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言語形態論の分類に、屈折語・孤立語・膠着語・抱合語というのがあります。日本語は、膠着語に分類されるようです(あくまで典型的にはということは、承知しています。)。

わたしはずっと、日本語の助詞とくに格助詞を膠着させることが、典型的な膠着語的特徴を表すものと思ってきました。実際、そのように説明されているものもあります。しかし、wikipediaなどで検索すると、(日本語の)助動詞による膠着の現象などがおもに言及されています(これが、膠着現象であることに異論はありません。)。

さて、とりとめもなく検索してみますと、日本語の助詞(格助詞だけかな?)は後置詞と呼ばれており、ロシア語(英語でなくてあえてロシア語と言ったのは、より屈折語らしいので)の前置詞や中国語(孤立語の代表として)の介詞に相当するものであるとされます。これらをまとめて設置詞なる用語があるようです。この説明もよくわかります。

質問内容は以下です。
1.わたしの素人見解では、(独立の語である)設置詞はむしろ孤立語的特徴と考えるべきかと思います。(それとも、膠着語的特徴なのでしょうか。)
2.そうであれば、いわゆる「てにをは」があることが日本語の膠着語的特徴であるという説明は、専門的にはおかしくはないのでしょうか。
3.それとも、主格や対格を表す助詞だけを別扱いして、名詞に膠着すると考えるのでしょうか(これは、論理的にすっきりしない感じがします。)。

専門家ではないので、どうでもよいようなことですが、ずっと前に屈折語・孤立語・膠着語(抱合語は最近知りました。)の分類を知ったとき(司馬遼太郎の本だったと思います。)、曲用する屈折語・語順で表わす孤立語・「てにをは」の膠着語という説明の明快さがあまりに印象的だったのでーーー。
なんとなく信じていたことが間違っていたのかしらと思って、詳しいかたの見解をお尋ねする次第です。よろしくお願いします。

A 回答 (4件)

    #2です。

補足です。

>>三分法は、なんとなく素人わかりする分類ではあるのですが、学術的には標識のようなものという理解でいいのでしょうか。

    何でも三つに分けると、二分法よりも学問的だ、と言う一般心理があるのかも知れません、序破急、テーゼ、アンティテーゼ、シンテーゼ、黒色人種、黄色人種、白色人種、みたいな物ですね。

>>これ以上お尋ねする意味もないのかも知れませんが、どなたか、もうひとつだけ見解をおきかせください。いわゆる日本語の格助詞(一般には接置詞ーーー漢字を間違えておりました。)は、孤立語的な特徴であると見なすのが適切なのでしょうか。(そんな分類にこだわる必要はないんでしょうけど。)

    格助詞が、設置詞なら、前置詞も設置詞、いずれも孤立語的で、日本語のように格助詞を後置する「膠着語」も、英語のように前置詞を前におく「屈折語」も、みんな孤立語的だ、と言うことでこの分類基準の弱点が見えてきます。
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この回答へのお礼

なんども明快な回答、ありがとうございました。
どうもわたし自身に、三分法(四分法)信仰があったようです。わたしは、ずぶの素人ですが、この三分法での記述をかなり目にしてきたので、ちょっと気になったしだいです。
まことにありがとうございました。

お礼日時:2013/01/06 21:21

   #2です。

補足です。

>>明確に割り切って考えるのは難しいのですね。

    おっしゃる通りです。

    最初に膠着語と名付けられた物が、フィン語、ハンガリー語、バスク語だったことで、インドゲルマン語族以外のヨーロッパ言語を除外して名前を付ける必要があったことが分かります。

    言語の分け方には親縁関係による方法(印欧語族など)や形態論的な方法(抱合語など)がありますが、フンボルトの三分法は、もう踏み出しから混乱しているのが分かります。

    後になって抱合語が加えられた時も、アメリカ先住民などの言語、と十把一絡げにぶち込んだのが、だんだん様子が分かってきて中米のナワトル語などが膠着語に再編入されています。

    また印欧語のメンバーだからと屈折語に入っている英語も、代名詞の一部を除いて、文化の高さを誇る屈折グープから、文化果つる孤立語に転落しています。

    まあこういう状態ですから、「これは、論理的にすっきりしない感じがします」とおっしゃるのは当然だと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。三分法は、なんとなく素人わかりする分類ではあるのですが、学術的には標識のようなものという理解でいいのでしょうか。
これ以上お尋ねする意味もないのかも知れませんが、どなたか、もうひとつだけ見解をおきかせください。いわゆる日本語の格助詞(一般には接置詞ーーー漢字を間違えておりました。)は、孤立語的な特徴
であると見なすのが適切なのでしょうか。(そんな分類にこだわる必要はないんでしょうけど。)

お礼日時:2013/01/06 12:49

    「膠着語」と言う言葉は、19世紀の前半に、ドイツのウィルヘルム•フォン•フンボルトが作った言葉です。



    当時はドイツ文化が優秀だとして、民話の分野ではグリム兄弟が、童話を集め、インドゲルマン語族に属する言語が、如何に他に比べて進んでいるか、と言った説が作られました。

    その流れの中で、最も優れているのは屈折語、一番遅れているのが中国語のような孤立語、そのいずれにも入らない「ゴミ捨て箱」には、フィン語、ハンガリー語、トルコ語、タミール語のような物が入って「膠着語」という張り紙がつけられました。

    この3分説が使われなくなった理由は、慌てて第4の抱合語の範疇を付け足しても、おっしゃる通り「これは、論理的にすっきりしない感じ」がするためです。
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この回答へのお礼

詳しい説明をありがとうございました。明確に割り切って考えるのは難しいのですね。

お礼日時:2013/01/05 18:39

日本語の格助詞は、印欧語の名詞・形容詞の語尾活用よりもむしろすっきりしているので、膠着語の特徴ではないと思います。

用言に「助動詞」が理論上無制限に付けくわえられる点が、日本語が膠着語と言われる所以ではないでしょうか。素人の一考ですけど。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。格助詞は、むしろ孤立語的特徴という見解でいいのでしょうか。
あまり見かけない見解のようにも感じますがーーー。

お礼日時:2013/01/04 23:24

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