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シュレーディンガーの猫についてなのですが、これが指摘したかったものを分かりやすく教えて下さい。お願いします。

A 回答 (5件)

 これはシュレディンガー方程式を導き出した、シュレディンガー本人がその式に納得できずに、考えだした思考実験です。


 観測するまでは、分裂しているか否か50%の確率で決まる粒子があるとします。ミクロの範囲ではそうなんだと納得することもできるでしょう。何せそれほどミクロなら、マクロな我々と違う常識があってもいい。

 量子力学においては、これを50%の確率で分裂していなく、かつ、同時に50%の確率で分裂していると考えます。観測前はそういう二つの状態が同時に存在すると考えます。これを重ね合わせの状態と言います。

 ここで、粒子が分裂したら作動するスイッチが作れるとします。これも物理学の常識に反しない。ミクロが観察できるのですからね。その結果によって作動する装置があってもよい。

 そこで、スイッチが作動したら、毒ガスが入った瓶が割れるような装置も作れます。これも物理の常識に反しない。
 ここまでで作った「観測されると状態が決まる粒子で毒ガスの瓶が割れる」装置ができることになります。この装置と猫を、外からはふたを開けるまでは観測できないような箱に閉じ込めます。

 毒ガスの瓶が割れなければ猫は生きているし、割れれば猫は死にます。しかし、これは完全に粒子が分裂するかどうかに連動しています。
 ここまでで物理学的に何の問題もありませんでした。すなわち、粒子の重ね合わせ状態が猫に連動し、猫が50%の「状態」でぴんぴん生きていて、かつ同時に、50%の「状態」で死んでいなければなりません。

 シュレディンガーは、これはおかしいだろうと言ったわけです。マクロな物体である猫が、50%はぴんぴん生きていて、同時に、50%で死んでいるなどということがあるはずがない、と。つまり、量子力学はどこか、まだ不完全であると言いたかったのです。

 もちろん、シュレディンガーのこの問いかけに対して、いろいろ回答はありますが、決着がついたとはいえません。それほど深い問題だと言えるでしょう。
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#3の方の内容で概ね良いと思いますが、少し付け足します。



状態の重ね合わせについて、いわゆる意志説というのがあります。「ミクロな状態の重ね合わせは、人間がそれを観測しようとしたとき、その人間の意志の作用によって状態が確定する」という物です。(まだまだ未知の部分が多い人間の意志についてこういう形で物理的に特別視しようとした、とも言えます)
これによれば、人間が観測するまでは状態の重ね合わせは保たれますから、#3の方が言ったようにミクロとマクロを間に人間を介在させずに連動させれば、マクロな重ね合わせが実現できるわけです。
しかし、ミクロな重ね合わせならまだしも、「猫が生きている状態と死んでいる状態の重ね合わせ」というのはどうにも(直感的には)おかしい。だから意志説はどうもおかしい、という話になるわけです。

以上の話から分かるように、シュレーディンガーの猫が示唆する一つの重要な論点は、状態はいつ収縮(確定)するのか? というのがあります。
意志説は直感的におかしい、と書きましたが、かと言ってどのタイミングで状態が確定するのか?
観測器が粒子を観測したときか、猫が死んだときか、あるいはそもそも人間が観測しても状態は確定しないのか?
いずれにしてもやっぱりおかしい感じがしたり、物理的に曖昧だったりします。
この問題には未だに決着がついておらず、観測問題と呼ばれています。
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このことに関連したことを他の欄で投稿しましたので、それも参考にしてみて下さい。



http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6245619.html

の#15に書いてあります。

私はここの欄の#3さんの言うように、

>シュレディンガーは、これはおかしいだろうと言ったわけです。

に賛成です。

#2さんに対するコメント:
 量子力学ではエネルギーに対応する演算子はあっても、それに正準共役な時間に対応する演算子が存在しません。その事実は、もし時間演算子があるとすると量子力学に矛盾することがパウリによって最初に指摘されました。従って、時間をオブザーバブル(観測量)と考えることが出来ません。ですから、量子力学では時間は大変特殊で、オブザーバブルではなく、単なるパラメータであると理解されております。だから、余り深く考えずに書かれている量子力学の教科書の主張するような時間とエネルギーの間の不確定性原理は存在していません。そのように深く考えずに書かれた教科書に一見時間とエネルギーの間に不確定性関係があると書いてあるのは、単に座標と運動量の不確定性関係を書き換えただけの不等式です。従って、#2さんの言うように、この問題を不確定性原理と結び付ける訳には行きません。

多分#2さんもご存知だと思いますが、この所謂「時間と時間とエネルギーの間の不確定性関係」を研究者が使うのは、不安定状態の寿命とエネルギー幅の関係を述べる場合だけです。即ち、時間の向きの対称性の破れを論じる場合だけなのです。何か変だと思いませんか。座標と運動量の不確定性関係は対称性の破れに全く無関係なのに、時間とエネルギーの関係を論じる時に限って、突然対称性の破れの話しになってしまう。何故なら、励起状態は我々の未来に向かってのみ基底状態に自発的に遷移しますので、この遷移では時間の向きの対称性を破っている訳です。このことからも判りますように、時間とエネルギーの話しに関しては、演算子の間の単なる交換関係では話しが収まらない物理学の基本的問題に関わっているのです。
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こんにちは。



放射性同位元素から放出される一つひとつの放射線(放射粒子)が何月何日何時何分何秒に放出されるかは、不確定性原理によりわかりません。
ですから、猫を観察しない状態では、猫が何月何日何時何分何秒に死ぬか(死んだか)がわからないということです。
(死ぬ時刻の平均や、ある時刻±何秒という時間幅で死ぬ確率は、計算できます。)

つまり、シュレーディンガーの猫というのは、猫が死ぬ時刻が確率に左右されるという意味の思考実験です。

そして、生物の生死に不確定さ(確率)がかかわるというインパクトのある話だということで、話題性もありました。
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ザックリと言うと、猫は観測しなければ死んでもいるし、死んでもいない状態なのは変だと言うものです。


猫は観測しようとするまいと死んでいるか死んでいないかの必ずどちらかの筈ですから。

これはアインシュタインやシュレディンガーが量子力学の確率を用いて説明するのが受け入れられなかったので考え出した思考実験です。
つまり「電子はどこにに有る」ではなく「この辺に有る確率が何%」と云った具合です。
この曖昧さが彼らには科学としては不完全だと納得出来なかったようです。
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