頭骨標本や魚などの全身骨格標本をつくっています。
その際、脱脂にCPアセトンをしています。
何回か使い回しをしているのですが、
アセトンが油で黄色くなってきたりしてます。
こうなってくると脱脂具合が落ちたりしますか?
廃棄する頃合いがよくわからなく
そろそろ捨てるべきなのか、アセトン臭がしているうちは大丈夫なのか判断がつきません。
脱脂にアセトンを使用している方々は
どれくらいで廃棄しているのかご意見をいただけるととても助かります。
画像のアセトンは酷く黄ばんだ魚のホネを入れてしまったため黄色くなっていますが
これは太刀魚の頭骨の脱脂の5体目です。
黄色いアセトンにつけていたりしたら頭骨も黄色くなってしまったりしますか?
A 回答 (1件)
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No.1
- 回答日時:
まず最初にアセトンは特殊引火物にカテゴライズされています、気を付けましょう。
私は(元)研究者で専門は有機化学ですからアセトン無しに仕事など出来ません、あなた様もアセトン無しに仕事は出来ないのはよく分かります。それでご質問ですが「洗浄用」アセトンはいわゆる「一斗缶」の物を使います、蛇足ですがこいつは試薬一級です、だが純度は高い。専門分野が異なるので「常識」も違います、だから私の意見に左右される必要はありません。だがこの方法はあまり「嬉しく無い」特にあなた様が「生物標本」を作られる時に、アセトンに漬ける前の「検体」は徹底的に脱水した方が良い、と言っても真空デシケータ中で加熱する必要は無く「室温放置」で構いません、ご存知の通りアセトンは水と全ての割合で混合可能です、これがアセトンを最上の洗浄溶媒としている理由でもあります。だが上記したように乾燥した検体を使わないとアセトンは水を吸い、油性の「ゴミ」共が次第に溶けにくくなります。さらに同じアセトンを複数回使用するのはやめた方が良い、もちろん捨てません、化学屋は「餓鬼」(卒研生)の時から「蒸留」ばっかり、化学から蒸留を外したら一歩も進めない、だって原料や中間生成物は通常液体で固体は非常に嫌われます、理由は既に書きました蒸留が出来ないと純度が上がらない。アセトンが水を含むと「共沸混合物」になり「純アセトン」のメリットが失われるし、あなた様の場合前の検体の不純物が次の検体に移ってしまう、アセトンが写真の様な色になったら卒研生は院生に罵られ、運が悪いと尻を蹴飛ばされる。だからよごれたアセトンがたまったら大きなフラスコに沸石を入れ常圧蒸留します、この時沸点は精留塔の頂点にある温度計が濡れたり乾いたりを頻繁に繰り返す状態が「平衡」ですので、その温度計が純アセトンの1℃下より下がっていたら、もうアウト、蒸留装置をバラして純アセトンで洗い、水洗乾燥。アセトンの方も乾燥ゼオライトなどで乾燥してから再度精留です。これをやると不純物が「釜残」として残ります、当たり前。この時残った「汚いアセトン」は「廃溶媒」行き。釜残にタール分が残ったら濃硫酸を加え「直火」で加熱して溶かします、この「熱濃硫酸」は驚異的な溶媒です、流しにじゃんじゃん水を流しながらこのおぞましい奴を流してしまいます、それでも多少残るから再度濃硫酸を加え加熱します、私が卒研生の時「それは恐いです」と言ったら学会の泰斗でもある最初の恩師が「エーテルを直火で蒸留することを考えたらチョロい」とおっしゃいました、確かにその通りです。最後に重大な注意を一つ、アセトンは非常に酸素分子で酸化され易く過酸化物が容易に生じます、あなた様のアセトンの色ははっきりアセトン過酸化物が分解した時の色で非常に恐い、だから化学屋はアセトンを頻繁に蒸留するのです、釜残アセトンには過酸化物が非常に濃い、運が悪いと激甚な爆発を起こします。これを防ぐには蒸留時予め、ピロリン酸塩、もしくはトリポリリン酸塩を加えておきます、こいつらは金属封止能が高いので金属イオンが関与する分解を完全に抑え込みます。以上です。
回答ありがとうございます。
研究者だった方にアドバイスいただきありがとうございます。
当方はまったくの素人でして
アセトンの揮発性の高さなどから火気や混合してはいけない薬品には素人なりに気をつけていましたが
アセトンの詳しい仕様について教えていただきありがとうございます。
骨格標本の方は助肉したあとしっかり乾燥させてからアセトンにつけてはおりました。
使い回しにより脱脂力の低下
黄ばんだ状態が次の骨にも影響がでるとのこと詳しく教えていただきありがとうございます。
蒸留に関してですが、火を使うことと素人ゆえ私にはとても難易度が高く感じ
危険性も非常に高く感じられましたので
廃棄しようと思います。
この度はとても詳しいご助言ありがとうございました。
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