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心神喪失など精神的な問題を理由に死刑が減刑されるのは国際法？条約？

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質問者：chukohin
質問日時：2015/06/30 22:40
回答数：5件

凶悪犯の年齢が若いことを理由に死刑にできないのは国際法らしいですが、
精神病や心神耗弱が減刑されるのも何か国際条約や国際法に日本が加入してるせいなんでしょうか。

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回答 (5件)

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No.5

回答者： phj
回答日時：2015/07/01 20:39

＃３が正しいのですが、もう少し補足が必要でしょう。

現代の人間というのは「自分の意志で何でもできる」ということになっています。いいことも出来ますし、悪いことも法律を破ることも、自分の意志です。

このことが重要なのは、これが社会を運営する基礎になっているからです。単にルールや法律を守るということだけでなく、物を買うとか、電車に乗ってどこかに行くとか、こっちの学校に行って勉強するとか、すべての社会的行動が「自分の意志」で決定し、その意志の集合が社会であり経済活動になっている、ということだからです。

そんなの当たり前だろう、と思うかもしれませんが、そうではない社会もあるし、あったのです。
たとえば支配者と奴隷しか居ないような国があったとします。農業などを行なうためには多くの奴隷が働かせられます。もし、仕事をしたくないと思っても鞭で叩かれたり、食事を取り上げられたりして強制的に働かされるのが奴隷です。こういう状態の人々に「自由な意志」はあっても、それを使う機会はほとんどありません。
実際にこういう社会は今までにもたくさんあったわけです。

現代社会は、自分で行動を決めます。そのかわり間違った行動を取れば罰があったり、損をしたりするわけです。この「自由な意志」に対して初めて「責任」が生まれるわけです。

ですから子供、未熟で自分の行動が正しいか正しくないか判断できない子供については「自由な意志」を認めることはできません。自由に行動させれば、高いところから落ちたり、信号を無視して車に轢かれたり、して自分の命を落とすことにもなるからです。その代わり、子供が悪いことをしても本人を罰することはできません。お店でおもちゃやお菓子を取ってしまっても、子供はそれが悪いことである、という自覚がないからです。その代わりに保護者が監督不行き届きでお店に弁償します。

成人年齢に達すると、一応「自由な意志」をきちんと使える大人である、とされます。
大人である以上、法律違反をすれば罰があり責任をとることになります。ところが、精神疾患や心神衰弱の場合は、一時的かもしれませんが「自由な意志」を自分でコントロールできなくなります。

例を挙げれば最近ドイツのＬＣＣが副操縦士の精神疾患のために墜落しましたが、大人であって自由な意志をきちんとコントロールできるなら、あんな事故は起こさないわけです。精神疾患でなんらかの形で自分で自分をコントロールできなくなっているから、あのような事故を起こしたといえます。

同様に、精神がおかしい状態で行なった行為は「自由な意志から選択した行為」とはいえません。自由意志で選択した者でなければ責任を問うことができないのです。

これが現代社会の選択と責任です。これを崩して、何が何でも責任を取らす、ということになれば、1歳や3歳の子供でも責任を取ることになります。なぜなら「自由な意志とは関係なく、生じた問題に責任を取る」というルールになるからです。その場合、社会の構成員全員にこれを適用しないと不公平ですので、子供であろうと無かろうと適用されます。

間違ってはいけないのは「子供だから免除されている」というわけではない、ということです。子供は「自由意志」が未熟だから免除される、ということでその代わり社会参加（選挙権や運転免許など）もできません。また年齢によって、許される「自由意志」も違ってきます。幼稚園児なら信号無視しても怒られはするものの「信号が理解できない」とされますが、中学生が信号無視すれば「分かっていて無視した」分の責任は取ることになるからです。