No.2ベストアンサー
- 回答日時:
このような質問に対してお答えしようとするとき、どのように答えれば良いかいつも迷ってしまいます。
今から答えることは、おそらくお知りになりたいこととはまったく異なっていると思われるからです。と言いますのは「人類や生物、地球、宇宙などの起源」についての考え方を自然科学的な考え方であるとすればそれは「進化論」とほぼ同じ時に日本に入ってきた考え方ですから、humihiro2003さんの考えるようなものは日本には無かったということになります。
一つ一つの言葉にはその概念やその概念の背景となる考え方というものが存在しています。今まで、その文化には存在しなかったものや概念、考え方と接した時に新しい言葉が生まれます。ただ、日本語の場合には中国伝来の「漢字」という新しい概念構成に強い、可塑的な(フレキシブルな)道具がありましたので、それを利用して新しい概念を翻訳しようと先人たちは努力しました。その結果、漢字(これ自体輸入されたものです)が既に持っていた概念とはことなるものが新しい言葉によって付与されることになります。これを後代の人間、つまり私たちがみれば、新しい概念の到来以前にもそれについての考え方があったかのように錯覚してしまうわけです。
humihiro2003さんにとっては、進化論の発表は「昔のこと」と感じられるかもしれませんがダーウインの『種の起源』が出版されるのは1859年のことであり、明治維新(1868年)の十年ほど前のことになります。いわゆる文明開化により、欧米先進文化が大量に押し寄せて来たとき我が国ではそれを受け入れて漢字を使った用語を作ることでなんとか消化するのに精一杯でしたし、お知りになりたい「人類や生物、地球、宇宙などの起源」についての自然科学的な考え方自体もその頃に入ってきたのです。
そうして、それらを消化して我が国ではどうであったかという反省が起こった時に見いだせるのは、仏教による生命観(因果応報による六道輪廻がそれにあたると考えられます)・宇宙観(曼陀羅によって示されます)などが似た主題(テーマ)を扱ったものかと思われます。
以上のことから
>聖書に反するということで衝撃がはしったらしいですが、
>日本ではどうだったのでしょうか?
というご質問に対しては、何の反響もなかったか、せいぜい「はぁ」とか「ふーん、そうですか」ということになろうかと思います。だって、自分が良く知らないことを言われて明確な感想など持ちようがないと思いませんか?
蛇足ながらそういう一例をあげますと、いきなり「今期竜王戦第4局における森内の7二桂成からの寄せはすごかったね」と言われて、どのような感想をお持ちになりますか?
ご回答ありがとうございます。
>蛇足ながらそういう一例をあげますと、いきなり「今期竜王戦第4局における森内の7二桂成からの寄せはすごかったね」と言われて、どのような感想をお持ちになりますか?
はい。確かに、あの寄せで勝負が決まりましたからね。
・・・なんて思えませんものね。
それまでたいして興味なかったことを教えられても、
「へぇ~」と思うだけで、それ以上の意見は言いにくいですからね。
No.5
- 回答日時:
No.1です。
ご質問とは直接関係ないのですが
>イスラム教や仏教の世界観は「梵我一如」ですよね。
この記述は正しくないので、訂正させてください。
仏教は梵我一如(など)の否定から生まれています。
詳細はこちらをご覧ください。
http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=718920
仏教は梵我一如を否定していますが
その代わりとなる「新しい世界観」を導入したわけではありません。
仏教は世界の起源、真理、神、世界そのもの、肉体から
それらを伝える手段である言葉まで一切合財を否定します。
ただし、否定しっぱなしでは虚無に至ってしまいます。
私たちは虚無の中に住むことはできません。
仏教は否定作業のもろもろの段階の中で
新しい自己が蘇ってくることを重視します。
ここが仏教の面白さ?であり難しさでもあると思います。
ご質問とは直接関係ないと断りながら
長くなってすいませんでした、
No.4
- 回答日時:
すでにいろいろな人からありますので、補足として参考を申します。
進化論については、大きな反響を聞きません。理由は、3さんの通りだと思います。宇宙論については、仏教界から反論があがりました。進化論については、淡泊な仏教ですが、宇宙の形態についてはオーソドックスなモデル(と言っても、絶対的なモデルはないです)がありまして、それからの反論です。これは、結構ありました。
進化については、進化論を認めても、仏教界をはじめとする当時の知識人は、不都合を認めなかったのかもしれませんが、宇宙論については、仏教僧は反感を感じたようです。自らの世界観が崩れると感じたのでしょう。
須弥山儀
で検索されると、関連事項がいくつか出ます。
No.3
- 回答日時:
進化論は日本では反感をまねくことなく、新しい学問として概ね肯定的に受け入れられたのではないでしょうか。
