プロが教えるわが家の防犯対策術!

基本的な事柄ですみませんが教えてもらいたい事があります。

固体物性の分野でよく自由電子のエネルギーをE=(h'k)^2/(2m)と表しますが、ボーアの理論における電子の離散的なエネルギーとでは何が違うのですか?例として水素原子のエネルギーはE=-(me^4)/(8ε^2h^2n^2)と表されて量子数nで不連続なエネルギーを持ち、基底状態n=1でもE=0にはなりません。一方、E=(h~k)^2/(2m)は、エネルギーEは波数kで連続な値を持つ(厳密にはブリルアンゾーンで不連続ですが)2次関数で表され、k=0の時はE=0となります。また、イオン化?して束縛されてない?状態を表しているのかE>0です。

エネルギーの正負の違いは何でしょうか。そして後者は自由電子で波として捉え、前者は古典量子論として電子を粒子とした価電子のエネルギーを指すのでしょうか。それぞれが指すエネルギーEの違いを具体的に詳しくご教授お願いします。m(__)m

A 回答 (5件)

>Cu,Liなどの他の元素は同様にしてエネルギー準位の式E=-A/n^2 (Aは定数)のように量子数nで不連続な値をとる式は求められないのですね。



解析的には求まらないというだけで、数値的な手法に頼ってもいいのなら求める事はできますよ。

>あと少し疑問に思ったのは、k^2の係数(h')^2/2mはどこから来たのでしょうか。
E(k)の2階微分です。E(k)は実験的に得られたものを使う事も数値的に得られたものを使う事もあるでしょう。


>また、mは有効質量とありますが、参考書ではmは電子の質量と書いてあります。この違いはどこから生まれてくるのですか。
文脈が分かりませんが電子の有効質量を単に「電子の質量」と書いているだけだと思います。
※それとも質問は真空中の電子の質量と結晶中の電子の有効質量の違いがどうして生まれるのかという意味の質問です?
    • good
    • 0
この回答へのお礼

長い間お世話になりました。おかげ様で理解する事が出来ました。有難うございました。

お礼日時:2013/12/20 06:12

?なんかおかしい回答が・・・



>あと少し疑問に思ったのは、k^2の係数(h')^2/2mはどこから来たのでしょうか。

古典的に運動エネルギーはp^2/2mとなり、これに量子論のp=h'kを代入しただけ

この回答への補足

運動エネルギーの式にp=h'kを代入したものという事は前からそう思っていました。ただ私はE=-A/n^2からn→∞でE=0になり、そこから自由電子のエネルギーE=(h'k)^2/(2m)となると勘違いしていたので、一体どこで2つの式が繋がるのか疑問だったということです。

補足日時:2013/12/20 06:09
    • good
    • 0

エネルギーがkの関数になっている事を認めていいのであれば



E(k)というkの関数をk=0の周りでTaylor展開すると
k^0の係数(定数項)はエネルギーの基準の取り方で好きなように変えられる(のでここでは0とする)
k=0でE(k)が最少になる(場合を考えている)のでk^1の係数も0

k^2の係数が0にならなければ理由はないのでE(k)をTaylor展開するとk^2の項から始まります。k^2の係数を(h')^2/2mとおけば
E(k)=(h'k)^2/(2m)+(kの3次以上)
となるわけです。このmは(真空中の)電子の質量ではなく、バンド分散の曲率で決まるもので電子の有効質量といいます。

こうやってE(k)をTaylor展開するとmが負になる場合もあって、そのときは|m|を正孔の有効質量と言います。

Bohrの原子模型は基本的には正しい解釈ではないとされますが、結果そのものは水素原子(または原子核+電子1個の系)に対しては正しいものを導きます。
電子が2個以上になると多体問題になるので解析的に解くことはできなくなります。


>しかし本来は不連続であったエネルギー準位が密集してほぼ連続的に振る舞うエネルギー準位と、波数kの連続な2次関数で表せるエネルギーE=(h'k)^2/(2m) (1)は同じ物を指すのかどうかが分からないです。もし同じ物を指すのであれば、E=-(me^4)/(8ε^2h^2n^2) (2)がどうして(1)式と等価となるのか関係性が掴めませんでした。

上に書いた事からも分かるようにE(k)の極小点の周りでは2次関数で近似できるという事を言っているに過ぎません。

この回答への補足

おかげ様でだいたい理解する事ができました。

>Bohrの原子模型は基本的には正しい解釈ではないとされますが、~

水素は1電子だから円運動に見立てて運動方程式からエネルギーEの式を求められたのであって、Cu,Liなどの他の元素は同様にしてエネルギー準位の式E=-A/n^2 (Aは定数)のように量子数nで不連続な値をとる式は求められないのですね。

あと少し疑問に思ったのは、k^2の係数(h')^2/2mはどこから来たのでしょうか。これがずっと気になっていた所です。単に実験値から係数が求まったというだけですか?また、mは有効質量とありますが、参考書ではmは電子の質量と書いてあります。この違いはどこから生まれてくるのですか。

