アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

全く素人なので簡単にお答え頂ければ幸いです.
通常金属の場合熱伝導率は電気伝導率に比例して大きくなると教科書に書いてありました.
 超伝導体の場合熱伝導率は大変大きなものになるのでしょうか。またその関係は金属系の超伝導体と化合物超伝導体については異なるのでしょうか。電気伝導率は超伝導の場合無限に大きいと思っていましたがこれも間違いでしょうか。以上教えていただきますようお願いします。

A 回答 (4件)

電気伝導と熱伝導の関係ですが


金属の場合、電子が熱を運ぶ割合が大きく、
熱を伝えるのに関わる電子の数や
移動のしやすさやが熱伝導率にそのまま利いてきます。
このとき熱というのは出鱈目なエネルギーを電子に与え
電子はそれに応じて、ばらばらに動くわけですが
全体として(あっち行ったり、こっち行ったりを
すべて合せると)ある方向(温度の低いほう)へ
エネルギー(熱)が伝えれれることになります。

一方、超伝導状態は、
電子が通常の伝導状態と異なり、
電子が一定の秩序をもって運動している状態です。
つまり、上に書いたようなばらばらなエネルギーを
個別に与えれられても電子1個としては対応できないわけで、
秩序を乱して、エネルギーを運ぶか、
出鱈目なエネルギーを運ぶのを止めるしかありません
(秩序を乱すには、他の電子にも負担がかかり、
 それなりに強いエネルギーでなくてはならないためです。
 熱自体は弱いエネルギーから
 強いエネルギーのつぶ(?)を含んでいるので
 全部が遮断されるわけではありません)。
したがって、超伝導状態では電子が熱をあまり伝えなくなります。
たとえば、極低温では熱スイッチとして使われています。
http://www.s.kanazawa-u.ac.jp/phys/physics_MC/ul …

ということになると思います。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

大変分かりやすく適確なご回答ありがとうございました.
超伝導の理屈というのは素人には大変分かりにくいのですが通常金属の完全導体と全く違うということは良く理解できました。

お礼日時:2001/06/25 23:07

siegmund です.


motsuan さん,適切な補足ありがとうございます.

motsuan さんが書かれているように,
私の内容と motsuan さんの内容は全く同じことを言っています.
それにしても,
タッチの差(2分差!ですね)で投稿された二つの回答
(もちろん,全く独立に書かれています)が,
偶然ながら双方とも熱スイッチについて触れているところは面白いですね.
超伝導体の熱伝導がよくないことを積極的に利用した注目すべき技法
と言えばそれまでですが.
    • good
    • 1

補足です。


sigmundさんの
>超伝導電子は熱を運びません
私の
>超伝導状態では電子が熱をあまり伝えなくなります
は違うことをいっているようですが、
超伝導電子は熱を運べないけど、
超伝導状態から崩れた電子は熱を運べるということです。

ややこしくしてしまいましたが、
sigmundさんが回答されているのを
しらなかったもので...
    • good
    • 1

> 通常金属の場合熱伝導率は電気伝導率に比例して大きくなる



ヴィーデマン・フランツの法則と言われています.
熱伝導率をK,電気伝導率をσとして,K/σ が絶対温度Tに比例し,
しかも比例係数は金属の種類によらない,というものです.
実際,実験でもほぼそうなっています.
これは,通常金属の電気伝導と熱伝導が
共に電子の流れによって担われていることの結果です.

超伝導体の場合は全く様子がちがいまして,
超伝導体は熱の不良導体です.
すこし荒っぽい言い方ですが,超伝導体の電気伝導は超伝導電子が担っていますが,
超伝導電子は熱を運びません.
熱を運ばないということが,実は電気抵抗ゼロと深く関わっています.

低温の実験では超伝導体を利用した熱スイッチというのがあります.
熱関係の実験では熱を与えり,断熱したりしたい,なんていうことがしばしばです.
熱源と試料との間を超伝導体で結んでおきます.
普通は超伝導になっていて熱はほとんど通さない.
熱を通したいときには磁場をかけて超伝導を壊す.
そうすると,通常金属になるから熱をよく通す,というわけです.
磁場をつくるコイルに(適当な)電流を流すかどうかで,
熱伝導をコントロールできます.

> 電気伝導率は超伝導の場合無限に大きいと思っていましたが...

有限の電流が流れても電圧降下がないのですから,
形式的には電気伝導率が無限大と思っても結構です.
ただし,超伝導体を単に電気伝導率無限大の完全導体と見るのは余りよい見方でなく,
内部に磁束が入らない完全反磁性という方がより基本的です.
    • good
    • 1
この回答へのお礼

ご専門の立場からご回答いただきありがとうございました.今回始めてこのサイトに質問の投稿をさせていただきました.質問者の知識レベルや背景も明らかにしておく必要性を感じました。少し私のレベルもあがりました.

お礼日時:2001/06/25 23:17

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!