大学生で弁理士を目指しています。
特許事務所でアルバイトをした経験があるのですが、私語等はほぼ無く、職場というよりは、弁理士という個人事業主と事務処理・翻訳担当という外注先が一箇所に集まって黙々と職務をこなしている、良くいえば独立独歩、悪くいえば交流が皆無(教育制度がないおそれ)、という印象を受けたため、どちらかというと企業への就職に惹かれています(企業の雰囲気は知りませんが、今のところ消去法として)。
しかし、一般に、企業知財では弁理士になっても待遇が殆ど変わらないと聞きました。
このため理想のキャリアの一つとしては、新卒で企業に、経験を積んだ後事務所に転職、かと思いいたりましたが、幾つか不安な点が出ました。
企業や事務所の方等、コメント頂ければ幸いです。
・就職後、10年かそこらで転職する可能性のある学生に対して、企業はどの程度デメリットを感じるのか?
・或いは反対に、その企業の技術を良く知る者が事務所に移るのだから、外注先候補等として考 え、デメリットは全く感じないのか?
・実際のところ、弁理士資格による待遇の変化はあるのか?
・その他、特に抱く印象はあるか?
・事務所勤めの場合、弁理士と特許技術者の待遇差はどの程度か?
・弁理士試験に合格した方の話ですが、弁理士の平均年収の推定額が確か1800万だと仰っていた記憶があります。そのくらいを期待しても妥当なものでしょうか?
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
特許事務所における仕事は、いわば職人仕事です。
1件の仕事は基本的に一人で担当するので、仕事を進める上で交流はあまりありません。教育制度は、個々の事務所によりますが、しっかりした研修制度がある事務所は少なく、「職人」になろうとする新人の自己研鑽によるところが大きいでしょう。勿論、はじめのうちは上司によりマンツーマンで指導を受けられるとは思いますが、一から手取り足取り教えてくれるわけではありません。
企業での知財部員の仕事は、管理の比重が大きいです。勿論、これも企業によりますし、企業内で権利取得手続や訴訟手続を実質的に担当されている場合もありますが、仕事内容の多くは、発明者から上がってくる発明提案書の管理、依頼する特許事務所の選定、特許事務所の仕事内容のチェックなどになります。
大企業に勤務していた知人弁理士のなかには、管理よりも実際の弁理士としての仕事、明細書の作成や、特許庁審査官との交渉などをしたいという理由で、特許事務所に転職された方もいます。
金銭的待遇は、近年は、特許事務所でも企業でも、弁理士資格を有するからといって特別に優遇されることは少なくなったと思います。弁理士の大量合格で資格所有者自体は余っていますから。
弁理士として及びビジネスマンとして実力があれば、企業では昇進という形で優遇されていくでしょうし、特許事務所では給与に反映されていくことが多いですが、これも、大規模特許事務所などでは完全に年功序列になっている場合もあるようです。
現在の弁理士の平均年収はそんなに高くないでしょう。10年以上の実務経験のある弁理士でも年収5~600万円程度というのは良く聞きます。特許事務所経営者に限定すれば、平均でそれくらいになるのかもしれませんが。
ありがとうございます。
個人的に、仕事としては事務所に惹かれますが、果たして無経験で上手くやっていけるのか・・・という感じです。ひたすら先達の仕事を見て盗むしかないという覚悟がいりそうですね。公開公報等を読み込むことから始める感じでしょうか。
まさか企業だけでなく事務所ですら優遇されなくなってきてるとは思いもしませんでした。
弁理士の指導の下であれば、せいぜい審査官等への発言権の有無が資格の有無から生じる差でしょうか?
すると、資格と実務能力の相関が無い上、この程度の差異しかないならば、大量合格と言われているとはいえ未だ難関資格の一つである弁理士を目指す具体的な利点は・・・?
