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彼女らが着用している衣装の背部に張り付けられている、
胃袋のようなオブジェは一体何でしょうか。
アイルランドの民族衣装に多く見られるようですが、
何かのエンブレムとしての意匠なのでしょうか。
御存知の方がいらっしゃいましたら、是非とも御教示頂きたく、
お願い申し上げます。

A 回答 (1件)

スコットランドのハイランド地方伝統の衣装の一部に、plaidと呼ばれる肩掛けがあります。

左肩から下げるもので、タータン・チェックなどの柄の羊毛製でした。バグパイプ奏者の衣装でよく見かけるものです。

Plaid ウィキペディア・ドイツ語のページ(英語版「Full plaid」よりも写真が多く載っていますのでこちらのリンクを張りますが、英語版も御覧ください)
https://de.wikipedia.org/wiki/Plaid

アイリッシュ・ダンスの踊り手も、昔はこのようなショールを左肩にブローチなどで留めて背中に下げていました。下のサイトで古い写真が見られます(英語のサイトを探していたのですが、先にドイツ語で書かれた詳しい衣装史のサイトが出てきたので、こちらを参照しました)。

http://tanz.albain.de/grundlagen/geschichte/klei …

上記サイトの説明によると、このような伝統的な衣装は1960年代後半から変化し始めたようです。70年代から20世紀の終わりにかけては、特にダンス・コンクールなどの際に、参加する子供の親が、自分の子供に一番美しい衣装を着せようと競ったり、衣装を目立たせて有利になるようにしたりしたことにより、ソロ・ダンスのコスチュームのデザインがどんどん個性的に、また派手になっていきました。最初のうちは、まだ色は比較的落ち着いていましたが、ついにはかなりグロテスクなデザインも登場するようになったということです。スカートも、道徳観の変化や、教会の影響力の低下により、次第に短くなっていきました。その際、左肩からかけるショールは短くデザイン化されていきました。60年代、70年代の例が下のページに出ています。

http://tanz.albain.de/grundlagen/geschichte/klei …

そして、今世紀に入ると、色が派手になります。

http://tanz.albain.de/grundlagen/geschichte/klei …

右下を折り曲げて留めたデザインもありますね。

http://lh3.ggpht.com/-HZ8ZcJmItlQ/TspiIVDntMI/AA …

ほかにもいろいろなヴァリエーションがあります。

http://lh4.ggpht.com/-QIFqFtQXs00/Ts0fV2lrapI/AA …

上の画像は、下のサイトに出ているものですが、「The back of the dress is also important. These styles have developed from the traditional shawl pinned over one shoulder.」と書いてありました。

http://jinny-gallimaufry.blogspot.jp/2011_11_01_ …

添付の動画の衣装も、伝統的なplaidのように左肩から下げたショールが、右下で折り重なっている様子を抽象化したデザインのようです。
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この回答へのお礼

ありがとう

新年あけましておめでとうございます。
万巻の書物にも匹敵する宝珠の如き大労作の御回答に、心より御礼申し上げます。
まさか彼の tartan fabric の名残、進化形態であるとは、夢にも思い付きませんでした。
アイリッシュバグパイプ uilleann pipes を模ったエンブレムではと邪推しておりましたが、確たる歴史的経緯を心肝に染めることが出来、新年早々望外の喜びに身も心も打ち震えている次第で御座います。
Riverdance のようなハリウッド的演出で以ってスペクタクル化した演目より、やはりこうした伝統芸能の嚆矢は、素朴な純粋性の中にこそ、息衝いていると再認識した次第です。
今年一年健やかにお過ごし下さるよう祈念致しております。

お礼日時:2016/01/01 08:38

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