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電子が等速円運動すると電磁波が生じる?

高校物理の「電子の粒子性・波動性」の分野を習いました。
電子が原子核の周りを普通に円運動するというモデルだと、
電子のエネルギーが電磁波として出て行ってしまうので、電子が原子核に落下することになるけど、
電子の運動が、波長の整数倍が軌道1周の長さである波動だと、上手く説明できる、とか。

(1)電子が円運動すると電磁波が生じるのは、
 荷電粒子が加速運動すると磁場が変化し、それによって電場が生じ、それによって………
 って感じになるからだと説明されましたが、
 ふと、「電場と磁場」的な分野のところで習ったことを思い出し、疑問を抱きました。
 円形電流によって生じる磁場って、確か一定でしたよね。(H=I/2r だったと思う)
 原子核の周りを電子が円形に回るのなら、これと同じ状況だから、磁場は変化せず、電磁波は生じないと思うのですが………

(2)また、円形軌道モデルでは発生するはずの電磁波が、
 波長の整数倍が軌道1周の長さの波動だと、何故発生しないのですか?
 波動を描こうと回ってるわけですから、円形軌道モデルと変わらない気がします。

A 回答 (3件)

すばらしい質問です。

感動しました。

ポイントは大きさと速度です。軌道半径と電子ひとつの大きさを比較して、
電子は点として見るのが、古典電磁気学的解釈です。
(一応大きさの目安を最後に乗せています。)

一方、円形電流なら半径は cm とかですから、もっと電子は点として
見れます。でもあなたの考えるイメージは良くない。電流のイメージは、
多数の電子がゆっくり動いているイメージです。たしかにこの模型でも
電磁波を発生しうるのですが、より大きな円をゆっくり動きますので、
加速度が小さく電磁波は無視できます。

またボーア模型では「波動を描こうと回ってる」のではありません。
進行波ではなく、定在波をイメージしてください。この波は、軌道全体
に広がっているのが重要です。

地球と月を思い浮かべて、月の軌道全体を覆う定在波を、
「月」の正体だと考える。そういう発想の転換がボーア模型です。


古典電子半径 3×10^{-15}m
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question …
電子軌道半径 5.291772108(18)×10-11 m
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC% …
電流中の電子速度 0.1mm毎秒
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question …
定在波
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9A%E5%B8%B8% …
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この回答へのお礼

質問がすばらしいと言われたのは初めてで、正直びっくりしました。
ご回答感謝します。
なるほど、電子を軌道上のどこかに存在する「粒子」と考えていてはダメなのですね。
月のたとえがすごくわかりやすかったです。
それにしても、波って難しい!
また、電流中の電子速度の数値を見て、「いや、そんなわけないでしょ」と突っ込んだものの、
念のためWikiとかで調べてみると本当だったので、予想外の知識の収穫となりました。

お礼日時:2010/08/13 09:25

(1)は、電子が円運動しているときは、


ある瞬間を見ると、円の上の方だけに電流が流れていたり、
他のある瞬間を見ると、円の右の方だけに電流が流れていたり
という事を繰り返しています。

つまり、円電流では、円のどの位置でも電流が流れているので
一定の磁場が発生しますが、
電子が円運動しているとすると、円の一部(電子のいる場所)だけに
電流が発生するので、電磁波になってしまいます。


(2)は、粒子だと仮定すると、電磁波が出てしまって矛盾が出ますが、
波動だとすると、全体に一様に分布するので、円電流のようになり、
電磁波が発生しなくなるという事です。
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(1)


>円形電流・・・原子核の周りを電子が円形に回るのなら、これと同じ状況だから、磁場は変化せず

そうではありません。円形電流が作る磁場は、その電流の各微小部分が作る磁場の和ですが、各微小部分の作る磁場は当然のことながら微小部分ごとに異なっています(円の中心以外では)。例えば↓参照。
http://www.keirinkan.com/kori/kori_physics/kori_ …
円運動する一個の電子が作る磁場は「時間的に平均すれば」等価な円形電流の作る磁場と同じになりますが、各瞬間における磁場はその平均とは異なり、いわば、円形電流のひとつの微小部分が作る磁場に相当するようなものになっています。よって、円運動する一個の電子が作る磁場は円運動にともなって時間的に変動します。

(2)
>円形軌道モデルでは発生するはずの電磁波が、波長の整数倍が軌道1周の長さの波動だと、何故発生しないのですか?

「波長の整数倍が軌道1周の長さの波動」であるというのは、電子が軌道上で定常波を作るということです。定常波にならないような「軌道」では、1回転するたびに波の位相がずれるので、電子の波は干渉によって消えてしまいます。それは電子が存在できないということです。そこで、原子内の電子は、定常波ができるような特別な位置にある軌道上にのみ存在し、その軌道に留まる限り電磁波を放射しない、ただし、ある軌道から他の軌道へ移る際にはそれらの軌道のエネルギー差に相当するエネルギーの電磁波を放射したり吸収したりする、と「解釈した」のです。これは新しい考え方であり、それまでの理論(古典論)の枠内では説明できないことです。
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