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高校物理の参考書で
「絶対温度Tは、分子などの熱運動の平均の運動のエネルギーの大きさを示す尺度である」
と説明してありますが、それならなぜケルビンKのディメンションはエネルギーの単位ジュールJのディメンションと同じでないのでしょう。それどころか基本単位の地位をあたえられていますね。
熱運動は巨視的な世界には現れない、微視的な量だから特に単位を用意する必要があったということでしょうか。
そもそも基本単位とは人間が自然現象を理解するにあたってなるべく少ない単位で説明したいという要請だけからくるもので、つまり人間の利便性以外の必然性はないのでしょうか。

どなたかわかりやすくご教授してください。よろしくお願いします。

A 回答 (10件)

並進運動のみの単原子分子のエネルギは、3kT/2 [J]ですが、2原子分子は回転にもエネルギが分配されて、5kT/2 [J]ですよね(k:ボルツマン定数)。

さらに分子間相互作用により、ほとんどの物質において、一分子あたりのエネルギは kT/2 の整数倍ですら無いでしょう。一方で、二物体を接触させた時の熱平衡が、温度 T [K]という指標の一致に基づく事に例外はありません。温度はエネルギとは異なる重要な性質、概念を持っています。

「対象と理想気体が熱平衡した時の理想気体の熱運動の一自由度あたりの平均運動エネルギー」をもって新温度[J]と定めれば、一見次元的には辻褄があっています。しかし、付帯条件がありすぎて、新温度[J]は、あくまでエネルギとは別物です。[J]を温度として使用しているのか、エネルギとして使用しているのかの併記は避けられず、結局、温度[J]は独り立ちできません。ボルツマン定数は1にしてしまっても良いですが、改[K]は必要でしょう。

極論すればこういう事ではありませんか。理想水 1 [kg/L]なるものを基準とすれば、任意物体の質量を理想水の体積[L]で示せるでしょう。つまり1[kg]に代わって1[L]と表記できます。しかし性質上、体積[L]と質量[L]は区別しないわけには行きません。識別句が付随すれば、質量新[L]は実質、[kg] のままです。

この回答への補足

回答ありがとうございます。
veryyoungさんの回答で私の疑問がかなりすっきりしてきました。
で、ようするに温度の定義、端的に言って温度とはどういうものか、がよくわからなくなりました。
ウィキってみたところ「温度の定義は、平衡状態における分子の運動エネルギーをエントロピーで微分したもの」「温度は分子のエネルギー分布の仕方を表す指標」などとありましたが、どうもはっきりしません。特定の温度は特定のエネルギー分布のセットを表しているということでしょうか。物理の分野によって温度がなにをあらわしているのか変わってくるのでしょうか。
高校物理の知識でもわかるように説明してくださるとありがたいのですが。
よろしくお願いします。

補足日時:2013/10/09 21:14
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 #9です。

間違いました。

  PV=nR×αk×E/N

は、

  PV=nR×α×E/k/N

の間違いです。従って、

  α×E/k/N

を温度Tとして測る事になります。
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 あくまで、熱力学との関連で言います。



>「温度の定義は、平衡状態における分子の運動エネルギーをエントロピーで微分したもの」「

 これについては、こうなるようにエントロピーを定義したと考えた方が、わかりやすいと思います。もちろん上記の定義から(エントロピーの定義から)遡って温度を理解する事も可能でしょうが、わかりにくいと思います。

>「温度は分子のエネルギー分布の仕方を表す指標」

 指標の意味はですね、つうじょう余り明確に言われないのですけれど、熱力学は系の内部機構には踏み込まず、時間的に安定な分子集団の「全体的特性」のみについて語る、という事が言えます。

 再びPV=nRTを持ち出しますが、Vとして理想気体の分子一個しか入れないような微小体積を考えたら、圧力Pは意味を持ちません。ある程度の数の分子が運動できるような大きさの体積を考え、分子集団が、単位時間当りに壁とやりとりする力積の平均値としての圧力が、初めて意味を持ちます。それは時間的に安定なものです。

 温度Tも同じです。分子集団の全運動エネルギーをE,ボルツマン定数をk,自由度に関する係数をα,分子数をNとすれば、理想気体の状態方程式は、

  PV=nR×αk×E/N

と書けます。個々の分子の運動エネルギーは知りようがありませんが、分子集団の全運動エネルギーEは、αk×E/Nを温度Tとして測定すれば、わかる訳です。これが「指標」の意味だと思います。


