
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>有名な作家なのですが、太宰や芥川ほどの人気のある作品の数が少ない為…
なにがどう有名なのか確かめもしないで、「太宰や芥川ほどの人気のある作品の数が少ない」などと勝手に言明してはならないでしょう。
弱冠22歳にして紅葉は露伴とともに、そのデビュー作からしてたちどころに「咲盛る文壇の花形といふべき作家」(緑雨「日用帳」)と称賛されたほどで、しかも一文壇に留まらずその反響は社会的事件をなしたほど画期的だったとされています。
太宰のデビューが27歳で自殺が39歳(作家歴16年余)、芥川のデビューが22歳で自殺が35歳(作家歴13年)に対し、紅葉のデビューが22歳で肺がん死が36歳(作家歴14年弱)でほぼ類似しており、またその作品ごとの当時の人気度は決して勝るとも劣るものではありません。
しかも、紅葉の場合は、その衝撃的なデビュー作は雅俗折衷の美文体として言文一致の動きに挑戦したものですが、24歳の作品では「である」調の洗練された文体を創作して大成功を収め、「だ」調の二葉亭、「です」調の実妙とで、見事に鼎立させる新機軸を以て当時の社会に衝撃を走らせた事は歴史に残された通りです。
新時代の開拓者として、この「である」調の研鑽・辛苦を重ねたがために、その後の創作活動は停滞を余儀なくされたものであり、またそれ故に代表作「多情多恨」という精妙な成果を生むに至ったものでしょう。また、彼の新聞小説「金色夜叉」が未完でありながら永年にわたり日本の演劇界に、いや大衆社会に齎したインパクトの強大さのほどは、芥川・太宰クラスとは比較にさえなりません。
何よりもまず、紅葉の作品そのものを読む作業なくしては、ことは始まりません。
そして、こつこつ読みながら、強く感じた箇所ごとにチェックを入れ、感想メモを付けることです。
たくさん溜まったそのメモを纏める作業を始めたら、それがあなたの作家研究への確かな一歩です。
おまけですが、読み続ける困難さに疲れた時には、私が参考にした次のような評論などで骨休めを愉しんだらいかがでしょう。
坪内祐三「慶応三年生まれの旋毛曲り─漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代」(新潮文庫)
http://www.shinchosha.co.jp/book/122634/
回答ありがとうございます。
二週間という期間の課題でしたので、一体どこまでまとめたらいいのか、何をもとにすればいいのか迷ってたところで…
回答者様の仰ったように、まずは作品をできるだけ読むところから始めようと思います。一応「多情多恨」「三人妻」あたりまで読んではいるのですがなかなか難しいですね…
また、人気のある作品が少ない、というのは語弊がありました。申し訳ありませんでした…
一つの作品についての研究史のまとめられた本が、夏目や太宰、芥川のように簡単に読める場所で取り扱われていない為、間違った解釈をしていました。
骨休めのアドバイスもありがとうございました!
参考にさせていただきます!
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