベース層内に高い電界(電圧ではなく)を掛けてキャリアを引き付けます。
またエミッタ層内にキャリアが溜まらないよう、高い電界でキャリアを加速し(ドリフト)、電極層へ導きます。
Ncが高いと、電界が充分に高くならないうちに降伏してしまうので、Ncは低いことが必要です。

電界が掛かるということは、その層は空乏化されるということであり、多数キャリアも少数キャリアも(原理的には)存在しません。
ベース層内のキャリアをドリフトさせるためには、ベース層もある程度空乏化する必要がありますが、空乏層がエミッタまで突き抜けるとトランジスタとして動作しなくなる(というか、壊れる)ので、その意味でもNbはある程度高くする必要があります。

尚、Ncが低いままでは電極の抵抗が高くなるので、コレクタ電極は、キャリア濃度の高い電極層を介して接続します。
また、動作電圧においてコレクタ層全域が空乏化されるよう、キャリア濃度と厚さを設計します。

> コレクタ領域に流れ込んだ電子はコレクタ領域の多数キャリアの電子と一緒にコレクタ電流となる。

よくある勘違いですが、半導体に限らず金属の電線でも、電子はどこから来たかを区別しません。
即ち、左から電子が流れ込んでくれば、そこに元からいた電子が右から押し出されるだけです。
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概ね合っているのではないかと思います。



>~~~~~~~自分の考える動作原理~~~~~~~
>エミッタ側に順、コレクタ側に逆方向電圧をかける。

ベース電圧より高い電圧という意味で「コレクタ側に逆方向電圧をかける」ということなら
エミッタ電圧:Ve ベース電圧:Vb コレクタ電圧:Vc とすると
■ Ve < Vb : 電圧差は閾値電圧(0.58~0.65V)以上
■ Ve < Vc : 電圧差は飽和電圧(80m~200mV)以上

ですね。コレクタ電圧がベース電圧より低くてもかまいません。

>コレクタ側の逆方向電圧により大部分の電子はコレクタ領域へ流れ込む。

従って、エミッタからベースを突き抜けて電子が流れると解釈すれば良いと思います。

>また半導体の不純濃度がNe>Nb>Nc(エミッタ、ベース、コレクタの順に不純濃度が高くなる)という順序らしいのですがその理由がいまいち分からないので解説の方をお願いいただけたらと思います。

不純物濃度≒キャリアの数 と考えれば、動作原理によりNe ≫ Ncというのが理解できると思います。
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