No.6
- 回答日時:
「私語等はほぼ無く、」の原因は、それぞれの売上がきっちり管理されているためでしょう。
事務所によっては、通常の営業職よりもノルマが厳しいこともあるでしょう。
このことは例えば参照URLに挙げたブログでの
「弊所では、翻訳文提出特例期間の利用や外国語書面出願(出願してから2ヶ月後に翻訳文を提出すれば良い)を行う際は、上司、及びその上司の上司の許可が必要だが、その許可をもらうたびに嫌な思いをしたり、緊張したりすることになる」
という記載からもうかがえます。出願してから翻訳文を提出するということは
それだけ請求の時期が遅れるということであり、法律で許されていても
事務所の経営者としては売上の時期が遅れるのは黙認できないということでしょう。
参考URL:http://naosuzukake.blog90.fc2.com/blog-entry-485 …
ありがとうございます。
>それぞれの売上がきっちり管理されているためでしょう。
事務所によっては、通常の営業職よりもノルマが厳しいこともあるでしょう。
大小問わず全ての所内手続で手続処理者のサインが求められていましたから、確かに管理はキッチリなされていたと思います。
しかし、(起業経験はありませんので私のイメージではありますが、)企業の部署で私語が殆ど無いというのは想像しにくいため、こういった違いの原因は何なのだろうと疑問に思った次第です。
営業部門を比較に挙げていらっしゃいますが、営業部門といえば騒がしそうな印象がありますので
ブログの記載を拝見しますと、意外にも体育会系に近い一面があるんですね。。
No.5
- 回答日時:
>収入面については色々と温度差のあるお話が多くてさっぱり実情がつかめません。
。。その方が実務修習で知り合った事務所の方曰く、大体の人は500~程度だそうですが、一方で、先の1800のお話を修習の講師の方が話していたようです。
1800の話は、事務所に雇われるのでなく、自分で開業して軌道に乗れた人、と考えた方がよいかなと思います
ここ2、3年で独立した方ですが、1年目の売上げで1000万程度、2年目以降も延びていっているようですよ
まあ、そのぐらいだと事務員を雇うとかつかつになっちゃいますがね
また、数年前ですが、特許技術者として数年の経験がある人で、合格して事務所を移るためにいろんな事務所に就職活動をしたところ、提示額は500-800の範囲だったようです
ご参考まで
ありがとうございます。
>特許技術者として数年の経験がある人で、合格して事務所を移るためにいろんな事務所に就職活動をしたところ、提示額は500-800の範囲
数年の経験で500-800と聞きますと、1000越えの方が沢山いらっしゃる印象を受けますが、いわゆる上昇カーブは緩やかな業界なのでしょうか?(例え年功序列制の事務所等であっても、)自らの売上のみが組織への貢献に寄与するわけでしょうから、自ずと限界点が近いということなのでしょうか?
かといって売り上げを伸ばすには、独立して事務員を雇うor仕事の処理速度・精度を高めるくらいしか手段が無く、前者だと大体の場合かつかつに、後者にはすぐ天井がある、と。
No.4
- 回答日時:
> しかし、一般に、企業知財では弁理士になっても待遇が殆ど変わらないと聞きました。
自社出願で特許庁に手続きするなら弁理士の資格は不要ですから、待遇が変わらないのが普通ではないかと。
> 就職後、10年かそこらで転職する可能性のある学生に対して
みんなそういう可能性があるわけで、気にする必要はないんじゃないかな。
> その企業の技術を良く知る者が事務所に移るのだから、外注先候補等として
企業で特定の技術分野の出願業務をしていたら外注先候補になることは、ひょっとして
というくらいで、仕事を回してもらえるほど世の中は甘くと思うよ。弁理士の資格を
持っていたら、もしかしてという程度かな。
> 弁理士の平均年収の推定額が確か1800万
開業して営業を一生懸命すればそれくらいはいくのでしょうが、
事務所勤務だと普通の会社と同じくらいでしょう。
No.3
- 回答日時:
> 先の1800のお話を修習の講師の方が話していたようです。
まさに1800という数字を上げている講師の先生を知っています。もしその人のことなら、ご自身の平均年収として話をされていたと思います。
> 公開公報等を読み込むことから始める感じでしょうか。
まずはその通りですね。併せて、明細書の書き方に関する書籍や、法令や主要判例等について勉強することも、なぜこのような書き方になっているかを理解するために必要ですね。
> 弁理士の指導の下であれば、せいぜい審査官等への発言権の有無が資格の有無から生じる差でしょうか?
