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こんにちは。文系の大学生です。

いま、経済や情報学の勉強をする中で「複雑系科学」という領域に出会いました。
「ロングテール」「レコメンドシステム」といったWeb2.0的なものの原理に、
複雑系科学/複雑系ネットワークといったものが絡んでいるそうです。
私はもともと理系出身で、今でも数学や物理学は大好きですが、
科目としてちゃんと勉強をしたのは高校の範囲までです。

今回、趣味もかねて、大学の範囲の自然科学にもさわりだけでも
勉強したいという気持ちになっています。

そこで疑問なのですが、複雑系科学を理解するためには、
数学や物理学のどの分野から攻めていけばいいのでしょうか・・・。

おすすめの書籍やサイトなどがあれば、是非教えていただきたいです。
よろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

こんにちは。


複雑系科学といいますのは「マクロ科学」に立脚した学問です。マクロ、ミクロというのは分野ではなく、研究の対象をどちらの視点で扱うかということです。
従来の科学は物質や現象の因子を出来得る限り細かく数値化し、これを積み上げることによって原因や結果を算出するというミクロの科学でした。これに対しまして、複雑系科学というのは無数の因子が集まることによって初めて発生する「集団としての性質」をマクロな視点で研究するというものです。

どんな物質や現象であろうとも、その因子を分子、原子の単位まで細分化し、これを公式に当て嵌めて計算するならば、ありとあらゆる物事の結果を尽く予測することができます。従いまして、力学にこれが可能であるならば、この世の未来は全て確定しているということになります。
これを「ニュートン力学における確定論」と言いますが、これにより確定論は全ての未来は既に確定しているとし、二百年の長きに渡り自由意志というものを真っ向から否定し続けてきました。ところが二十世紀になり、量子力学においてハイゼンベルグは、量子のレベルにまで辿り着くならば、そこでは全ての因子の振る舞いを同時に特定することはできないという「不確定性原理」なるものを立証し、これを以て未来は未確定であると結論付けました。科学史ではこれを「ニュートン力学における確定論の崩壊」と位置付け、これにより、自由意志は晴れてその権威を復活させました。

「これ以上のニュートン力学の証明はないね」
1957年、ソビエトのスプートニクが世界で初めて衛星軌道に載ったとき、かのノーベル賞物理学者の湯川秀樹博士がこう言ったそうです。
ニュートン力学が使い物にならなくなったというわけではありません。現在でも人工衛星はニュートンの公式で飛んでいます。ところが、量子力学がそれでは解決できない問題が存在すると指摘してしまったため、ここに複雑系科学という新しい分野が必要となりました。そして、このために力学は確定論を放棄し、数学はこれを説くために全く新しい手法を導入しなければならなくなりました。
従いまして、ミクロとマクロではそのアプローチが180度異なるため、従来の数学や力学をそのまま複雑系科学に用いることはできません。では、たいへん大雑把で申し訳ないのですが、果たしてその入り口とするならば、数学ならば「カオス」「フラクタル」、物理学ならば「量子力学」ということになるのではないかと思います。

以下に、私が手にした一般解説本をご紹介します。かなり古いですが、複雑系科学に関する概要は今と違いはありません。絶版にはなっていないようですので、手に入るならばこの順番に読んでゆけば概略が攫めると思います。先の湯川博士の名言は、確かこの何れかに載っていました。

「複雑系とは何か(講談社現代新書)」
[経済・情報・生命の臨界ゆらぎ(ダイヤモンド社)」
「複雑系がひらく世界(日経サイエンス)」

複雑系がブームになったのはかれこれ20年以上前のことです。私もそのときにはまった一人です。この世界に足を踏み入れますと、世の中の森羅万象が片っ端から違って見えてきます。質問者さんも恐らく、ハマリますよ。

この回答への補足

詳しい解説、ありがとうございます。
挙げてくださった3冊、どれも図書館等でつまみ読み致しました。
ハマってしまいそうで、もっとつっこんだことを知りたいです。

「カオス」、「フラクタル」、あるいは「量子力学」、
なんとか、さわりだけでも数式的に理解してみたいのですが、
一般書ではなく専門書で、どういったところから攻めていけばよいでしょうか?

高校数学、高校物理まではしっかりマスターしております。
とはいえ、いきなり、「カオス」「フラクタル」といった題名を冠した専門書を見ても、ちんぷんかんぷんですよね・・・。
微分方程式とか、そういったあたりからでしょうか?

補足日時:2013/04/24 22:22
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10年ぐらい前に複雑系のブームがあり、猫も杓子もといった感じでしたが、その後これという話題もなく、最近ほとんど聞かなくなってきました。

それは私だけかもしれませんが、本屋に行ってもほとんどなく古本屋を探すしかないように思います。複雑系華やかなりしころ、マレー・ゲルマンのサンタフェ研究所がメッカとされ、この研究所を紹介するたくさんの本が出て、革命前夜のような期待感がありましたがそれが幻のように消えて行ったという感じがします。
 複雑系というとカオス、フラクタル、ニューラルネット、非線形力学系などという言葉が思い浮かびます。これらがどのように関係し、どのように総合されるのかはつかめませんでしたが、各々は非常に面白くてカオス、フラクタルは容易に数値シミュレーションができるので、ひたすらPCを回していました。ニューラルネットは最近でも時々話にでるテーマで、様々な局面の判断に実用化されているようです。
 複雑系は様々な自然科学・工学・社会科学分野とかかわりがあり、いろんな学会の研究会レベルで地道な研究が続けられていると思いますのでそのあたりとコンタクトを取って現況を聞かれるのが手っ取り早いと思います。

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A4%87%E9%9B%91% …

この回答への補足

ありがとうございます。
へぇ~、今はもう話題になっていないんですねぇ・・・。それはとても意外です。 でも、研究としては、いまでも続けられているんですよね?

カオス、フラクタル、ニューラルネット、非線形力学ですね。しっかりとメモ致しました。

>
いろんな学会の研究会レベルで地道な研究が続けられていると思いますのでそのあたりとコンタクトを取って現況を聞かれるのが手っ取り早いと思います。

そういったものにコンタクトを取ったことはないのですが、複雑系を専門にしているわけでもない文系の学部生が、コンタクトをとってもよいものなのでしょうか?

補足日時:2013/04/24 22:22
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