今回、X線についてお聞きしたく思います。
原発事故により、放射性核種が生成されると、α線、β線、γ線、X線、中性子線
が放出されると聞きます。またα線は、ヘリウムの原子核、β線は電子線、
γ線とX線は電磁波、中性子線は、その名のとおり、核子の中性子であると聞きます。
今回、お聞きしたいのは、α線、β線、γ線、X線、中性子線の5つ、すべてが、
放射性核種の原子核の崩壊によって、生成されるものなのかお聞きしたく、思います。
X線は、原子核の崩壊によって、生成されるものではなく、原子核の周りを回っている
電子によって、作り出されると言った話も聞きます。これが本当は分かりませんので、
確認のため、お聞きしたく思います。
No.6ベストアンサー
- 回答日時:
No.5です。
Spring-8の自由電子レーザは、全然間違えていましたね。調べもしないで済みませんでした。
X線が電子由来と書きましたが、これは間違いなく、自由電子レーザではこの電子ビームをターゲットにぶつけるのではなく、ビーム自身を電磁的に蛇行させ、その制動X線(かな?)を利用しようというもののようですね。電磁的に蛇行の波長を変え、任意のエネルギーのX線もしくは光(レーザ)を得る、というもののようです。
こんな設備が作られていたのですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%94%B1% …
Tann3さん、NO.5、NO.6と、X線の発生メカニズム、またX線自由電子レーザー
についても、詳しい解説を頂き、大変お世話になりました。
完全ではありませんが、X線について、鮮明ではありませんが、理解が増した
感があります。有難うございます。
No.5
- 回答日時:
回答の中に、「ガンマ線とX線の違いは波長の違いにすぎません」とありますが、これは正しくありません。
「ガンマ線とX線に波長などの外見上の違いはなく、生成の原理が違う」ということです。
質問者さんのおっしゃるように、「原子核の反応から生まれる電磁波はガンマ線」で、「X線は原子核の周囲の電子によって生成される電磁波」です。ガンマ線もX線も、同じような波長をとり得ます。
電子と陽電子を含む、粒子と反粒子の対消滅によって発生する光子(電磁波)は、X線とは呼ばずガンマ線と呼ぶのが一般的だと思います。
たとえば、↓wikipediaを参照下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/X%E7%B7%9A
X線は、原子核の周りを回る電子が、エネルギーの高い軌道から低い軌道に移るとき余剰のエネルギーを電磁波として放出するもの(特性X線)、電子ビームが他の物質の原子核や軌道電子と相互干渉して運動エネルギーの一部を放出するもの(制動X線)とがあるようです。いずれも原子核由来ではなく、電子由来ということです。
X線は、通常は真空中で加速した電子ビーム(電気の流れ)を特定の標的物質にぶつけることにより発生させます。X線発生装置の構造は詳しく知りませんが、アンプなどに使う真空管や、蛍光灯のような原理で電子を放電・加速するものと想像しています。
No.2の回答の補足に書かれているのは、レーザーで電子にエネルギーを与えて高い軌道に移らせ(励起という)、その電子が低い軌道に戻るときに発するX線を利用するものではないかと思います。(私の想像ですので、違っているかもしれません)
このように、X線は、ガンマ線に比べ、発生や停止を人工的に制御できること、利用目的にあったエネルギーのX線が得られることにより、医療など広範囲に応用されているのはご承知のとおりです。放射線は恐れるべきですが、X線装置のある病院などを恐れる人がいないのは、完全に制御可能だからだと思います。
原子核反応から発生するガンマ線は、そう簡単に発生/停止を制御できませんので、使いにくいわけです。ただし、X線発生装置を持ち込めない場合には、弱いガンマ線の「密封線源」を用いて、非破壊検査などを行ないます。この場合の「密封線源」は、通常時は鉛の遮蔽容器に保存するなど、厳格な管理が必要です。
No.4
- 回答日時:
放射線は、放射性同位体が放射性崩壊するときに放出される粒子線、あるいは電磁波のことで、α 線、β 線、γ 線をさして用いられますが、X 線や、加速器ビームの照射によって生成する中性子線などの二次粒子線、宇宙線など、同じ程度あるいはそれ以上のエネルギーをもつ粒子線、電磁波を含めていうこともあります。
程度に差はありますが、一般に、物質中で透過力をもつことが特徴です。放射性崩壊で不安定核がよりエネルギーの低い核へ変化するとき、そのエネルギー差が放射線粒子のもつエネルギーとなります。
α線は電気素量の2倍の電荷を帯びるヘリウム原子核の粒子線、β線は電子線(β+崩壊では陽電子線)、γ 線および X 線は波長の短い電磁波(あるいは光子線)です。
内部転換で放出される軌道電子も一種の放射線とみなすことができます。
これらの放射線は親核の寿命のためにしだいに減衰していくのが特徴ですが、これに対し、原子炉での核分裂や、加速器ビームによる核反応の際には、反応と同時に多くの中性子線やγ線が発生します。
放射線の物質との相互作用は、個々の放射線で特色がありますが、大別して、α線などの荷電粒子、中性子線などの中性粒子、γ線などの電磁波に分けて考えられます。