審査官との面接等は、原則、代理権のある弁理士が行います。
事務所内での担当という位置づけにおいては、資格の有無は、依頼者との単独での面談をさせてくれるかや、上司となる弁理士の最終チェックがいつまでもつくかつかないかという違いでしょうか。
> 弁理士を目指す具体的な利点は・・・?
企業勤務にしろ、事務所勤務にしろ、特許のプロとして生涯仕事をしていかれるならば、資格を取得しておいたほうが良いことは明らかです。資格がないと、いくら実務ができるようになっても業務上制約もありますし、他人から認められないということもあります。
あと、企業勤務の利点としては、より開発の現場に近いところで仕事ができ、肌身で研究開発の成果を感じ取れること、及び、特許がどのように製品に活かされているかを知ることができるということがあります。
ありがとうございます。
修習の講師レベルの方でその程度ということは、(大成功を除いた、)目標の目安、現実的な上限がそのあたりにありそうな印象を受けます。
お話を伺いますと結局のところ、弁理士の資格をとれば(1)職務上の制約が大小問わず外れ、それによって円滑な職務が可能となり、ひいては稼ぎ”やすく”なる、(2)一応半人前のレッテルは外れる、程度の認識が妥当ということでしょうか。
ここ数年間殆どの士業について言われるようになった、「資格での安泰保証は無くなり、単なるスタート地点となった」が例に漏れず弁理士業にも該当するということだと。
そうだとすれば、難しい試験を通過したにもかかわらず、たかがスタート地点というのはやや不満といいますか釈然としない部分が残りますね・・・腕一本で生きていく士業としては確かに正当なのでしょうが
No.1
- 回答日時:
・就職後、10年かそこらで転職する可能性のある学生に対して、企業はどの程度デメリットを感じるのか?
・或いは反対に、その企業の技術を良く知る者が事務所に移るのだから、外注先候補等として考え、デメリットは全く感じないのか?
まあ、転職するつもりで勤務するのは自由ですけど、そんなことを常々公言していたら上司はいい気分はしないでしょうね。使える人間ならデメリットだし、使えない人ならどうぞ辞めてくれ、となるのでは?
円満に辞めて、何事もなく、もといた企業から仕事を貰っている人は複数知っています。
でも、弁理士取得後、すったもんだあって企業を辞めた人を雇うと、外注事務所にとっては営業上マイナスになるので、ほとぼりがさめるまではその企業の仕事はさせられないとか、企業から外注事務所に「この人を雇うと・・」的な圧力があったということも耳にはさんだことがあります。
まあ、うまくやればデメリットとか言われずに済むと思います。
・事務所勤めの場合、弁理士と特許技術者の待遇差はどの程度か?
実力しだい&事務所しだいじゃないですか
実務の出来ない(明細書の書けない)未経験者の場合、弁理士だからというだけでは高待遇は難しい
完全出来高性の事務所もあるし、歴史の長い体質の古い事務所に入った人は、ほとんど年齢だけで給料が決まるといってました
・弁理士試験に合格した方の話ですが、弁理士の平均年収の推定額が確か1800万だと仰っていた記憶があります。そのくらいを期待しても妥当なものでしょうか?
これこそ実力しだいでは
そういう人もいます
でも、はっきりいって、10年後なんてこの業界がどうなってるかわかりません
弁理士はどんどん増えてますしね
ご健闘を、という感じです
ありがとうございます。
>>円満に辞めて、何事もなく、もといた企業から仕事を貰っている人は複数知っています。
でも、弁理士取得後、すったもんだあって企業を辞めた人を雇うと、外注事務所にとっては営業上マイナスになるので、ほとぼりがさめるまではその企業の仕事はさせられないとか、企業から外注事務所に「この人を雇うと・・」的な圧力があったということも耳にはさんだことがあります。
企業、というか上司の性格に多分に依るみたいですね。転職があり得るなら軽はずみな発言をせずに様子見しているのがベターというところでしょうか。
収入面については色々と温度差のあるお話が多くてさっぱり実情がつかめません。。。
その方が実務修習で知り合った事務所の方曰く、大体の人は500~程度だそうですが、一方で、先の1800のお話を修習の講師の方が話していたようです。
どれも事実で、分布の分散があまりにも大きいということなのか、今と昔でそれほどまでに差が出来てしまったのか・・・
標準報酬表?の廃止が一大転換点だったのでしょうか
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