電子書籍の厳選無料作品が豊富!

一昨日、ルネサスからとても大掛かりなリストラ計画が発表されました。

そこでいくつか素朴な疑問があります。

まず、同社の2012年3月期の決算値(単独)は次のとおりです。
  売上高:   7,330億円
  営業利益: ▲790億円
  従業員数:  13,000人
  平均年収:  730万円/人

ルネサスは従業員の1/4程度の離職を計画しているようです。 その場合、単純計算だと年間約237億円(=13000人×25%×730万円)の人件費が削減できることになります。 ですが、営業利益が▲790億円と大赤字あることを踏まえると、1/4の従業員を失っても業績への効果は微々たるもののように思えてしまいます。 その一方、従業員が減った分、売上高もある程度は落ち込んでしまうでしょう。

また、これは憶測ですが、退職する従業員は通常の退職金に加えて約2年分の年収に相当する割増金が提供されるようです。 つまりルネサスは約474億円(=237億円×2年)もの割増金を負担するわけです。 特損金として計上しようがしまいが、膨大な金額を負担することに変わりはありません。

このような収益改善には大した効果がなく、また割増金等で膨大な負担をしてまでなぜ急かされるように人員を削減を急ぐ必要があるのでしょうか。 過去15年間は茹で蛙(ユデガエル)のように大した施策を施さなかったのに・・・ お上(経産省?)、大株主(日立、三菱、NEC)の顔色をうかがうための単なるスタンドプレーなのでしょうか。

「苦しいときは、時間の大きな流れに身をまかせ、楽観的に考えること。困難なときこそ、その人間の真価が問われます。」(NEC元会長 関本忠弘)

念のためコメントしますが、当方はルネサスの関係者ではありませんし、同社に恨みがある訳でもありません。 世界市場を席巻していた日本の半導体企業がこの20年間で著しく業績が落ち込んでしまったこと、日本の様々な企業がこれまではタブーとされていた人員カットを中心とした大掛かりなリストラに積極的に取り組むようになってきたことを危惧してこのような質問をさせていただきました。

※データについては本来であれば連結値を参照したいのですが、従業員の年収が公表されていないため単独決算のデータを使いました。

A 回答 (4件)

それはいいとして、よくM&Aでは1+1=2ではなく、3にするとか4にしてみせる、と辣腕経営者は発言します。

 ルネサスにおいては1(日立)+1(三菱)+1(NEC)=3どころか2になってしまっているわけですね。

敵対的買収なんかだと、よくそういうことを言いますよね。
なぜか?
買収 → スリム化 → つまり従業員削減
という選択肢もあると話してしまえば、従業員が反対しますので。

ルネサスのケースがどうかはわかりませんが、エレクトロニクス関係ですと、この20年は、不採算部門の分社化、分社同士の合併 さらに縮小というのが多いように思います。
携帯電話などはそうですよね。液晶ディスプレイなんかもそういった範疇
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答していただきありがとうございます。

確かにエレクトロニクスの分野では合従連衡が多いですね。 ただし日本電産以外は成功例が思い浮かびません。

JALとか日産の場合はスリム化をすれば次の道筋が見えてくることが理解できました。

ですが、ルネサスの場合はスリム化をしたところでいったいどのような業態をめざしているのでしょうか? マイコン専門の総合半導体ベンダーであったとしても量産効果が望めずコスト面で負けてしまいます。  海外に製造委託する、ということですが、これは自社工場で製造することの事実上の敗北宣言に思えてしまいます。 

お礼日時:2012/07/08 07:46

ルネサスはもともと利益率の低い会社でした。

儲かる時には儲かるが波が大きいメモリ事業からは離れ、脱メモリを目指したと思いますが、ロジック回路は大きいところ(パソコンやIT)をインテルなど米国勢に抑えられ、設計とものつくりを分業する傾向が出てからはものつくりでも台湾の台頭を許しました。車や家電などでは頑張ったようですが。

もともと日本の半導体は大いに栄えた時期があり、プライドもあって頑張ろうとしたと思いますが、なにせロジック系は設計に手間ひまがかかり、製品あたりの販売数も限られ、利益率が出ていませんでした。マイクロソフトやアップルやIT企業が顧客についている米国の半導体会社とは競争にならないのですね。さらに数社(日立+三菱+NEC+富士通)が合体した会社のため、頭でっかちで経営がうまく行きませんでした。地震の被害も大きかったと思われます。

ここらでシャッフルするのは妥当な動きで、立派な社長さんがいれば立ち直れるかしらと思います。それでもエルピーダは潰れましたから、ルネサスが立ち直れるかどうかは未知数ですが、合併の連続で戦線拡大し過ぎた太平洋戦争のような状態から一旦戦線縮小する必要があるのだと思われます。

当面は工場閉鎖と従業員のリストラにとどまらず「海外への生産委託による開発費や設備投資の抑制」を指向するでしょう。また、これまでルネサスのシェアが高く儲かる製品を指向するでしょう。

本質論をいえば半導体は何のための半導体製品を作るかが課題で、マイクロソフトやアップルのような顧客がいてくれると半導体会社も潤うわけです。その意味で日本国内で顧客となる会社がいてくれることが重要です。MPUの設計では米国に負け、ものつくりでは韓国や台湾に負ける日本で、車や家電などに頼るしかないルネサスの現状のようですが、何とか頑張って欲しいと思います。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

