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仇討についてちょっと調べ物をしているのですが、日本での場合(特に法文献・慣習等)について詳しく解説している書籍などあれば、教えていただければうれしいです。よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

ごく若干ながら私の知る範囲で。



お考えのものとは異なるかも知れませんが、平出鏗二郎『敵討』(中公文庫)は敵討の全体像を明確にした重要な著作で、敵討の由来からその背景にある思想が実例を通じて検証された力作です。思想面と制度面に重点があるため、残念ながら法律面での考察が充実しているとは言い難いのですが、もしも未読であれば(また時間があれば)是非ご一読をお勧めします。

また笠谷比古『武士道その名誉の掟』では、平出の著作に依拠しながら、敵討を「喧嘩討果し」~「武家屋敷駈込」という一連の慣行と同様の精神に基くものと分析しています。
つまり、自己の名誉が侵害された際の武士の自己救済権として「喧嘩討果し」が存在するのであり、およそ武士たる者はこの精神に則って武士道を貫徹した武士に対しては誠意をもって対応すべき社会的要請がありこれが駈込者をかくまう慣習につながったこと、さらにこれに順ずるものとして「敵討」が広く是認されたことを挙げ、敵討を支える武士道の背景には名誉、とりわけ忠君というタテの関係のそれでなく、独立した武士として地位や立場を超えた個のヨコのつながりによるものであった、と分析しています。

法律面で言うと、決して詳細ではありませんが近世法に詳しい平松義郎『江戸時代の罪と罰』にも「刑罰権」の項目でわずかながら敵討が紹介されています。
ここにも記載があるのですが、「近世の敵討は武士家族集団の合戦・私闘に由来するものであるから、武士に本質的なものとして領主法的規制を超える性格を持っている」、また「武士的な意地、忍耐、勇武の率直な表現として社会的是認を得た」と、やはりここでも従来同様の分析がなされています。
これらの分析をいれるとすれば、一義的には名誉のためであった敵討が金銭的な補償に置き換えがたい社会的価値を持っていたことは当然すぎることではなかったかと思います。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなってしまってすみません。
ご紹介頂いた本、早速探してみます。

日本では敵討と武士道が非常に強く結びついており、さらに儒教の影響(不倶戴天という言葉もあるように)によって敵討が賞賛されるべきものとなったのかもしれないですね。

回答もとても参考になりました。どうもありがとうございましたm(__)m

お礼日時:2004/01/28 19:18

敵討=徳川幕府の法則用語で、一般的には仇討といった。


武士本来の名誉を守るということで、一定の条件のもとで仇討を公許したが、主君の許可を得るなど,いろいろと制限があるためほとんど許されなかった。
仇討禁止令発布 明治6年2月5日

↓日本三大仇討
伊賀越え、曽我兄弟、忠臣蔵
http://www.ict.ne.jp/~komaru/adauti.html

参考URL:仇討

↓最後の正式の仇討:参考文献あります
http://www.ee-next.com/adauchi/

参考URL:http://busino-ikuji.hp.infoseek.co.jp/adatop.htm
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この回答へのお礼

回答有難うございます。
仇討ちの制度(慣習法的要素が強かったのかもしれませんが)の詳しい発展過程を、東欧の血讐制の消滅と比較したいのですが、そのような事情を詳しく紹介している本を探しています。

東欧では復讐が金銭による賠償に変えられましたが、日本ではなぜそれが行われなかったかご存じないでしょうか?

お礼日時:2004/01/17 18:17

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