 熱力学は系の内部機構には踏み込まない。踏み込まなくても扱える部分だけを扱う・・・。こう書くと熱力学は、どこか不完全な理論のように感じられるかも知れませんが(実際、現象論としての側面は強い)、逆に言うと、内部機構に制限されないので、あらゆる系に適用可能になります。その中身がわからなくたって・・・。

 極論すれば、正体不明の系に温度計を突っ込んで温度を測れば、その系の全運動エネルギーは温度から推測できる訳です。実際に温度計を突っ込まなくても、ブラックホールの蒸発に関して熱力学的考察は、けっこう重要な導きの糸になってた気がします。それもこれも、内部機構に関わらなくても使える話だからです。

 もちろん得られる情報は制限されます。「系全体の満たすべき・・・」何かです。温度はその一つだと思います。

 だから無視できない・・・(^^;)。
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No.6にいただいたコメントに関してです。


>温度とはどういうものか

ご質問冒頭に「絶対温度Tは、分子などの熱運動の平均の運動のエネルギーの大きさを示す尺度である」とありますが、そのエネルギは、一粒子あたりでは無く、一自由度あたりを意味している事、ポテンシャルエネルギという自由度もある事に留意、そして、エネルギー等分配の法則を考慮すれば、「温度」「熱量」「熱容量」などをミクロに理解できると思います。物体の全熱エネルギは、自由度を粒子数で累計した総自由度数に等分配(瞬時分布では無く長時間平均として)されているという性質が重要です。

二つの物質を接触させた際、両者の「自由度あたり平均エネルギ」に差があれば、それが一致するまで熱エネルギが移動します(全合計エネルギとかでは無い事に注意)。一致すれば正味のエネルギ移行は停止、つまり温度が一致して熱平衡します。

ところで質量やら運動形態やら異なる粒子が、自由度あたり均等にエネルギを持つというのは信じ難いかもしれません。私は大雑把ですが次のような自己流で納得しています。一次元の質点の衝突を考えます。m1がv1にて、静止したm2に弾性衝突します。m2の速度は、2 m1 v1 / (m1 + m2)、そして、衝突後にm2が得た運動エネルギと衝突前にm1が持っていた運動エネルギの比は、
4 m1 m2 / (m1 + m2)^2
となります。着目すべきは、この式の対称性です。m2 がm1に衝突する逆ケースを想定してもエネルギ移行比率は変わりません。質量が異なる二質点間でも「よりどちらにエネルギが移行しやすいか、蓄積しやすいか」といった傾向は見られません。エネルギ移行比率が同じなら、衝突前運動エネルギが両者等しいときが平衡と推測するに無理はないでしょう。ちょっと乱暴ですが、他の振動形態とのやりとりにおいてもエネルギ移行比率は対称でしょう。

温度に関する厳密な説明は私には無理ですが、おおよそこのようなものかと考えます。
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物質によって1度(1℃、1K)温度を上げるのに必要なエネルギー(J、カロリー)が違います。

その違いを比熱といいます。温度=エネルギーではなく、
温度=エネルギー/比熱/質量です。

化学反応の計算に便利なモル比熱というのがあって、それを使うと
温度=エネルギー/モル比熱/モル数です。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。

お礼日時:2013/10/11 23:27

>そもそも基本単位とは人間が自然現象を理解するにあたってなるべく少ない単位で説明したいという要請だけからくるもので、つまり人間の利便性以外の必然性はないのでしょうか。



 そう言っても間違いではないんですが、ある理論を記述するために最低限必要な単位、と言った方がより妥当だと思います。つまり基本単位は、理論に依存して文脈依存ではあります。

 例えば(古典)力学において基本単位はm,kg,sで、エネルギーJはJ=kg・m^2/s^2となり、組立単位です。基本単位ではありません。

 熱力学では、理想気体の状態方程式PV=nRTからわかるように、最低でも圧力P,体積V,温度Tは必要です。でも圧力Pだって力学の立場では、P=N/m^2=kg・m/s^2/m^2=kg/s^2/mで組立単位です。体積Vにいたっては単純にV=m^3。こういう事は熱力学の最初からわかっていましたが、それでもこれらは、熱力学の基本単位には違いありません(あんまり言われませんが(^^;))。