太平洋戦争の例えがとても興味深いです。
世界で散々暴れた挙く、収集がつかなくなってしまった、という意味では1945年当時の日本と今の日本の産業界は似ているのかもしれません。
今日の夕刊の一面には「サムスン営業益最高」の見出しが。 なんと4-6月期の営業利益が5000億円近いそうです。
サムスン、インテル、TSMCはボロ儲けしているのでしょうね。 でもそれ以外の世界の半導体メーカーはジリ貧という・・・
ルネサスのプレスリリース文を読むと「東日本大震災やタイの洪水の影響に加え、世界経済の停滞等」が売り上げ現象の理由に取り上げられていますが、震災を受けた那珂工場は仕方がないにしても、同じ経済環境の中で儲かっている会社は儲かっているのですから、ルネサスの幹部には言い訳ばかり言って欲しくない。
日本の半導体産業+電機業界は今はハードランディングをしてしまいましたが、なんとか死に物狂いでがんばってほしい。 半導体産業とはあまり関係のない仕事に従事していますが、自分も子どもたちの将来のために今夜もこれから一仕事します。
とても貴重なご意見ありがとうございました。

お礼日時:2012/07/06 20:20

社員一名あたり企業としてのコストはだいたい社員に支払っている給与の2~3倍程度です。



給与
各種保険
ファシリティコストなどなど

などなど 237×3=711億/年 位な感じになります。

合併前
2009年のNECエレクトロニクス 売上 550 旧 ルネサス 702 合計 1252(十億)
2012年のルネサス 売上 883(十億)

以上連結ベースで、30%落ちているから企業規模もそれに見あって縮小しないとやってられないと思います。
製品内容や単価なども変わっていますが、大雑把に製品内容も単価も変わっていないすると2009年に対して、生産能力が30%余剰になっているというのが現状。
逆に考えると 40%減らさないと間に合わない勘定になります。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

売り上げが30%も落ちてしまえば人員も工場もそれに見合った規模まで縮小する、というのはご指摘のとおりと思います。 というか、リーマン直後の2009年の売り上げ(=既に大幅に落ち込んでいたはず)に対してさらに30%も落ち込んでいるなんて酷すぎます。

↓でも述べましたが、ルネサスのプレスリリース文には「財務基盤の強化と安定的な収益体質の実現に向けて、早期退職優遇制度を実施する」と記載されています。

「財務基盤の強化」と「安定的な収益体質」を実現するために人財を(削減ではなく)増員する、既存の人財を徹底的に教育する、というのならわかりますが・・・

それはいいとして、よくM&Aでは1+1=2ではなく、3にするとか4にしてみせる、と辣腕経営者は発言します。 ルネサスにおいては1(日立)+1(三菱)+1(NEC)=3どころか2になってしまっているわけですね。

数ヶ月前の新聞報道ではこれに富士通のシステムLSIも加わる、ということなので、ルネサスっていうのは電機メーカー各社の赤字事業のゴミ箱のような会社に思えてしまいます。 ルネサスの関係者の方々に対して失礼なことを書いてしまいましたが、なんとか起死回生する手段はないものでしょうか。

貴重なコメントありがとうございました。

お礼日時:2012/07/06 05:58

人員削減の効果は人件費削減だけではありません。

むしろ経営合理化の主眼は工場の統廃合にあります。工場を廃止したいから工員の首を切るわけです。毎年、赤字を積み上げるだけの工場を運営し続ける意味はありません。工場を廃止する為の一時的な出費はそれこそ何ほどのことも無い。無駄な工場を抱えるだけでも莫大な事業所税を企業は毎年、地方自治体に払っています。完全に休業していて何も生産していなくても床面積に応じて事業所税を払わされる。何も機械が稼動していなくても電気、ガス、水道などの経費もかかります。そういう費用をまかなうだけの利益を挙げられないなら、工場を抱える意味がないのです。また企業は人を雇うことで直接的な人件費以外にも社会保障費を払っています。通勤定期などの交通費、厚生年金・健康保険・雇用保険の企業負担分、所得税などの源泉徴収事務費、研修費、管理費、などなど人を雇うには様々な費用がかかるのです。そういう費用をまかなうだけの利益を挙げられないなら、工員を抱える意味がないのです。

質問者さんが経営者になったつもりで考えていただきたい。空虚なマスコミ報道に囚われている限りは理解が困難だと思います。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

早々に回答いただきありがとうございました。
ご指摘のとおり「生産拠点の再編が急務」→「よって人員削減をせざるを
得ない」というのが実情なのでしょうね。 また、自分自身がマスコミ報道に多少は振り回されていることも否定はしません。

ルネサスのプレスリリース文には「財務基盤の強化と安定的な収益体質の実
現に向けて、早期退職優遇制度を実施する」と記載されています。

「人員削減」が「財務基盤の強化」と「安定的な収益体質」に直接的につながっているように読めるので、その論理展開は無理があるのでは、と思いました。
(プレスリリース文はこちら→ 
http://japan.renesas.com/press/news/2012/news201 …

いずれにしても工場を運営する上での負担額などもとても勉強になりました。 ありがとうございました。

お礼日時:2012/07/06 05:43

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!