荷電粒子は物質中に飛び込むと、多数の原子の中を高速で飛び抜けていく間に、原子内の電子をたたき出したり(電離作用)、高い励起状態にもち上げたりすることによって、次第にエネルギーを失っていき、最後には静止します。
このとき、物質中を通過する長さ、つまり飛程は粒子の最初の運動エネルギーと物質で決まります。電離作用は粒子の荷電の大きいほど、また、エネルギーが低いほど強いです。
電子線の場合には電離だけでなく、制動放射を放出することでも電子はそのエネルギーを失っていきます。また原子核に散乱されて、その方向を途中で大きく変えることも見られます。
中性子は電離作用がなく、原子核との散乱でのみエネルギーを失うので、その透過力は荷電粒子に比べきわめて高いです。
γ線は光子ビームであるので物質との相互作用で光子は消滅し、光子の数としてのビーム強度が通過距離とともに指数関数的に減少します。
光子と物質との相互作用としては、原子から軌道電子を放出させる光電効果、電子による散乱であるコンプトン散乱、電子と陽電子を生み出す対創成の過程があります。
cozycube1さん、難しい内容の事柄を、分かりやすくご説明頂き、
有難うございます。噛み砕いて、説明頂き、大変嬉しく感じて
おります。素人の私が、理解しようとすると、なかなか難しい
分野です。
No.3
- 回答日時:
核壊変に伴って放出される電磁波はγ線と呼び、X線とはいいません。
また現在では高エネルギーの加速器などを使ってγ線と同程度以下の波長の電磁波も発生できますが、これは核壊変により生成されるものではないのでγ線とは呼ばずX線(あるいは光子や電磁波)と呼ばれるのだそうです。(電子、陽電子の対消滅で生じる電磁波もX線ですね。)
この回答への補足
foobarさん、分かり易く、噛み砕いた回答を寄せていただき、
有難うございます。
また電子、陽電子の対消滅でも、X線が生成されることを知るこ
とができ、目からウロコです。
参考のため、お聞きします。電子、陽電子は、粒子と反粒子の
関係ですね。クォークと反クォークも、同じ粒子と反粒子の
関係になると思います。
粒子と反粒子がぶつかると、光子になると聞きます。
電子と陽電子の対衝突だけでなく、その他のタイプの粒子と
反粒子による対衝突でも、やはりX線が生成されるのでしょうか?
それとも、粒子と反粒子の対消滅で、X線が生成されるのは、
電子と陽電子の対衝突の場合だけなのでしょうか?
No.2
- 回答日時:
γ線とX線の違いは波長の違いにすぎません。
波長が短い(光子1個のエネルギーが大きい)のがγ線、波長が長い(光子1個のエネルギーが小さい)のがX線です。(とはいってもX線の波長は可視光の1/1000程度(原子スケールレベル)とかなり短いです。)原子核の崩壊に伴い過剰なエネルギーの一部が電磁波として放出されます。このエネルギーはかなり大きくMeVオーダーとなり、このエネルギーの大きさだとγ線と呼ばれます。(X線は数~数十keVオーダー)原子核から直接X線がでてくることはまずないでしょう。
原子核崩壊に伴いX線が出てくる状況としては以下のことが考えられます。
・崩壊に伴い発生する放射線が周りの原子の周囲にある電子を弾き飛ばし、その電子のエネルギー準位に応じた特性X線が発生する。
・崩壊に伴い発生する荷電放射線(α線,β線)が周りの原子に衝突するなどして減速する際に制動放射としてX線が発生する。
・放射線で弾き飛ばされた高エネルギーの電子が減速する際に制動放射としてX線が発生する。
特性X線であればその波長は電子を飛ばされた原子の種類で決まったものになります。
制動放射であれば連続的な波長のX線が発生します。
この回答への補足
nakamraさん、昔高校の物理の授業で教わったくらいの知識しか持ち合わせていない
私にとっては、お陰様で、今回、より詳しい情報、知識を得ることが出来ました。
有難うございます。回答を頂いた部分について、再度確認の形で、簡単にお聞きした
く思います。
>γ線とX線の違いは波長の違いにすぎません。波長が短い(光子1個のエネルギーが大き
>い)のがγ線、波長が長い(光子1個のエネルギーが小さい)のがX線です。(とはいって
>もX線の波長は可視光の1/1000程度(原子スケールレベル)とかなり短いです。)
兵庫県の播磨科学公園都市に、SPring-8と言う施設があると思います。
和歌山県の毒入りカレー事件に使われたヒ素の分析に使われ、その分析
結果が、裁判で証拠として使われた施設です。もちろんご存知と思います
が。
今年、完成したしたのかな。SPring-8と言う施設に、X線自由電子レーザー
と言う0.1nmより短波長のX線を生成できる施設を完成したと言った話を
聞きます。
このタイプのレーザーを使うと、今までように、タンパク質の立体構造を
結晶化することなく、そのまま、X線自由電子レーザーを当てて、立体構造
を得ることが出来ると聞きます。
0.1nmより短波長のX線も、nakamraさんの上記の三行目で述べられている
X線の範囲に入るものとして解釈して、よろしいのでしょうか?
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