No.1
- 回答日時:
はじめまして。
この質問を見て読まねばと思っていた原民喜詩集を思い出しました。
原民喜の詩はひとつだけ知っています。引用します。
感涙
まねごとの祈り終にまことと化するまで、
つみかさなる苦悩にむかひ合掌する。
指の間のもれてゆくかすかなるものよ、
少年の日にもかく涙ぐみしを。
おんみによつて鍛へ上げられん、
はてのはてまで射ぬき射とめん、
両頬をつたふ涙 水晶となり、
ものみな消え去り あらはなるまで。
青空文庫からの引用です。この詩をはじめてみた時は感銘を受けましたね…。
後、お勧めなのは
有名どころですが、中原中也、宮沢賢治の2人です。
口語体で読みやすく、透明感のある美しい詩が多いと思います。
宮沢賢治から詩じゃないけど代表的な歌を一つ引用。
星めぐりの歌
あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の つばさ
あをいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。
オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす、
アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち。
大ぐまのあしを きたに
五つのばした ところ。
小熊のひたいの うへは
そらのめぐりの めあて。
外国人は詩という微妙なニュアンスを翻訳によって失われてしまうのか、
私はあまりピンとこなかったのですが(ランボーとかボードレールとかワーズワースとか)
それでもこれは好きだなというのは
オマルハイヤームのルバイヤート(岩波文庫の口語体の)です。
酒で生存の苦しみを紛らわすような詩が多いです。一つ引用しましょう。
愛しい友よ、いつかまた相会うことがあってくれ、
酌み交わす酒にはおれを偲んでくれ。
おれのいた座にもし盃がめぐって来たら、
地に傾けてその酒をおれに注いでくれ。
他に著名人が感化されたので
作家の塩野七生が若いころにイーリアスを読んで原文で読みたいと非常に感銘したような話を
読んだ記憶があります。
私はイーリアスは良くわからなかったのですが、(オデュッセイアのほうが面白いと思う…)
もし機会があったら呉 茂一訳が韻を踏んで訳しているらしいので
読んでみたいと思っています。
普通に読む文には口語訳されている本が出ています。
ではでは参考まで…。
ご丁寧なご回答をありがとうございます。
様々なものをお勧めしていただいたので、図書館のほうへ赴いて好みのものを探してみようと思います。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
私も詩はあまり知りませんが
「現代名詩選」新潮文庫 伊藤新吉編 (上、中、下)が
年代別に色々載ってて良かったです。
ついでに、いくつか好きな詩を引用しておきます。
「高圧線の幾すじ 凍れる国に絃を張る 音楽圏の北の涯て」
トランストロンメル
「一粒の砂に世界を見 一輪の花に天国を見
手のひらで無限を握り 一瞬のうちに永遠をつかむ」
ウィリアム・ブレイク
「花はなぜうつくしいか ひとすじの気持ちで咲いているからだ」
八木重吉
なるほど。何とわたしに適したご回答なのでしょう。
わたしのような詩に疎い人間は、1人の著者、1つの時代でまとめられたものを読むよりも、まず様々な著者・時代の名詩をまとめてあるものを読み、好みを探した方が良いかもしれませんね。ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
No.4
- 回答日時:
昭和11年に25歳で夭折した四季派の詩人、立原道造の詩をお奨めします。
つむぎ出された言葉はとても美しく、心に響きます。ほとんどの詩がインターネットの「青空文庫」で読むことができます。
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person11.html
ひとつだけ引用します。
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のちのおもひに
夢はいつもかへつて行つた 山の麓のさびしい村に
水引草に風が立ち
草ひばりのうたひやまない
しづまりかへつた午さがりの林道を
うららかに青い空には陽がてり 火山は眠つてゐた
――そして私は
見て来たものを 島々を 波を 岬を 日光月光を
だれもきいてゐないと知りながら 語りつづけた……
夢は そのさきには もうゆかない
なにもかも 忘れ果てようとおもひ
忘れつくしたことさへ 忘れてしまつたときには
夢は 真冬の追憶のうちに凍るであらう
そして それは戸をあけて 寂寥のなかに
星くづにてらされた道を過ぎ去るであらう
----------------------------------------------
No.6
- 回答日時:
美しい(日本語の)表現に出会うためならば,日本人が日本語で書いた詩集が良いかも知れません。
下記は、3年ほど前に、「詩」を求める質問があった時に回答したものです。
1、和歌
○古典 『万葉集』『古今和歌集』『新古今和歌集』 が良いと思いますが 手始めに 『百人一首』から
○ 近代では 斎藤茂吉『赤光』など
2、俳句
松尾芭蕉 紀行文集『奥の細道』 ほかに 蕪村 一茶 など
3、近代詩現代詩
室生犀星 詩集「愛の詩集」「抒情小曲集」
小景異情 ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しく歌ふもの
‥…
宮澤賢治 詩集「春と修羅」
永訣の朝 けふのうちに
とほくへいってしまふわたくしのいもうとよ
‥…
中原中也 詩集「山羊の歌」「在りし日の歌」
春日狂想 愛するものが死んだときには、
自殺しなけあなりません。
‥…
安西冬衛 詩集「軍艦茉莉」
春 てふてふが一匹辰韃靼海峡を渡って行った
立原道造 詩集「萱草に寄す」
はじめてのものに
ささやかな地異は灰を降らしたこの村にひとしきり
‥…
伊東静雄 詩集「わがひとに与ふる哀歌」
帰郷者 自然は限りなく美しく永久に住民は
貧窮していた
‥…
吉本隆明 詩集「固有時との対話」
街々の建築のかげで風はとつぜん生理のようにおちていった
‥…
吉増剛造 黄金詩篇 ‥…‥…
下北沢裂くべし、下北沢不吉、日常久しく恐怖が芽
生える、なぜ下北沢、なぜ
その他 阿久悠 中島みゆき 尾崎豊 などなど。
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