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価格差別の例としてよく聞くことがある
映画の大人料金・子供料金の話がよくわかりません。
子供向けの映画では、
子供料金を上げても親の財布で来る子供たちは観たがるでしょうし、
逆に、大人料金を下げれば引率の両親が大人向け映画に行くのを
避けられるのではないでしょうか?

映画館の価格差別に対する典型的な説明は、
お金の無い子供は価格弾力性が高いので安い価格にし
お金のある大人は低いので高い価格にする、という具合かと思います。
しかし、そもそも自腹で映画を見るとは思われないような
低年齢層が対象の映画でも、同様の価格体系がとられています。
更に、このような低年齢層向けの映画は
非常に強く製品差別化がなされているように思えるため
(ポケモンを観たいと言う子供を
 別の映画で納得させるのは困難でしょう)、
価格弾力性が低いとは私には考えづらいのです。
一方、逆に、大人にとっては
(大人向けの)他の映画から得られる効用が相対的に高いため、
子供向け映画の需要の価格弾力性は高そうです。
(子供向け映画が対象とする大人の消費者は
 上述のように引率の保護者かマニアくらいだと思われますが、
 前者はもちろん後者であっても、子供向け映画の相対的な効用が
 子供よりも高いとは考えにくいと思います。)
とすると、通常の経済学の話で映画館の価格差別化を説明するなら
大人向け映画は「大人:高価格、子供:低価格」
子供向け映画は「大人:低価格、子供:高価格」
でなければ理に適わないのではないでしょうか?

子供向け映画でも同様の価格体系が合理的な理由や
子供向け映画で別の価格体系をとることが困難な理由などがありましたら
お教えいただければ幸いです。

A 回答 (1件)

たしかに子供は保護者が何と言おうと「観たい」と駄々をこねるでしょうが、保護者に入場料を払ってもらっている年齢の子供は、なんだかだ言って、保護者のいいなりです。

つまり、保護者がダメだと言ったら、映画鑑賞は流れます。そして、保護者というものは、なぜだか「サイズの小さい年端のいかぬ子供に高額を支払うのはバカバカしい」と考えがちです。たとえ家庭の総支出は同じでも、大人のほうが高額で子供のほうが安価なほうが納得いくのです。それでミュージアムなどもすべて、子供のほうが安くなっています。これを逆にしたら、そもそも印象として、消費者のウケは悪いでしょう。さも「売らんかな」的な価格設定ですから。

また、多くの保護者は純粋な付き添いで行っているわけではありません。子育てをしていると、映画のみならず、自ずと子供向けの作品に触れる機会が多くなり、よって子供向けの作品の面白さがわかってきます。それに子供が楽しんでいるものを一緒に楽しむのは保護者にとっての楽しみでもあります。子供向けのアニメ映画を観に行っても、子供よりも保護者のほうが楽しんで帰ってくる、あるいは、より深く作品を理解して帰ってくるということは珍しくありません。つまり、大人も子供以上に、入場料に値する鑑賞をしているのです。

一方で、何をもって「子供向け」「大人向け」とするかも難しいと思います。例えば、『スパイ・キッズ』という映画は当初、配役や内容から言って、大人向けという売り方をしていて、吹き替え版も作られていませんでした。しかし、公開してみたら、大人よりも子供にウケがいいとわかり、シリーズ2作目からは吹き替え版も同時公開されたという記憶があります。『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のように、どちらかというと大人向けなアニメ映画もあります。その他、レンタルDVD店の棚の種分けを観て憤慨するファンもいたりしますし、なかなか一筋縄にはいかないと思います。

ただ、世の中には、「障害者割引に加えて、付き添い者1名も割引き」などという制度がありますし、例えば、「一般1800円、3~6歳900円」のところを「一般1800円、3~6歳1600円、付き添いの大人1100円」のような価格設定にするなら、試してみる価値はあるのではないかと思います。まあ、消費者はまず「なんで??」と思うでしょうけれどね。
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この回答へのお礼

なるほど。
子供の場合も最終的な消費者は親だということを忘れていました。
子供料金を設定する際にも、考えるべき価格弾力性は
子供料金(と保護者の料金の総額)に対する親の需要ですよね。
だとすると、映画会社は、子連れの親の需要から「総額」で設定した上で・・・
・慣習に従ってそれを子供料金と大人料金に分けている。
あるいは
・大人だけで観にくる需要から大人料金を設定し、差額を子供料金とする。
と考えればいいのかもしれません。
(後者が「大人料金>子供料金」を支持するとは限りませんけど。)

他の論点は私の経済学の理解ではまだ消化し切れておりませんが、
だいぶ納得できたような気がします。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2009/12/07 11:21

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