直線電流の周りの磁場の強さに2πをつけた理由
直線電流の周りにできる磁場の強さはH=I/2πrとなっています。一方円電流の
中心の磁場の強さはH'=I/2rです。
アンペールは何故Hの方に2πをつけたのでしょうか。H=I/rと定義すればH'=πI/r
となり、別に問題ないはずです。仮にこのように定義されていたとしても、ビオサ
バールの法則の式は、係数部分が少し変わるだけで、ビオサバールの法則自体
に矛盾が生じるわけではないですよね。
アンペールがHの方に2πをつけた理由はそれなりにメリットがあるからだろうと
思いますが、そのメリットは何でしょうか。
また、「1[Wb]の磁極をI(アイ)[A]の直線電流からr離して1周させたとき、磁極が
磁場に逆らってする仕事がI(アイ)[J]である。これをアンペールの法則という・・・」
のような記述が参考書に書いてありますが、これって本当に法則ですか?磁場
の強さを決める根本となる定義だと思うのですが・・・
高校物理を普通に勉強していたらみんなここで「ん?」と思うところだと思うのです
が、教科書にも参考書にもこれに関する記述が見つかりません。係数なんて大した
問題ではないかもしれませんが、私にはとても困る問題です。
以上よろしくお願いいたします。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
<<また、「1[Wb]の磁極をI(アイ)[A]の直線電流からr離して1周させたとき、磁極が
<<磁場に逆らってする仕事がI(アイ)[J]である。これをアンペールの法則という・・・」
<<のような記述が参考書に書いてありますが、これって本当に法則ですか?磁場
<<磁場の強さを決める根本となる定義だと思うのですが・・・
(No.1で回答したときスルーしたけどこれは初めて聞いた。
普通はこれをアンペールの法則とは言わないと思うんだけど...
これじゃモノポール用意しないと測定できないしね
結局間違ってはないけど)
ふぅむ、各々の物理量の定義を思い出してもう少し突き詰めてみた。
電荷q(C)に相当するものとして磁極m(Wb)が存在
F(N)=q(C)E(V/m) …電界の定義 に対して
F(N)=m(Wb)H(A/m) …磁界の定義 と定める
力学では力を(係数なしで)線積分したものが仕事だから
上記の(係数なしの)アンペールの法則を適用してやると
(つまり係数なしで磁界を線積分)
仕事量W=∫qEdL=qV (電界の場合)
仕事量W=∫mHdL=mI (磁界の場合)
電界と磁界に関連する基本式が、
qとm、EとH、VとIそれぞれを入れ替えるだけで成り立つので
非常に美しい。
まとめると
「力を(係数なしで)線積分したものが仕事」
「電界と磁界の基本方程式を同じ形にしたい」
これを実現させようと思うと
2πrH=I
とならざるを得ない。
うむ、これがメリットで間違いないですね。
余談ですが
古い計測器だとガウス単位系が採用されていることが多いようで
磁場はOe(エルステッド)
1 A/m = 4π/1000 Oe
つまり単なる係数違いですね。
どういうメリットがあるのかはよく知らないけど
No.2
- 回答日時:
磁場と電流の式は、もともとは、 2πH = I なのです。
(変形すれば同じ式になりますが)で、これは、「線積分」という概念から出ていて、「磁場を半径rの円周に沿って積分したものが、電流に等しい」という意味です。
なので、磁場が均等であれば、(値が一定値Cであるような関数の積分が、面積=縦×横であるように)H×円周の長さ = H×2π になるのです。
で、出てくる式が、2πH = I ということになります。
で、アンペールの法則は確かに「法則」です。
もともと「磁場」の定義があって、それと、電流の関係が明確になったと。
そこで、それ以降、「アンペールの法則を用いて磁場を定義する」ということが可能になったので、確かに、磁場の定義として、この法則が使われるケースがあるわけです。
ご回答ありがとうございます。
2πH = I は2πrH=Iではないでしょうか?
あと、線積分の概念はビオサバールの法則が見つけ出されてから結果的に
線積分で計算できたわけで、H=I/rとしても、ビオサバールの式の係数を
変えてやれば、同様に線積分を行うことでH=I/rと求められるはずです。
ですから、2πをつけた理由は線積分による概念とは関係ないかと思いますけど
いかがでしょうか。
No.1
- 回答日時:
ご回答ありがとうございます。
どう考えても、2πはつけてもつけなくても磁場は問題なく定義できると
考えていましたので、私も「数式をきれいにするための都合」であるとしか
考えられないと予想しておりました。
他の方のご意見もお待ちしております。
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