 温度Tについては、けっこう正体不明だったんです。それでTには、水銀柱の高さを基準とした(温度計の)基本単位としての「定義」があります。その後ケルビンは、PV=nRTのP,V,n,Rをかなり厳密に測定し、水銀柱の高さを基準としたTと関連付け、絶対温度Kを提唱します。この時点でもKの正体は、まだあやふやでした。

 その後、ボルツマンが分子運動論と統計力学を開発し、温度Tは、分子運動の運動エネルギーの平均に比例する事がわかります。ただし比例するだけで、分子運動の運動エネルギーの平均そのものではありません。

 温度Tの出自はあくまで、熱力学なんですよ。具体的に言うと、PV=nRTがあるから、Tの単位はJではなくKなんです。KをJに換算したいなら、「ボルツマン定数をかけなよ」という話になります(^^;)。


 しかし現在では、温度は基本量ではなく統計量である、というのは明らかです。なので個々の理論の都合とは別に、色々な理論のつながりを知ってしまった以上、国際単位系(SI)において何を基本量とするかは、けっこう議論があったみたいです。

 その結果現在では、MKSA単位系が標準です。M:m,K:kg,S:s,A:アンペア、です。


 まぁ~、MKSAのAについては、Q(クーロン)でないのか?という話もありますが、技術的に面倒なだけなので、省略します(^^;)。  
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。
ddtddtddtさんもベストアンサーにしたかったのですが、二人選ぶことができないのでごめんなさい。
温度ってわりと身近なモノなのに、温度とはこうだと簡単に説明できるものではないのですね。

お礼日時:2013/10/11 23:35

「絶対温度Tは、分子などの熱運動の平均の運動のエネルギーの大きさを示す尺度である」



と書いてあります。尺度であってエネルギーそのものではありません。エネルギーに換算したければ

ボルツマン定数k=1.380 6488(13)×10-23 J/Kをかけて

kTが絶対温度Tにおける単原子分子1個の運動エネルギーになります。

単原子分子の質量をm,運動の速度をvとすると

mv^2/2=kT

となります。これが教科書の言っていることの背景です。

温度も単位系に入れる必要があることが明らかになり、-273°Cを0°にとる絶対温度が採用され

K(ケルビン)で表記することになっています。

この回答への補足

回答ありがとうございます。
NO.2の方に補足をつけましたので、よろしければご覧ください。

補足日時:2013/10/08 20:51
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説明と定義とは違うのだけれど・・・



>「絶対温度Tは、分子などの熱運動の平均の運動のエネルギーの大きさを示す尺度である」

ここに書いてあるのは「尺度」ですから、直に「エネルギー」をさしているわけではありません。
「平均の」が付いていることから、暗に単位量(書かれていませんが質量)あたりのエネルギーであることをほのめかしています。
さらに、この書き方では、絶対温度がエネルギーに比例しているかどうかさえ、わかりません。

>つまり人間の利便性以外の必然性はないのでしょうか。
歴史的に古くから知られている物理量から順に基本単位になっている気がします。
熱量とか、エネルギーとかの概念ができたのは、産業革命以降です。

この回答への補足

回答ありがとうございます。
NO.2の方に補足をつけましたので、よろしければご覧ください。

補足日時:2013/10/08 20:51
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最後の「そもそも」が正解. 「単位系」は唯一ではありません.

この回答への補足

みなさんの回答から私が考えたことを書いてみます。

まず熱い、冷たい、を表現する客観的な指標が必要とされた。それでいろいろな工夫をして温度なるものが考案された。その時点で温度の実体はまだわかっていない。だんだん科学が進展するにつれて温度は分子の熱運動の平均エネルギーの一表現だと判明した。ここでこの物体の分子の熱運動のエネルギーはいくらだと表現することもできるのだが、これまで温度を使っていた歴史もあるし、温度を用いるといろいろ便利なこともわかっている。で、温度ケルビンを基本単位にしようということになった。(ボルツマン定数や気体定数はケルビンを基本単位にするために存在する?)

と理解したのですが、これでいいのでしょうか。よろしければさらにご教授ください。

補足日時:2013/10/08 20:49
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あなたの論理なら 温度50K、100gの鉄と 温度100K、50gの鉄の温度が同じになってしまいます

この回答への補足

回答ありがとうございます。
NO.2の方に補足をつけましたので、よろしければご覧ください。

補足日時:2013/10/08 20:52
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