補足日時:2013/12/18 07:21
    • good
    • 0

一般にポテンシャルには基準の選び方に関係する不定性がありますので、全エネルギーにも不定性があります。

この不定性によって注目している状態のエネルギーを正だと思う事もできるし、負だと思う事もできてしまうので、一般論としてエネルギーの正負に物理的な意味はありません。例えば乖離している状態をエネルギーの基準にすれば(E=0にすれば)、E>0なら不安定、E<0なら安定というような事は出来ますが。

例えば水素原子を2つ近づけると、1s軌道同士の相互作用により結合性軌道と反結合性軌道の2つに分裂し、結合性軌道に電子が2つ入る事で水素分子を作ります。

同様に原子の数をN個にすれば(一般には)軌道はN個に分裂する事になります(1原子辺り軌道が1個の場合です)。目視できるくらいのサイズの物体であればその中にはアボガドロ数くらいのオーダーの原子が中にいる訳です。分裂の幅は典型的には数eVくらいですので、1つ1つの分裂の間隔は10^(-20)eVかそれ以下という事になります。このような間隔では原理的に「離散的」であるようには見えず、連続的に分布しているものと扱われます。

そのような連続的に分布した状態は周期的な系であればBlochの定理により波数kで特徴づける事ができます。エネルギーが最少の状態(k=0とします)をエネルギーの基準にしてこの周りでTaylor展開をすればE=(h'k)^2/(2m)の形になるわけです(等方的な物質の場合)。

この回答への補足

固体中は非常に多くの原子が密集してるのでエネルギー準位が連続的として扱うという事は一応知っています。しかし本来は不連続であったエネルギー準位が密集してほぼ連続的に振る舞うエネルギー準位と、波数kの連続な2次関数で表せるエネルギーE=(h'k)^2/(2m) (1)は同じ物を指すのかどうかが分からないです。もし同じ物を指すのであれば、E=-(me^4)/(8ε^2h^2n^2) (2)がどうして(1)式と等価となるのか関係性が掴めませんでした。
ここでふと思ったのですが、ボーアの原子モデルとは1原子核の周りを1電子が円運動すると仮定した水素にしか当てはまらないのでしょうか。(2)式は運動方程式から計算で求めた結果で、他の元素でも電子が複数になってしまいますが同様に計算から離散的なエネルギー準位の式E=-A/n^2 (Aは定数)を導けるのでは無いのでしょうか。ネットで調べても他の元素のエネルギー準位の式は見当たりません。何か重大な勘違いをしていた気がします・・・
また、k=0でテイラー展開して(1)式になる計算過程を教えて欲しいです。
エネルギーの正負の事ですが、未だに引っ掛かってる点があるので補足も入れて別に質問させてもらいます。

ご回答ありがとうございました。m(__)m

補足日時:2013/12/16 06:43
    • good
    • 0

専門家じゃないので的外れでしょうが。



1.原子集団を扱う個体物性での自由電子エネルギーと単核単電子を扱うボーア型単原子のエネルギーレベルを直接比較するのは不適切でしょう。少なくとも原子集団を扱う場合、導電体のフェルミレベルくらい考えに入れる必要はあるでしょう。

2.エネルギーの正負ですが、上記のようにボーアモデルでは充分大きな距離(無限大ともいう)にある電子と原子核が最初にあり、それが接近することで「放出する」エネルギーが問題になりますから、生じた水素型原子(励起された段階でもいい)は最初の状態に比し負のエネルギ-を持っていなくては困ります。この際、古典論でも量子論でも同じです。

この回答への補足

>最初の状態に比し負のエネルギ-を持っていなくては困ります。

何故、負でなくては困るのですか?単にポテンシャルは無限遠を原点とするという約束からですか?すみませんが、もうちょっと詳しく説明をお願いします。

固体中は非常に多くの原子が密集してるのでエネルギー準位が連続的として扱うという事は一応知っています。しかし本来は不連続であったエネルギー準位が密集してほぼ連続的に振る舞うエネルギー準位と、波数kの連続な2次関数で表せるエネルギーE=(h'k)^2/(2m) (1)は同じ物を指すのかどうかが分からないです。もし同じ物を指すのであれば、E=-(me^4)/(8ε^2h^2n^2) (2)がどうして(1)式と等価となるのか関係性が掴めませんでした。
ここでふと思ったのですが、ボーアの原子モデルとは1原子核の周りを1電子が円運動すると仮定した水素にしか当てはまらないのでしょうか。(2)式は運動方程式から計算で求めた結果で、他の元素でも電子が複数になってしまいますが同様に計算から離散的なエネルギー準位の式E=-A/n^2 (Aは定数)を導けるのでは無いのでしょうか。ネットで調べても他の元素のエネルギー準位の式は見当たりません。何か重大な勘違いをしていた気がします・・・
エネルギーの正負の事ですが、未だに引っ掛かってる点があるので補足も入れて別に質問させてもらいます。

ご回答ありがとうございました。m(__)m

補足日時:2013/12/16 06:48
    • good
    • 0

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!