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たびたび質問させていただきます。
大変基本的なことなのですが、タイトルの通り、マルチナショナル(multinational company)と、トランスナショナル(transnational company)の違いについて、教えてください。

ちなみに、私が調べたところでは、日本語ではどちらも「多国籍の」という訳ができるようですが、それぞれの概念は異なっているようで、

マルチナショナルは「工場、鉱山、海外事業所等の資産を2国ないしそれ以上の国々において支配する全ての企業で、企業の資産が多国籍であることを軸としている」、トランスナショナルは「自国外に製品やサービスを扱う事業を所有または支配する企業で、扱う事業が多国籍であることを軸としている」という概念の違いがあるようです。

ここまで調べたのですが、いまひとつ理解できません。トランスナショナルな企業の資産は1国のみと考えてよいのでしょうか? どなたか分かりやすく、説明していただけないでしょうか。

よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

マルチナショナルな企業からトランスナショナルな企業への変化(transformation)は、例えるなら、子供から大人への成長過程のような、連続的なプロセスとして捉えることができます。



ですから、ここまではマルチナショナル、ここからがトランスナショナルというように、明確に線引きをすることは難しいですが、両者の典型を挙げて説明することはできます。

例えば、A国に本社を置く企業のB国にある子会社が、研究開発、生産から販売まで本社と同じような組織を持ち、B国人を雇用し、B国で調達した材料を使って製品を作り、B国内で販売しているような場合は、この企業はマルチナショナルな企業の典型であると言えます。

またある企業が、A国にもB国にも従業員を抱えながら、ある製品の研究開発はそれに適したA国で、別の製品についての開発はB国で、あるいは生産の前工程はA国で、後工程はB国で行なっているような場合は、かなりトランスナショナルな企業であると言えます。

上述の変化(transformation)の到達点(goal)における企業の姿はどのようなものになるでしょうか?それは、EUのように世界経済が(その企業にとっては)実質的に単一の市場となったときに、製品の研究開発、生産、販売、その他の(本社)機能とそのための人材とを、世界中に最適に配置したとき実現されるであろう姿、ということになるでしょう。
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この回答へのお礼

度重なるお願いにもかかわらず、丁寧に説明していただき、本当にありがとうございます。

両者の典型を分かりやすく説明していただいたおかげで、今後はどちらの単語が使われているかによって、文脈をより的確にとらえながら読むことができそうです。

ありがとうございました。

お礼日時:2004/06/05 19:31

マルチナショナルな企業とトランスナショナルな企業、


意味上、重点の置きどころには多少の違い(nuance)が
あるものの、ほとんどの場合、同じ概念と理解して良い
ように思います。

接頭辞multi-が「多数の」、trans-が「越えて、超えて」
という意味合いを与えるので、著者(著作)によっては、
これら二語を使い分けて用いることもあるようです。

例えば、「伝統的なマルチナショナルな企業からトランス
ナショナルな企業へ」といった文章なら、その多国籍企業
内部の組織や構造の違いを問題にしていて、単に複数の国で
同様の事業を行なっているという段階から、その企業の
オペレーションが国境を超えて統合された段階、ほとんど
国境を意識しないで世界戦略を立てることのできる段階へと
進化した、ということになるでしょう。
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この回答へのお礼

何度もご回答くださり、とても感謝しております。

重点の置き所の違いを説明していただき、自分の中でtrans~ と、multi~ の区別がかなりスッキリしました。

もし組織や構造の違いについて、2つを使い分ける際の何らかの定義があるようでしたら、教えていただけるとありがたいです。

お礼日時:2004/06/02 09:53

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