信長が正月の宴席で浅井父子・朝倉の頭蓋骨から盃を作り皆に酒を飲ませた・・・
映画やコミックでは、お馴染みのシーンなのですが、昨今では創作部分が史実部分を上回って流布されている様に感じます。
浅井父子・朝倉の頭蓋骨に箔濃を施し酒の肴にしたというエピソードが「髑髏盃」に変わってしまった経過をご存知の方はいらっしゃいますでしょうか?
(「おつまみの肴」ではなく花見の桜・四方山話という様な意味での肴)
司馬遼太郎『国盗物語』では「盃」として描写されています。
この様に近年、誰かの小説・戯曲での脚色が広まってしまったのか?或いは江戸時代あたりの史書・野史等でその様な記述があるのか?探しております。
よろしくお願いいたします。
(「信長公記」などでも「盃」ではなく「肴」です)
A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
「信長公記」からの歪曲の第一段階は、「(甫庵)信長記」である場合が多いので、これを見てみました。
◆メンバー
「信長公記」:他国衆退出の已後、御馬廻ばかりにて、
「信長記」:已に三献に及びける時、珍しき肴あり、今一献あるべきとて、黒漆の箱出て来る。何ならんと怪しみ見る処に、柴田修理亮勝家が呑みける時、自ら蓋を開けさせて玉ふに薄にて濃なる頸三あり。
「信長公記」は他国衆が居なくなった後ですが、「信長記」はオフィシャルの宴席時に肴が披露されています。薄濃を見たメンバーに違いが生じています。
◆参加者の反応
「信長公記」:(特に具体名も出ず)各御謡御遊興、千々万々目出度御存分に任せられ御悦びなり。
「信長記」:満座の人々此を見て、此の御肴にては、下戸も上戸も押なべて只給べよと伝ふ儘に、各歌ひ舞ひ酒宴暫しは止まざりけり。(この後、佐々成政がまどろっこしく信長を諫めます。)
成政が諫めているところに違いが生じています。これに加え「信長記」では、武井夕庵が文書で成政を支援しています。
結局のところ、肴は肴のままですが、色々曲げていました。「絵本太閤記」あたりも見てみたいですが、手元にありません。
この回答への補足
あらためまして皆々様、併せてお礼申上げます。
納得の出来る回答が得られなかった事は残念ですが
皆々様の意見、参考になりました。
質問してから1ヶ月が経過いたしました。
随分古い質問となり、あたらな回答投稿を得られる可能性も低くなりましたので一旦、閉じさせていただきます。
ありがとうございました。
回答ありがとうございます。
『甫庵信長記』から更に下って『総見記』でも「肴」でした。(両名諫言の記載あり)
「盃」について明治以降の書物からの初出であれば、全くの創作であろうと思います。
江戸時代前半までの書で出てくる場合は、当時の信長の評価・武人の死者への接し方・生死感など様々な面で色々な推察が可能となりましょう。
私も尚、色々探して行きます。
また情報がありましたら宜しくお願い致します。
No.2
- 回答日時:
その一端かと思われる話の一部が下記URLにありました。
しかし、髑髏杯というのは密教の法具として昔からあったらしく、チベットではカバーラと名づけられ、これが
瓦の語源となったそうです。
ですから浅井親子を憎しんでこういうものを作ったのか
畏敬の念で作って部下を驚かせたのか解釈次第で全然反対になります。
参考URL:http://www8.plala.or.jp/furan/page050.html
回答ありがとうございます。
参考URL、拝読しました。
記載された藤巻一保氏の『第六天魔王と信長』『第六天魔王信長』は読んだことがあります。
その本は私にとっては摩訶不思議なものでしたし、立川密教とシンクロさせるのも信じがたいものでした。
ただ、藤巻氏の本を読み、薄箔を施す事が必ずしも憎しみの表現ではないという見方が出来た事は私にとっても収穫でした。
ありがとうございます。
(確かに日本の宗教観の中には、怖いモノ・祟られそうなもの程、
祀ってしまえば怖くなくなる・・・という考えがあるように感じますよね。
・・・もちろん、信長も同様に考えたかどうかは別ですが。)
No.1
- 回答日時:
織田信長
織田信長は酒を飲まなかったそうです。従って、信長にまつわる髑髏杯等の話は皆ウソということになります。18回以上信長に会い、そのつど長時間にわたって話し、食事をともにしたルイス・フロイスが、信長は酒を飲まないと書き送っているのだそうです。髑髏杯は首級を漆で塗り固め、金泥などで彩色したものを宴席に持ち出したということなのだそうです。明智光秀に酒を無理じいしてそれが本能寺の遠因になったという話も、出典があやしいのだそうです。(下戸の逸話辞典 鈴木眞哉)歴史のウソにはだまされないようにしましょう。(下記URLより引用)
参考URL:http://www.alpha-net.ne.jp/users2/negotoya/gosyu …
回答ありがとうございます。
髑髏杯について信長が呑んだのではなく「家臣に呑ませた」と広まっていることについての質問ですので歴史の真偽を問うものではありません。
「頭蓋骨に箔濃を施し酒の肴にしたというエピソードが髑髏盃に変わってしまった経過」という質問ですので、その点ご理解ください。
また酒呑み(私)の経験上、「下戸」と「酒を飲まない人」とは全く別の人だと判断しております。
フロイスが「信長は酒を飲まない」と記した事から「酒に弱い」と推測され「信長は下戸であった」と定義付けられたと感じています。(実際に下戸であった可能性も否定できませんが、確定も出来ないとう事です)
史料にある記載に対し解説・解読が加えられ世に出ます。
「信長が下戸」が「酒を飲まない」から推測された様に「髑髏杯」が他の記述を含めた何かから推測されたものなのか?歪んで伝わったのか?誰かの創作なのかを考えています。
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