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物理化学を勉強しているのですが、教科書や参考書を読んでも言葉の意味がなかなか理解できず詰まってしまい困っています。

閉鎖系の可逆変化と不可逆変化とはどのように違うのでしょうか?
閉鎖系では系外と系内の熱の出入りができるので、熱の出入りを利用して反応する場合と系内自身の熱を動かして反応する場合があると考えました。
可逆と不可逆では、可逆は熱の出入りや自身の動かす熱を100%仕事に変換できる、不可逆は100%仕事に変換することができないため可逆で行った分だけの同じ仕事量をするには余分に熱を動かさないといけない(エントロピーの生成のこと)と考えました。

この考え方は正しいのでしょうか?


またギブズの自由エネルギーについてですが、
G=H-TSという式は、まず定温定圧条件で導いているのに、なぜギブズ自由エネルギーの計算の所でdG=VdP-SdTとなり、dP=0とdT=0により初めに消えてえていないのでしょうか?
ギブズ自由エネルギーの式を利用する時点で、定温定圧という条件があると思うのですが…。


どうしてもこの疑問から抜け出せず困っています(>_<)

どなたか教えて頂けないでしょうか??

A 回答 (1件)

ギブスのフリーエネルギーについては私も悩みました。


温度と圧力を変化させないという条件で何が決まるだろうかと思ったのです。
状態方程式からも分かりますが温度と圧力を決めれば状態は決まってしまいます。状態は変化させようがないのです。
トリックがあります。
状態を決める変数が2つではなくて3つ以上のものを考えているということです。
粒子数が変わるような自由度を付け加えているのです。
こういう自由度を想定しているというのは本当は初めに示しておかなくてはいけないはずです。

ギブスがフリーエネルギーを考えた元々の問題意識は化学反応による変化の方向、相変化による変化の方向の判定だったというのが山本義隆の「熱学思想の史的展開3」に載っています。
G=U+PV-TSという式は単に変数変換で求めたものではないのです。
変化の方向というのは不可逆変化の起こる方向です。この方向の判定に使う事が出来るのはエントロピーだけです。
第一法則Q=dU+PdV
エントロピーの表現 dS≧Q/T

この式はどこでも出てきます。普通は閉鎖系でQ=0であればdS≧0という事で終わっているようです。
しかし、これを使うしか方法はありません。
温度、圧力が一定であるような変化が起こるとしたらどうなるかという問いに対しては
dS≧Q/T=dU/T+PdV/T=d(U/T)+d(PV/T)
d(S-U/T-PV/T)≧0
この修正されたエントロピーで判定することができます。
この式を出す段階ではUを記述する変数についての仮定は入っていません。粒子数に関係するような自由度があればそれを含んだ表現になっているはずです。
この式をひっくり返すと
d(U/T+PV/T-S)≦0
d(U+PV-TS)≦0
この式で考えるというのは現象をエネルギーの立場で考えたいという願望によるものです。
新しく定義されたエントロピーという馴染みにないもので考えるよりは使い慣れたエネルギーで考えたいということです。エネルギーは保存するので変化の方向を予測することはできない、変化の方向を予測するためにはエントロピーでなければいけないというのが熱力学の教科書には必ず出てきます。でもエネルギーが低くなる方向に変化が起こるという判断に持ち込もうとしているのです。
安定状態ではポテンシャルが最小になっているというのはエネルギーが逸散して行くというプロセスがあって初めて成り立つものです。その部分を担っているのがエントロピーだったはずです。
でもここではG=U+PV-TSという量を導入してポテンシャル最小のイメージで変化の方向を考えようとしています。この辺がフリーエネルギーの分かりにくい理由になると思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます!!
お礼が大変遅くなってしまいすみません(>_<)

とても丁寧な説明でギブズ自由エネルギーの式の由来、よく分かりました!定圧定温条件でなくても導けるということが分かってずっとモヤモヤしていたのがスッキリしました!教科書も初めからその様に書いてくれたら…と思いました(^^;)

お礼日時:2011/02/01 17:12

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