進化論が日本でよく知られるようになったのは、明治の初めに来日したE.S.モースによるところが大きいとされていますね。腕足類の研究で日本を訪れ、大森貝塚の発見に至ったわけですが、彼は来日前にダーウィニズムを信奉する旨を公式に表明し、後には直接ダーウィンに師事した熱心な進化論者でした。
以下はモースにまつわる言わば状況証拠なのですが…
そのモースは望んだわけでもないのに東京大学初代動物学部教授の職を与えられ、結果的に2クラス90人の優秀な子弟たちに進化論をベースに講義を行うことになりました。また、彼ら弟子はモース教授を敬愛し、後に医学、植物学、考古学など多岐の分野で日本の教育界の指導者となっていきます。さらにモース自身が学外で盛んに講演を依頼されて盛んに進化論を語ったこと、モースの講義録である『動物進化論』が日本語による最初の動物学の教科書として明治16年に出版されたこと…こういった事柄を眺めてみると、総じて進化論は当時の趨勢であった「科学的な学問」を代表するものとして、少なくとも知識層には広く受け入れられたように伺えます。
特に、モースの通算滞日期間はあまり長くありませんが、それでも彼がその後の日米交流全般にもたらした大きな好影響をみれば、彼が人間的にも学者としても尊敬に足る人物として受け入れられたことは間違いありません。このことは間接的に、進化論に根ざす彼の学説が信頼をもって受け入れられたことを意味すると思います。
モースの弟子である石川千代松の述懐によると、モースがもたらした進化論を攻撃したのは日本人よりもむしろ東京大学で既に講義を行っていた「お雇い外国人」たちであったようです。彼ら外国人教師の多くは宣教師でもありましたから、キリスト教の教えに反する説を吹聴するモースは非常に疎ましい存在に映ったのでしょう。
進化論がわが国でさほど反感を招かなかったのは、それなりの背景があったと思います。特に日本の宗教は仏教であれ神道であれ、変化していくこの世の現象の意味づけに比べて、「始源」や「起源」と関係する歴史の意味づけに淡白です。そもそも仏教は起源について語りませんし、本来は世界の成立の起源について語るものである神話も、日本では「作る(創る)」という意図よりむしろ「成る」という感覚が表明されているに過ぎません。
実際、『古事記』の始まりは、造化三神という神々が世の中をより分けていくうちに新しい神が地面から葦のように生まれてきて、この神が泥を仕分けるなどして働くうちに木の神や動物の神が生まれてきた、やがて人間の祖である男と女の神も生まれ、彼らが(柱をまわるなどして)働くうちに山の神が生まれ…といった具合で、なりなりて成っていく姿を単に擬人的に語ったに過ぎないとも言えます。要はわが国ではある意図や意味にのっとってこの世を説明しようとする気がもともと希薄なのです。
結果、その表れとして、キリスト教が人間を神の御姿である存在として重視するのに比べ、日本では人間を自然のなかの一部分として受けとめて、あまり特別視しないわけですね。逆にその意味では、日本では西洋的なヒューマニズムの意識、つまり「同じ人間という特別な特質に基いた共感」は希薄だったわけですが。
もちろん、こういった「日本人論」的なことは絶対的な指標にたって言うものではなくて、西洋的な他者の眼に照らされて初めていい得るわけですが、例えば幕末から明治初頭に日本を訪れた西洋人たちの残した記録がいろいろと出版されていますが、こういったものは参考になるのではないかと思います。
上述したようにモース「日本その日その日」(東洋文庫)にもこの類の日本人の特質についての記述が多くありますし、ブラウンという宣教師の記録である「S.R.ブラウン書簡集」(日本基督教団出版部)にも、日本人と一緒に漢訳の創世記を読んだ際、人間が神の最高目的である創造物だという内容にその日本人がいたく驚いて、「人間が植物や動物より優れたものである」ことをなかなか納得しなかった旨の記載があります。
No.1
- 回答日時:
まず、書物を一冊推薦します。
■河合隼雄「神話と日本人の心」岩波書店
ここに日本の神話の特徴として
ヘブライの神話(即ち聖書)に較べて
神と人間の距離が非常に近しい、というか
神が絶対的存在でないことが指摘されています。
日本の神話は中国の神話がベースになっていると推察されていますが
アフリカやアイルランドなどの神話にも同じ傾向が見られるそうです。
これらアニミズムや多神教の国の神話には
宇宙の「起源」を説くような世界観が明確には見えないようです。
逆に考えれば、起源とか普遍とか真理とか絶対を追究するのは
一神教特有の世界観ではないかと思うのです。
インダス文明をベースとし、ヴェーダの教えの中から生まれた
イスラム教や仏教の世界観は「梵我一如」ですよね。
要するに「宇宙の真理(梵)」と「個々の我々(我)」は
本来一体(一如)である、と。
「創造論」的世界観を持たないこれらの国では
さほど「進化論」に対する抵抗はなかったと思います。
進化論に対する抵抗感よりは、西洋近代文明に対する抵抗の方が
大きかったのではないでしょうか?
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